劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」 ― 2004年06月30日 13:23
@四季劇場【秋】
念願の初見。
開演時間30分間違えてて、汗だくで場内飛び込んだら客席に誰もいなくて目が点になったとか、幕間があると信じていて「どこで一幕終わるんだろう」とずっと思ってたとか(ユダが自殺してすっぽんで下りて行ったところで「あ、休憩だ」と本気で思ったことはナイショです)、波乱気味の状態で鑑賞してまいりました。事前の下調べはちゃんとしようね、自分。
終演後にまず思ったのは「……お疲れ、ユダ」でした。だってあんまりにもあんまりな人生。しかもそれ全部ジーザスのせいなのか…と思うとなんかもうこう、肩叩いて「まあ、とりあえず飲め」みたいな。
ジーザスの印象は「ダメな男」かな。
カリスマとして立ち続けることには疲れ、一人の男に身を落としてマリアを幸せにすることもできず、いっそ偽善を通して本当に王になる勇気もなく、自ら命を絶つこともできず…。
結局一番理解者のユダに自分ではできなかった選択をさせてしまうという、甘ちゃんなのか真面目すぎなのか微妙なところです。しかもユダは自分の思うとおりにやってくれるってわかっててさせるし。
でもね、ダメな人なのに魅力的ってのは惚れた方にとっては最悪なんでしょうね。ダメな部分をカバーして、なんでもしてあげたくなっちゃうような。ユダさん甲斐性あるし。
極論言っちゃうと神の御子であるジーザスは弱き罪深き人間に思えて、彼を裏切ってまで望み通りのことをしたユダこそが「救いの手」を持っているように思えました。その救いが神のものなのか、悪魔のものなのかはわからないけど。
もしかして実際のストーリーとはえらい食い違った解釈なのかもしれない気もしますが、初見だし、四季にしては歌詞が全然聞き取れなかったし、見て感じたのはこうだった…ということで勘弁してください。(パンフはこれから読みます)
歌詞が聞き取れなかったキャストは1人2人じゃないので、これはメロディに日本語が決定的に乗りにくいせいもあると思われ。(2階席だったせいかもしれない)やっぱあのメロディには英語がハマると思いました。ちょっとブロードウェイ版のCDを聞いてみたい。
あと、四季の皆さん普段はああいう歌い方しないからなのかしら?開幕してそんなに経ってないと思うんですが、ジーザス・ユダのお二人は揃って喉がきつそうでしたね。
ジーザスは途中数箇所「今の一節、あからさまに低くなかったか?」ってところがあったし、ユダさんも高音シャウト部分は8割……(皆まで言うまい)。
ただ、ステージから伝わってくる熱気は感じた。まだまだ出る気がしないでもなかったけど。
ジャポネスクバージョンは楽近くに行くから、その頃にはもっと練り上げられた雰囲気になるんだろうか。
2階席からステージ見て、「あの八百屋っぷり…すげぇ」と感嘆しました。照明の切り替わりもきっちり見えてきれいだったなぁ。ジーザスに群がる人々、ごろんごろん転がってて、そのまま上下の溝とか、客席まで落ちるんじゃないかとちょっとハラハラしました;ジーザスの転がりっぷりもすごかった。同行のW嬢は「ついうっかり回転数を数えてしまった」と言ってました。
あ、あと何処かのシーンで坂道駆け上がったユダが、舞台裏への階段下りるときにちょっとバランス崩して手が「あわわわ」ってなってました(笑)怪我には気をつけてほしいですね、本当に。
あー、でも柳瀬ジーザスは可愛かったなぁ(笑)
なんかこう、民衆が石投げるのも単に「いぢめたいv」ってだけなんじゃないかというくらいいぢめてオーラを放っていたような気がする。(「ホントは守ってオーラ」もね。…そんなん感じたの私だけか?)
カーテンコールでみんなノリノリの中、一人ぎこちなく出てくる姿も可愛かったです。
今度万全に予習した上でもう一回見たいなーと思うんですが、見事に完売なんですよね。まあ、縁があったら見ることもできましょう。
個人的にはジャポネスクバージョンのがこの話に共感できそうな予感もするので、8月が楽しみです。
そういや開演前に1Fロビーにいたら、ピンクの巨大な影が目の前を通ったので「なんだ?」と顔を上げたら井上"初代ルドルフ"芳雄くんでした。大きいんですね、びっくりした~;
後、ここから先は余談なんですが、「野獣郎見参」のジーザスパロはほんっと岡崎さんいい仕事してたんだなってのを実感(笑)
「SUPERSTAR」のパロディソングを劇中劇で「清明スーパースター」として唄うんですが、清明役でこの曲熱唱するのが柿右衛門(=唯一の裏切り者)だった辺り、実はすんごい深いのか?いのうえ演出。
歌詞が♪清明~スーパスター あなたは自分のことを~ この世で~ひとつの~天地の真理と思うの~♪なのも絶妙なパロだ。「私はイエスがわからない」のパロディも♪私にはわからない~彼は天才天文博士~♪で始まり、♪あの人が~怖い~♪で終わるし。
そんでヘロデ王(下村さん)には阿修羅城の瞳2003の望月高弥郎@河野さんと同じ匂いを感じました(笑)
帰ってから太宰の「駆け込み訴え」が読み返したくなってクローゼットの本の山をひっくり返す。
この話が「走れメロス」に収録されてる辺り、なんとなくこう、感じるものがありますね。
念願の初見。
開演時間30分間違えてて、汗だくで場内飛び込んだら客席に誰もいなくて目が点になったとか、幕間があると信じていて「どこで一幕終わるんだろう」とずっと思ってたとか(ユダが自殺してすっぽんで下りて行ったところで「あ、休憩だ」と本気で思ったことはナイショです)、波乱気味の状態で鑑賞してまいりました。事前の下調べはちゃんとしようね、自分。
終演後にまず思ったのは「……お疲れ、ユダ」でした。だってあんまりにもあんまりな人生。しかもそれ全部ジーザスのせいなのか…と思うとなんかもうこう、肩叩いて「まあ、とりあえず飲め」みたいな。
ジーザスの印象は「ダメな男」かな。
カリスマとして立ち続けることには疲れ、一人の男に身を落としてマリアを幸せにすることもできず、いっそ偽善を通して本当に王になる勇気もなく、自ら命を絶つこともできず…。
結局一番理解者のユダに自分ではできなかった選択をさせてしまうという、甘ちゃんなのか真面目すぎなのか微妙なところです。しかもユダは自分の思うとおりにやってくれるってわかっててさせるし。
でもね、ダメな人なのに魅力的ってのは惚れた方にとっては最悪なんでしょうね。ダメな部分をカバーして、なんでもしてあげたくなっちゃうような。ユダさん甲斐性あるし。
極論言っちゃうと神の御子であるジーザスは弱き罪深き人間に思えて、彼を裏切ってまで望み通りのことをしたユダこそが「救いの手」を持っているように思えました。その救いが神のものなのか、悪魔のものなのかはわからないけど。
もしかして実際のストーリーとはえらい食い違った解釈なのかもしれない気もしますが、初見だし、四季にしては歌詞が全然聞き取れなかったし、見て感じたのはこうだった…ということで勘弁してください。(パンフはこれから読みます)
歌詞が聞き取れなかったキャストは1人2人じゃないので、これはメロディに日本語が決定的に乗りにくいせいもあると思われ。(2階席だったせいかもしれない)やっぱあのメロディには英語がハマると思いました。ちょっとブロードウェイ版のCDを聞いてみたい。
あと、四季の皆さん普段はああいう歌い方しないからなのかしら?開幕してそんなに経ってないと思うんですが、ジーザス・ユダのお二人は揃って喉がきつそうでしたね。
ジーザスは途中数箇所「今の一節、あからさまに低くなかったか?」ってところがあったし、ユダさんも高音シャウト部分は8割……(皆まで言うまい)。
ただ、ステージから伝わってくる熱気は感じた。まだまだ出る気がしないでもなかったけど。
ジャポネスクバージョンは楽近くに行くから、その頃にはもっと練り上げられた雰囲気になるんだろうか。
2階席からステージ見て、「あの八百屋っぷり…すげぇ」と感嘆しました。照明の切り替わりもきっちり見えてきれいだったなぁ。ジーザスに群がる人々、ごろんごろん転がってて、そのまま上下の溝とか、客席まで落ちるんじゃないかとちょっとハラハラしました;ジーザスの転がりっぷりもすごかった。同行のW嬢は「ついうっかり回転数を数えてしまった」と言ってました。
あ、あと何処かのシーンで坂道駆け上がったユダが、舞台裏への階段下りるときにちょっとバランス崩して手が「あわわわ」ってなってました(笑)怪我には気をつけてほしいですね、本当に。
あー、でも柳瀬ジーザスは可愛かったなぁ(笑)
なんかこう、民衆が石投げるのも単に「いぢめたいv」ってだけなんじゃないかというくらいいぢめてオーラを放っていたような気がする。(「ホントは守ってオーラ」もね。…そんなん感じたの私だけか?)
カーテンコールでみんなノリノリの中、一人ぎこちなく出てくる姿も可愛かったです。
今度万全に予習した上でもう一回見たいなーと思うんですが、見事に完売なんですよね。まあ、縁があったら見ることもできましょう。
個人的にはジャポネスクバージョンのがこの話に共感できそうな予感もするので、8月が楽しみです。
そういや開演前に1Fロビーにいたら、ピンクの巨大な影が目の前を通ったので「なんだ?」と顔を上げたら井上"初代ルドルフ"芳雄くんでした。大きいんですね、びっくりした~;
後、ここから先は余談なんですが、「野獣郎見参」のジーザスパロはほんっと岡崎さんいい仕事してたんだなってのを実感(笑)
「SUPERSTAR」のパロディソングを劇中劇で「清明スーパースター」として唄うんですが、清明役でこの曲熱唱するのが柿右衛門(=唯一の裏切り者)だった辺り、実はすんごい深いのか?いのうえ演出。
歌詞が♪清明~スーパスター あなたは自分のことを~ この世で~ひとつの~天地の真理と思うの~♪なのも絶妙なパロだ。「私はイエスがわからない」のパロディも♪私にはわからない~彼は天才天文博士~♪で始まり、♪あの人が~怖い~♪で終わるし。
そんでヘロデ王(下村さん)には阿修羅城の瞳2003の望月高弥郎@河野さんと同じ匂いを感じました(笑)
帰ってから太宰の「駆け込み訴え」が読み返したくなってクローゼットの本の山をひっくり返す。
この話が「走れメロス」に収録されてる辺り、なんとなくこう、感じるものがありますね。
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