恋の魔法はハル夏アキ冬&筧利夫トークショー ― 2004年09月05日 13:35
@東京芸術劇場中ホール (大阪芸術大学舞台芸術学科第11回定期公演ソワレ)
これを「観劇」のくくりに入れていいのかは微妙なのですが…(苦笑)
ぶっちゃけその前の筧さんのトークショーを見に行ったわけです。
マチネ公演を終えた微妙にお疲れモードの筧さん。聞き手は元四季で大阪芸大教授の浜畑賢吉さん。
筧さんの服装は黒ジャケットになんか変なシャツとジッパーが沢山付いたパンツでした。ジャージだと思ってたのでちょっとびっくり(笑)
「ミス・サイゴン的愛のすすめ」というわりにはサイゴンの話題はほとんどありませんでした(笑)
以下印象的だった話しを。
・サイゴンには大阪芸大出身者が五名いる。(一人出演者を誘ってきてました)
・プロの世界に入ったときの違和感はどんなものでしたか?の質問に「学生時代から新感線をやっていて、当時は学生ブームだったんで大阪で3000人くらい集めてたんですよ。そのまま先輩に言われて第三舞台に入って、そのままTV出て映画出て今に至るので、いつプロになったんだかわかんないんですよ」
・「いのうえさん(@新感線)は当時からすごく才能があったんで、いのうえさんに演技を教えて貰った感じなんです。学校で演技を学んだ気がしないんですよ…(慌てて)○○先生とか○○先生にももちろん教わりましたよ!」
・なので「未だにプロになった気はしない」
・当時は近隣大学の演劇関係者との交流があり、当時の自分の上下の学年の人間が一気に東京に進出して、仲間がプロデューサーになってたり劇場支配人になったりしてる。だからずっと同じ面子でやってる感じがする。
・バレエや音声実習を今ならもっと真剣にやった。「少林寺拳法部(体育会系部活)は一般教養を優遇されてたんです。テスト白紙で出しても名前の横に「少林寺拳法部」と書くと「優」がもらえたんです」
・でも今、バレエや朗読の基礎の必要性を痛感している。それは今になってわかること。
・当時バレエが嫌だった理由は「白タイツが嫌だった」から。これには聞き手の浜畑さんも大きく同意してました。俳優座養成所時代にみんなで撮った白タイツ集合写真が可笑しくて仕方ないそうです。
・初ミュージカルに関して「エンジニアの曲は台詞的だから違和感がないのでは?」に対し「でも全部の台詞に♪がついてますからね!テンションが上がると半音上がっちゃうんですよ。ガーっとテンションあげてすごく気持ち良くて達成感もあって、後で人に聞くと「う~ん」。ビデオ見返すときれいに半音上がっちゃってて気持ち悪い」
・「でも逆に音で助けられる部分もあるでしょ?」「音が間を作ってくれますからね」
・「テンションを上げる芝居(つかさん等)が多かったからガンガンテンション上げちゃうんですけど、テンションを上げるとキーも上がっちゃって、キーは上がると下がらなくなっちゃうんですよね。で、下が全部浮いちゃう。毎日それに気をつけてて、本番前に必ず練習するようにしてます」
・そして四季出身の浜畑さんに逆に「どうやって調整するんですか?」と質問。「芝居によって1ヶ月・2ヶ月前から声も身体も微調整する。芝居によって出す声が違うから」の答えにかなり真剣に聞き入る筧さん。そして「こうやって現役役者さんの生の指導を受けられるのはすごいことだ!」(今は細川俊之さんなんかもご指導されてるんですよね)
・「そのうち教えに来て下さい」には「ええっ!?」と動揺(笑)
・学生に「喝」を入れて下さいには「ダラダラ生きないで目標を決めてください。僕は2年前の自分が何を考えてたかを思い出しながらやってます。たまには過去を振り返って目標の確認をしてください…ちょっと真面目なこと言っちゃいましたね(笑)」
・これに対して浜畑さんが「僕は逆に過去は振り返らないですね。…良く昔やった舞台の台詞とかを「ちょっと言ってみて下さい」と言われることがあるじゃないですか。言えますか?」「全然忘れてますね」「でしょう?」(以前「ここ10年の芝居の台詞は全部頭に入ってるって言ってたような気が…(笑))
・上の話の繋がりで「でも四季の人って過去にやった舞台は全部頭に入ってて、全部すぐできるって言うじゃないですか!」と逆に質問。「歌はだいたい入ってますね」「でしょ?」と筧さん。「僕が聞いた話はとある四季の役者さんが自分が舞台に出てない芝居を見に行ったら、キャストの一人が歌詞が飛んで歌えなくなった。そしたら客席にいたその人が、そのまま客席で歌って繋いだという…」客席爆笑。
・それに対して浜畑さんが「僕が出てた芝居で、初演に出てた人が客席の後方で見に来ていたら、キャストの一人がこむら返りを起こして倒れてしまった。そしたらスタッフが演出家の所に走り、そこにいた初演キャストに「やれるか?」「はい」。そのままキャストはステージに立って、裸足のまま踊ってました」「へー!あるんですね、そういうことは!」「よくあります」「よくあるんですか!」客席再び爆笑。「でもそれがプロですからね」と筧さん。筧さんは声が出なくなったときは喉に注射を打って舞台に立ったそうです。「それでも無理してでも、何としてでも舞台に立って舞台を続けなきゃいけませんから」頷きあう二人。
・「生き残るって大変なことですよね」という浜畑さんに「生き残りってことばにものすごい深みがありますね。劇団四季ですからね!」と頷く筧さん。「生き残ることも才能だ」と浜畑さんの厳しいお言葉。心なしか学生席が静かになった感じ?(笑)
で、その「生き残り」話しでトークは終了。正味30分くらいでしょうか。
印象としては「珍しく真面目な話してるな~」と。低音出てないことは本人も気にしてたんですね。サクっと言ってますが多分影ですごく努力してるんだろうな。
浜畑さんとは最初はギクシャクしていた会話だったんですが、そこは舞台俳優同士。後半は共感しあったのか、結構「ぶっちゃけトーク」してました。いや、面白かったです。
で、お芝居。……すいません、1幕で出てしまいました;
「夏の夜の夢」をベースにした話しだったんですけど(ほとんどその通りか)なんせ人が多い!無駄に多い!必然的に無駄な群舞やコーラスが多い(苦笑)
定期公演という名目上、恐らく在籍する生徒さん全員出さなきゃいけないということなんだと思います。その辺宝塚でも感じたのですが、ステージが広いのとそれをわかって作ってるオリジナル劇が多い分、宝塚は見れるんですよ。群舞にしても揃い方が違うし。
でもパックを春夏秋冬別に4チーム作るってのはいかがなものかと。しかも衣裳があまりにも…。
あとインドの小姓役の子役も酷かったなぁ。「ぴかりんちょー!」の悪夢を思い出しましたよ。(7/9の日記参照)
そんな中で印象に残ったのはシーシュース・ヘレナ・オーベロン&タイテーニア。(出演順)
シーシュースさんは非常に声が聞きやすく、大きな体も役に合ってました。ヘレナはお美しく、台詞まわしがきれいで声も良かった。オーベロン&タイテーニアは衣裳&メイクの力はあったと思いつつも、雰囲気出てましたね。特にタイテーニアはヒステリックな女王様を上手く演じてらして、この方がメインのシーンは安心して見てられました。後ロバの頭がとても良くできてて笑いました。
結果的には同行のW嬢と協議して幕間に退出してしまったんですけどね…ごめんなさい。でも家族友人知人じゃないし、お金払って見てる観客にその権利はある…よな、うん。
帰りは東方見聞録でご飯。蟹スパゲティーが非常に美味しくて幸せでした。
これを「観劇」のくくりに入れていいのかは微妙なのですが…(苦笑)
ぶっちゃけその前の筧さんのトークショーを見に行ったわけです。
マチネ公演を終えた微妙にお疲れモードの筧さん。聞き手は元四季で大阪芸大教授の浜畑賢吉さん。
筧さんの服装は黒ジャケットになんか変なシャツとジッパーが沢山付いたパンツでした。ジャージだと思ってたのでちょっとびっくり(笑)
「ミス・サイゴン的愛のすすめ」というわりにはサイゴンの話題はほとんどありませんでした(笑)
以下印象的だった話しを。
・サイゴンには大阪芸大出身者が五名いる。(一人出演者を誘ってきてました)
・プロの世界に入ったときの違和感はどんなものでしたか?の質問に「学生時代から新感線をやっていて、当時は学生ブームだったんで大阪で3000人くらい集めてたんですよ。そのまま先輩に言われて第三舞台に入って、そのままTV出て映画出て今に至るので、いつプロになったんだかわかんないんですよ」
・「いのうえさん(@新感線)は当時からすごく才能があったんで、いのうえさんに演技を教えて貰った感じなんです。学校で演技を学んだ気がしないんですよ…(慌てて)○○先生とか○○先生にももちろん教わりましたよ!」
・なので「未だにプロになった気はしない」
・当時は近隣大学の演劇関係者との交流があり、当時の自分の上下の学年の人間が一気に東京に進出して、仲間がプロデューサーになってたり劇場支配人になったりしてる。だからずっと同じ面子でやってる感じがする。
・バレエや音声実習を今ならもっと真剣にやった。「少林寺拳法部(体育会系部活)は一般教養を優遇されてたんです。テスト白紙で出しても名前の横に「少林寺拳法部」と書くと「優」がもらえたんです」
・でも今、バレエや朗読の基礎の必要性を痛感している。それは今になってわかること。
・当時バレエが嫌だった理由は「白タイツが嫌だった」から。これには聞き手の浜畑さんも大きく同意してました。俳優座養成所時代にみんなで撮った白タイツ集合写真が可笑しくて仕方ないそうです。
・初ミュージカルに関して「エンジニアの曲は台詞的だから違和感がないのでは?」に対し「でも全部の台詞に♪がついてますからね!テンションが上がると半音上がっちゃうんですよ。ガーっとテンションあげてすごく気持ち良くて達成感もあって、後で人に聞くと「う~ん」。ビデオ見返すときれいに半音上がっちゃってて気持ち悪い」
・「でも逆に音で助けられる部分もあるでしょ?」「音が間を作ってくれますからね」
・「テンションを上げる芝居(つかさん等)が多かったからガンガンテンション上げちゃうんですけど、テンションを上げるとキーも上がっちゃって、キーは上がると下がらなくなっちゃうんですよね。で、下が全部浮いちゃう。毎日それに気をつけてて、本番前に必ず練習するようにしてます」
・そして四季出身の浜畑さんに逆に「どうやって調整するんですか?」と質問。「芝居によって1ヶ月・2ヶ月前から声も身体も微調整する。芝居によって出す声が違うから」の答えにかなり真剣に聞き入る筧さん。そして「こうやって現役役者さんの生の指導を受けられるのはすごいことだ!」(今は細川俊之さんなんかもご指導されてるんですよね)
・「そのうち教えに来て下さい」には「ええっ!?」と動揺(笑)
・学生に「喝」を入れて下さいには「ダラダラ生きないで目標を決めてください。僕は2年前の自分が何を考えてたかを思い出しながらやってます。たまには過去を振り返って目標の確認をしてください…ちょっと真面目なこと言っちゃいましたね(笑)」
・これに対して浜畑さんが「僕は逆に過去は振り返らないですね。…良く昔やった舞台の台詞とかを「ちょっと言ってみて下さい」と言われることがあるじゃないですか。言えますか?」「全然忘れてますね」「でしょう?」(以前「ここ10年の芝居の台詞は全部頭に入ってるって言ってたような気が…(笑))
・上の話の繋がりで「でも四季の人って過去にやった舞台は全部頭に入ってて、全部すぐできるって言うじゃないですか!」と逆に質問。「歌はだいたい入ってますね」「でしょ?」と筧さん。「僕が聞いた話はとある四季の役者さんが自分が舞台に出てない芝居を見に行ったら、キャストの一人が歌詞が飛んで歌えなくなった。そしたら客席にいたその人が、そのまま客席で歌って繋いだという…」客席爆笑。
・それに対して浜畑さんが「僕が出てた芝居で、初演に出てた人が客席の後方で見に来ていたら、キャストの一人がこむら返りを起こして倒れてしまった。そしたらスタッフが演出家の所に走り、そこにいた初演キャストに「やれるか?」「はい」。そのままキャストはステージに立って、裸足のまま踊ってました」「へー!あるんですね、そういうことは!」「よくあります」「よくあるんですか!」客席再び爆笑。「でもそれがプロですからね」と筧さん。筧さんは声が出なくなったときは喉に注射を打って舞台に立ったそうです。「それでも無理してでも、何としてでも舞台に立って舞台を続けなきゃいけませんから」頷きあう二人。
・「生き残るって大変なことですよね」という浜畑さんに「生き残りってことばにものすごい深みがありますね。劇団四季ですからね!」と頷く筧さん。「生き残ることも才能だ」と浜畑さんの厳しいお言葉。心なしか学生席が静かになった感じ?(笑)
で、その「生き残り」話しでトークは終了。正味30分くらいでしょうか。
印象としては「珍しく真面目な話してるな~」と。低音出てないことは本人も気にしてたんですね。サクっと言ってますが多分影ですごく努力してるんだろうな。
浜畑さんとは最初はギクシャクしていた会話だったんですが、そこは舞台俳優同士。後半は共感しあったのか、結構「ぶっちゃけトーク」してました。いや、面白かったです。
で、お芝居。……すいません、1幕で出てしまいました;
「夏の夜の夢」をベースにした話しだったんですけど(ほとんどその通りか)なんせ人が多い!無駄に多い!必然的に無駄な群舞やコーラスが多い(苦笑)
定期公演という名目上、恐らく在籍する生徒さん全員出さなきゃいけないということなんだと思います。その辺宝塚でも感じたのですが、ステージが広いのとそれをわかって作ってるオリジナル劇が多い分、宝塚は見れるんですよ。群舞にしても揃い方が違うし。
でもパックを春夏秋冬別に4チーム作るってのはいかがなものかと。しかも衣裳があまりにも…。
あとインドの小姓役の子役も酷かったなぁ。「ぴかりんちょー!」の悪夢を思い出しましたよ。(7/9の日記参照)
そんな中で印象に残ったのはシーシュース・ヘレナ・オーベロン&タイテーニア。(出演順)
シーシュースさんは非常に声が聞きやすく、大きな体も役に合ってました。ヘレナはお美しく、台詞まわしがきれいで声も良かった。オーベロン&タイテーニアは衣裳&メイクの力はあったと思いつつも、雰囲気出てましたね。特にタイテーニアはヒステリックな女王様を上手く演じてらして、この方がメインのシーンは安心して見てられました。後ロバの頭がとても良くできてて笑いました。
結果的には同行のW嬢と協議して幕間に退出してしまったんですけどね…ごめんなさい。でも家族友人知人じゃないし、お金払って見てる観客にその権利はある…よな、うん。
帰りは東方見聞録でご飯。蟹スパゲティーが非常に美味しくて幸せでした。
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