十二月大歌舞伎(昼の部)2004年12月25日 15:32

@歌舞伎座

なんだかとっても久々な感じの歌舞伎座です。
地元で渋滞にひっかかったW嬢が遅れるということなので、とりあえず先に入ることに。「チケット発券機」なるものを初めて使ってみたのですが、これすごい!カード突っ込んで1秒もしないですぐ出てきたので「おやや?」と思ってたらスルスルとチケットが。
所要時間30秒もかかってないよ。ブラボー!

・八重桐廓話~嫗山姥
猿弥さんのお歌に前半は客席が爆笑でしたね~。化粧だけ見ててもおかしい。煙草屋源七との掛け合いもテンポが良くて楽しかった。七之介は相変わらず花影アリス風。
八重桐の福助さんが登場してからは独壇場(いや、戯曲的にもそういう芝居だし)。自分の過去を怒濤のように語るシーンは単純に凄かった。話し終わった後に「しゃべりすぎて息が…」とかなんとか言ってるのもおかしかったし。
しかし、ここで一転してシリアスに。実は八重桐の夫で敵を捜していた煙草屋源七こと時行は、敵を妹に先に討たれたこと他もろもろの理由で切腹(ええ!?)。死ぬときに内蔵を八重桐に食わせて(げげ!)、その魂は八重桐の身体に宿って神通力を与えてしまうというすんごい展開。
沢瀉姫@七之介を連れ去ろうとした十郎さんの手下をばったばったとなぎ倒し、最後はぶっ返しで人外の者になった八重桐が空を飛んで(そういうことなんだよな、あれは)終了。
このぶっ返しの時の場内の盛り上がり方はすごかったな~。いや、楽しかったです。
その後W嬢を迎えに行って合流。

・身替座禅
すいません、遅寝早起きだった反動で15分くらい寝させていただきました(割腹)。
三津五郎さんがもう化粧からすごくて、焼き餅焼きの女房をあまりエキセントリックにならず、ちょっと可愛さも残し気味に演じていたような気がします。
橋之介さん&勘九郎さんの恐がりっぷりがもうすごくて、ありゃ失礼なんじゃないかと(笑) 体調万全の時にもう一度見たかったです。

・梅ごよみ
丹次郎@段治郎さんがモテモテな話なんですが、なんというかこう、ちょっと情けないところがあったりしてそれがまた多分女の母性をくすぐる感じだったかな。なんとなく女が放っておけないタイプ?
女に心底惚れられて取り合われるタイプの男には見えなかったけど、これはこれでアリだと思った。放っておけずに面倒見てる間に離れられなくなっちゃったというか。仇吉に関しては一目惚れして一直線だしな。見た目は確かに抜群にかっこいいので納得(笑)段治郎さん背が高いから玉三郎さんと並んでも絵になるわー。どーでもいいけど一目惚れシーンの「いい男だねぇ」って台詞が格好良すぎて私は仇吉さんに惚れそうだったよ。
仇吉と米八はもう、すげーなと(笑)深川辰巳で1・2を荒そう芸者と言われたときに「勘九郎でそれは無理があるんじゃ…」と思ったのですが、銀座でナンバーワンクラブのママと、2丁目でナンバーワンクラブのママの対決だということで自分を納得させる(大失礼)。
全編テンポが良くて小気味いい感じであっという間に終わってしまった。玉三郎の啖呵も格好良かったし、勘九郎の嫌みも冴え渡ってた。間でおろおろしてるお蝶の春猿さんも可愛らしいし、笑三郎さんの政次もいい味出してたなぁ。桜姫東文章の長浦の時も思ったけど、若いのにこういう役がやれるって凄い。
で、ラストはあっさり「お蝶どの」「丹次郎さま」で終わるわけですが、今回の丹次郎のキャラもあってか「白けるねぇ」という台詞がとってもハマったわけです。
昼の切りだったので簡単な口上があって終了。終わったら4時近かったかな?でも長く感じなかった。

本当は夜の部も見たかったんですが、日程的に合わずに断念。
1月は昼夜とも見たいなぁ。