東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」(マチネ) ― 2005年04月30日 14:33
CAST:
バルジャン:山口祐一郎
ジャベール:岡幸二郎
エポニーヌ:坂本真綾
ファンテーヌ:マルシア
コゼット:河野由佳
マリウス:泉見洋平
テナルディエ:徳井優
テナルディエの妻:森久美子
アンジョルラス:岸祐二
というわけで岸アンジョと真綾エポの楽です。
席は1階I列の下手側。きっと岸アンジョの最後の笑顔は見れない…と思いつつ、でもとりあえず最後の勇姿は目に焼き付けるぞ!と気合いを入れて見てきました。
というわけで果てしなくアンジョ寄りレポですがご容赦を…。
まず山岡対決は見応えがありました。岡さん、結構声が掠れたりして心配な感じではありましたが、気迫が凄い。(後に喉の故障だったこと判明。お大事にしてください)睨み合ったままの「♪これだけは~誓う~」「♪もう逃げられない~」は素晴らしかった。
関係ないんですが岡ジャベが砦でバルジャンに「でーるーのーだ!」と机に突き飛ばされた時の後ろ姿が妙に色っぽくて好きです(笑)
自殺も声は枯れていましたが、「壊れた」感が良く出ていてあれはあれでありかなと。ただかなり無理に絞り出している印象だったので喉に良くないんじゃないかな…なんて。心配です。
坂本エポは正直好きなエポじゃなかったんですが、今日は良かったなー。すごく「等身大」な感じがして自然だった。「恵みの雨」がとても静かで、マリウスとエポニーヌの間にある空気がとても透明に感じた。カテコの挨拶も可愛くて、苦手意識が結構払拭されたかもしれない。お疲れ様でした。
で、岸アンジョ。ベガーズで「♪それは将軍ラマルク」と出てきた瞬間、なんかこう胸に何とも言えない想いが。「あー、最後だよ~」って思うとそれだけで寂しくなってしまってちょっと目頭が…。そんなに好きだったのか自分。
この日は見ていて全体的に初日を思い出しました。気合い一発の初日から、きっと色々な想いを経て千秋楽はパワーアップした気合い一発に戻る、みたいな(笑)アンジョルラスの力強い歌声一つ一つがガンガン伝わってくる。ふと客席側を見ると上手半分のオペラグラス上げるタイミングシンクロ率がものすごい高確率だった。すげえ。
ABCカフェでは一人一人の学生に語りかけるようにして歌っていて、また学生がアンジョルラスを見る目が期待と信頼に満ちて見える。アンジョルラスを中心に徐々に一つにまとまって行く課程がわかりやすく感じられた。恋ボケ(笑)している泉見マリウスに対しても真摯に、真っ直ぐに語りかける。
「♪グランテール!酒を置け」で阿部グランが「ぶはっ」と酒を吹き出すのもいつものこと。ラマルク将軍の死で落ち込む学生たちの中、静かにアンジョルラスが歌い出す。「♪ラマルクの死 その死を無駄にしてはならない~」徐々に学生達に生気が戻る。ボルテージが上がっていくアンジョルラスは革命の象徴である赤い旗を掴んで高々と掲げる。沸き上がる歓声、そして静寂。そこに静かに入ってくる「♪闘う者の歌が聞こえるか~」という歌声。何度見ても岸アンジョで好きな場面ベスト3に入るシーンはここだったりします。あの低い声が静まりかえった場内に響くのがいいんですよ。学生たちの「この人は何を言おうとしているんだろう」という緊張感も。楽曲の力が遺憾なく発揮された素晴らしい場面だと思う。
そしてこの日の「One Day More」で、岸アンジョは笑っていました。「明日」という日が希望に満ちあふれていることを心から信じているような笑顔。今までの岸アンジョは、わりと厳しい表情でこの曲を歌っていることが多かったように思うのであの笑顔にはびっくり。カンパニー全体の勢いも凄くて、涙涙で1幕終了でした。
2幕に入って学生側の状況は悪化していく。志願兵としてバルジャンが砦に入ってくるシーンでは、エポニーヌの死でボロボロになったマリウスを背中に庇うようにして銃を構える姿が印象的だった。「Drink with me」で酒を飲んでグランテールを静かに見つめる目、「Bring him home」の祈るような歌声に乗せて経過して行く砦の中の時間。静かに星を見上げて何かを決意するアンジョルラス、ガブローシュの寝顔を悲しい顔で見つめるグランテール、そんなグランテールを見る少年ピエール。別れを惜しむ恋人・家族。
「二度目の攻撃」で、小さな命を散らしてしまったガブローシュ。盆が回りながら、睨み合うようにして目を合わせるアンジョルラスとグランテールにスポットが当たる。ここも好きなシーン。そして目を逸らし、がくりと肩を落とすアンジョルラス。もしかしたら岸さん、マジ泣きしてたんじゃないかな…と思う肩の動きだった。
「砦の者よ良く聞け!」とアーミーオフィサーの声に、瞬時にリーダーの顔に戻って外を向くアンジョルラス。徐々にその背中が怒りに、悲しみに震え始める。今日のここのテンションは凄かった。背中を見ているだけで感情がどんどん伝わってきて目が離せない。そして振り返った瞬間の表情をなんと形容したらいいのかな。「♪死のう!僕らは敵など恐れはしない!」って血を吐くような叫びでね。でも絶望してるんじゃないところが悲しくて。
マリウスが撃たれ、グランテールを振り切る瞬間の笑顔がね、見えちゃったんですよ。見えないと思ってたんですがギリギリで見えまして。見てしまったらもう涙止まりませんよ、あんな笑顔。しかしここでアクシデント。落ちる時に足を引っかけてしまったようで、1階I列から砦の向こうに一瞬2本の足が…体勢的には「犬神家の一族」@静馬状態に見えたんですが、どうなんだろう。(つまり足が「V」状態というか)だとしたら砦の裏側で逆立ち状態だったわけで…大丈夫だろうかとドキドキしている間に砦陥落。角川コンブフェールが壮絶な死に方してましたね。あまりはっきりは見えなかったんですが、トリコロールのサッシュを腕に巻いて、口で引っ張るような状態で弾薬庫に全身をかぶせるようにして死んでました。
砦陥落でもうぼろ泣きしながら見ていたら、岡ジャベールがバリケードの上からアンジョの遺体を見つけた時、敬意を表すように腕を胸に持って行って、それがまた涙を誘うんですよ。
一人生き残ったマリウスが歌う「カフェ・ソング」ここは泉見さんが魂の熱唱。後ろに立つ学生たちの笑顔も悲しい。そこに走り込んでくる由佳コゼの澄んだ歌声に癒されます。
エピローグは山口バルジャンの「完全死」バージョン。
でもやっぱりこれやられちゃうとすっきりしない。タイミングなんだと思うんですが、「私は父じゃない…(がくっ)」だと二人ともそう思ってないことは間違いないのに、コゼットは「パパはパパなのよ」と言う間がなく、バルジャンもコゼットの気持ちを聞かないままに死んで行くのでなんだか悲しい。言葉にしなくてもわかるんだろうけど、私は大切なことほど言葉にしないと伝わらない部分があると思っているので…。これはこれでアリだとは思うんですけどね。
そして仲間たちの大合唱で本編終了。終わってカーテンコールに入ったら逆に泣けてきました。「終わっちゃったよ~」って。
カテコではDCカードのキャラクター「かっぱとタヌキ」の大きなビニール人形を岡さんと山口さんが持って登場。
岡かっぱ「ミュージカルといえば?」
山たぬき「かっぱとたぬき!」
岡かっぱ「違うでしょ!レ・ミゼラブルでしょ!」
みたいな小芝居が繰り広げられた後、真綾ちゃんの挨拶。そして岸さんの挨拶だったのですが、「皆さんに支えられて」と言おうとして「皆さんを支えて」と言い間違ってしまい、カッパとタヌキにぼこぼこに…(笑)特に山口さんは多分狙って頭のピンマイクの上をバシバシ叩くので、「ボスッ!ボスッ!」と凄い音がしてました。そして挨拶の続きが長引き(岸さん、上手く言葉にならなかった様子)始めると、後ろで二人で指をぐるぐるまわして「巻け」の合図。
最後は「DCカードでチケットを買っていただいてまた劇場でお会いしましょう!」と締めて、終了でした。
岸アンジョの登板回数は16回。私はそのうち、なんと<b>12回</b>を見ました。3/4クリアです。アホですね~。岸さんという役者さんがアンジョルラスを演じて生まれた「岸アンジョ」が果てしなく私のツボにはまった結果です。色々無茶もしましたが本当に楽しい1ヶ月でした。
これが最後なんて言わず、大阪名古屋の公演でまた岸アンジョと出会えることを楽しみにしてます。でもプリンシパルの初日楽日の貸切は金輪際やめてください…。岸アンジョ贔屓の私と、コングテナ贔屓のW嬢はキャストスケジュール見て崩れ落ちましたよ…。(結果的に私がJCB・W嬢がDCカード持ってて事なきを得たんですけどね)
バルジャン:山口祐一郎
ジャベール:岡幸二郎
エポニーヌ:坂本真綾
ファンテーヌ:マルシア
コゼット:河野由佳
マリウス:泉見洋平
テナルディエ:徳井優
テナルディエの妻:森久美子
アンジョルラス:岸祐二
というわけで岸アンジョと真綾エポの楽です。
席は1階I列の下手側。きっと岸アンジョの最後の笑顔は見れない…と思いつつ、でもとりあえず最後の勇姿は目に焼き付けるぞ!と気合いを入れて見てきました。
というわけで果てしなくアンジョ寄りレポですがご容赦を…。
まず山岡対決は見応えがありました。岡さん、結構声が掠れたりして心配な感じではありましたが、気迫が凄い。(後に喉の故障だったこと判明。お大事にしてください)睨み合ったままの「♪これだけは~誓う~」「♪もう逃げられない~」は素晴らしかった。
関係ないんですが岡ジャベが砦でバルジャンに「でーるーのーだ!」と机に突き飛ばされた時の後ろ姿が妙に色っぽくて好きです(笑)
自殺も声は枯れていましたが、「壊れた」感が良く出ていてあれはあれでありかなと。ただかなり無理に絞り出している印象だったので喉に良くないんじゃないかな…なんて。心配です。
坂本エポは正直好きなエポじゃなかったんですが、今日は良かったなー。すごく「等身大」な感じがして自然だった。「恵みの雨」がとても静かで、マリウスとエポニーヌの間にある空気がとても透明に感じた。カテコの挨拶も可愛くて、苦手意識が結構払拭されたかもしれない。お疲れ様でした。
で、岸アンジョ。ベガーズで「♪それは将軍ラマルク」と出てきた瞬間、なんかこう胸に何とも言えない想いが。「あー、最後だよ~」って思うとそれだけで寂しくなってしまってちょっと目頭が…。そんなに好きだったのか自分。
この日は見ていて全体的に初日を思い出しました。気合い一発の初日から、きっと色々な想いを経て千秋楽はパワーアップした気合い一発に戻る、みたいな(笑)アンジョルラスの力強い歌声一つ一つがガンガン伝わってくる。ふと客席側を見ると上手半分のオペラグラス上げるタイミングシンクロ率がものすごい高確率だった。すげえ。
ABCカフェでは一人一人の学生に語りかけるようにして歌っていて、また学生がアンジョルラスを見る目が期待と信頼に満ちて見える。アンジョルラスを中心に徐々に一つにまとまって行く課程がわかりやすく感じられた。恋ボケ(笑)している泉見マリウスに対しても真摯に、真っ直ぐに語りかける。
「♪グランテール!酒を置け」で阿部グランが「ぶはっ」と酒を吹き出すのもいつものこと。ラマルク将軍の死で落ち込む学生たちの中、静かにアンジョルラスが歌い出す。「♪ラマルクの死 その死を無駄にしてはならない~」徐々に学生達に生気が戻る。ボルテージが上がっていくアンジョルラスは革命の象徴である赤い旗を掴んで高々と掲げる。沸き上がる歓声、そして静寂。そこに静かに入ってくる「♪闘う者の歌が聞こえるか~」という歌声。何度見ても岸アンジョで好きな場面ベスト3に入るシーンはここだったりします。あの低い声が静まりかえった場内に響くのがいいんですよ。学生たちの「この人は何を言おうとしているんだろう」という緊張感も。楽曲の力が遺憾なく発揮された素晴らしい場面だと思う。
そしてこの日の「One Day More」で、岸アンジョは笑っていました。「明日」という日が希望に満ちあふれていることを心から信じているような笑顔。今までの岸アンジョは、わりと厳しい表情でこの曲を歌っていることが多かったように思うのであの笑顔にはびっくり。カンパニー全体の勢いも凄くて、涙涙で1幕終了でした。
2幕に入って学生側の状況は悪化していく。志願兵としてバルジャンが砦に入ってくるシーンでは、エポニーヌの死でボロボロになったマリウスを背中に庇うようにして銃を構える姿が印象的だった。「Drink with me」で酒を飲んでグランテールを静かに見つめる目、「Bring him home」の祈るような歌声に乗せて経過して行く砦の中の時間。静かに星を見上げて何かを決意するアンジョルラス、ガブローシュの寝顔を悲しい顔で見つめるグランテール、そんなグランテールを見る少年ピエール。別れを惜しむ恋人・家族。
「二度目の攻撃」で、小さな命を散らしてしまったガブローシュ。盆が回りながら、睨み合うようにして目を合わせるアンジョルラスとグランテールにスポットが当たる。ここも好きなシーン。そして目を逸らし、がくりと肩を落とすアンジョルラス。もしかしたら岸さん、マジ泣きしてたんじゃないかな…と思う肩の動きだった。
「砦の者よ良く聞け!」とアーミーオフィサーの声に、瞬時にリーダーの顔に戻って外を向くアンジョルラス。徐々にその背中が怒りに、悲しみに震え始める。今日のここのテンションは凄かった。背中を見ているだけで感情がどんどん伝わってきて目が離せない。そして振り返った瞬間の表情をなんと形容したらいいのかな。「♪死のう!僕らは敵など恐れはしない!」って血を吐くような叫びでね。でも絶望してるんじゃないところが悲しくて。
マリウスが撃たれ、グランテールを振り切る瞬間の笑顔がね、見えちゃったんですよ。見えないと思ってたんですがギリギリで見えまして。見てしまったらもう涙止まりませんよ、あんな笑顔。しかしここでアクシデント。落ちる時に足を引っかけてしまったようで、1階I列から砦の向こうに一瞬2本の足が…体勢的には「犬神家の一族」@静馬状態に見えたんですが、どうなんだろう。(つまり足が「V」状態というか)だとしたら砦の裏側で逆立ち状態だったわけで…大丈夫だろうかとドキドキしている間に砦陥落。角川コンブフェールが壮絶な死に方してましたね。あまりはっきりは見えなかったんですが、トリコロールのサッシュを腕に巻いて、口で引っ張るような状態で弾薬庫に全身をかぶせるようにして死んでました。
砦陥落でもうぼろ泣きしながら見ていたら、岡ジャベールがバリケードの上からアンジョの遺体を見つけた時、敬意を表すように腕を胸に持って行って、それがまた涙を誘うんですよ。
一人生き残ったマリウスが歌う「カフェ・ソング」ここは泉見さんが魂の熱唱。後ろに立つ学生たちの笑顔も悲しい。そこに走り込んでくる由佳コゼの澄んだ歌声に癒されます。
エピローグは山口バルジャンの「完全死」バージョン。
でもやっぱりこれやられちゃうとすっきりしない。タイミングなんだと思うんですが、「私は父じゃない…(がくっ)」だと二人ともそう思ってないことは間違いないのに、コゼットは「パパはパパなのよ」と言う間がなく、バルジャンもコゼットの気持ちを聞かないままに死んで行くのでなんだか悲しい。言葉にしなくてもわかるんだろうけど、私は大切なことほど言葉にしないと伝わらない部分があると思っているので…。これはこれでアリだとは思うんですけどね。
そして仲間たちの大合唱で本編終了。終わってカーテンコールに入ったら逆に泣けてきました。「終わっちゃったよ~」って。
カテコではDCカードのキャラクター「かっぱとタヌキ」の大きなビニール人形を岡さんと山口さんが持って登場。
岡かっぱ「ミュージカルといえば?」
山たぬき「かっぱとたぬき!」
岡かっぱ「違うでしょ!レ・ミゼラブルでしょ!」
みたいな小芝居が繰り広げられた後、真綾ちゃんの挨拶。そして岸さんの挨拶だったのですが、「皆さんに支えられて」と言おうとして「皆さんを支えて」と言い間違ってしまい、カッパとタヌキにぼこぼこに…(笑)特に山口さんは多分狙って頭のピンマイクの上をバシバシ叩くので、「ボスッ!ボスッ!」と凄い音がしてました。そして挨拶の続きが長引き(岸さん、上手く言葉にならなかった様子)始めると、後ろで二人で指をぐるぐるまわして「巻け」の合図。
最後は「DCカードでチケットを買っていただいてまた劇場でお会いしましょう!」と締めて、終了でした。
岸アンジョの登板回数は16回。私はそのうち、なんと<b>12回</b>を見ました。3/4クリアです。アホですね~。岸さんという役者さんがアンジョルラスを演じて生まれた「岸アンジョ」が果てしなく私のツボにはまった結果です。色々無茶もしましたが本当に楽しい1ヶ月でした。
これが最後なんて言わず、大阪名古屋の公演でまた岸アンジョと出会えることを楽しみにしてます。でもプリンシパルの初日楽日の貸切は金輪際やめてください…。岸アンジョ贔屓の私と、コングテナ贔屓のW嬢はキャストスケジュール見て崩れ落ちましたよ…。(結果的に私がJCB・W嬢がDCカード持ってて事なきを得たんですけどね)
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