東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」(マチネ)2005年05月07日 14:34

CAST:
バルジャン:石井一孝
ジャベール:今拓哉
エポニーヌ:笹本玲奈
ファンテーヌ:マルシア
コゼット:知念里奈
マリウス:泉見洋平
テナルディエ:佐藤正宏
テナルディエの妻:森久美子
アンジョルラス:坂元健児

さあ、5月組登板です!シルビアファンテは来週になってしまうのですが、まずは石井バルジャンを見てきました。

まずは第一印象。「若い!」です。確か鹿賀さんや滝田さん辺りも初めてバルジャンを演じたのは石井さんくらいの年齢だったと思うのですが、石井さんは見た目も声も若々しいタイプの方なので特に後半はびっくりするくらい若かった。
歌は安定していて素晴らしかったです。逆に「独白」や「彼を帰して」の高音なんか安定しすぎて必死感薄く感じてしまったくらい(^_^; 聞いていてとても気持ちのいい声で、なんだか爽やかなバルジャン(笑)
囚人のシーンは若さ爆発で非常に荒々しかったと思います。「オレは!ジャンバルジャ~ン」と名乗る所を強く歌っていて、「24653」という囚人番号で呼ばれることへの憤りを感じました。後の「独白」の「♪囚人番号つけられ オレの名前は消されて!」という歌詞に繋がっていくわけですね。
「対決」は迫力あったなー。「♪考えろジャベール!」の辺りでファンテーヌのベッドをバシッと叩く白熱の演技だったのですが、ファンテーヌにしてみれば「人が死んでる枕元で騒ぐなー!」だった気がします。今ジャベも熱いからボルテージはぐんぐん上がってました。でも最後の殴り倒す所は意外にとろかったような…。
宿屋の取引シーンでも椅子をひっくりかえす勢いがすごい!上手側テーブルの椅子の上に半分くらい乗っかってました。でもリトコゼちゃんの着替えに手間取って、「さあコゼット!おいで!」って台詞が飛んでましたね;クルクル回すのも慣れてないのか回数少なめだった気がします。
パリ以降はな~。知念コゼ・泉見マリ・笹本エポと、キム&トゥイ(あと坂元クリス)が揃ってしまったせいか、余計にその群れに入ってるバルジャンに違和感を感じなくて、感じないことが微妙に違和感だったかも;だって石井バルジャン「達観したじいさん」でもないし全然枯れてない感じで…(失礼)「うん、そのままコゼット連れ去っちゃえよバルジャン!大丈夫だよ!」(何がだよ)みたいな。
そんなせいか「彼を帰して」が非常に生々しい感じ。他のバルジャンの「祈り」であり「願い」である歌と違って、「マリウスを家に私がなんとしても帰そう」みたいな「決意」が見えた気がします。その辺が「第二の攻撃」の「♪任せろオレが行く!」でしっかりとマリウスの肩を抱く演技とも共通していた気がします。あ、このとき強く抱き寄せられすぎて「むぎゅっ」って感じでなんだかきつそうな顔してた泉見マリウスが妙におかしかった(笑)
下水道ではあんまり何度も担ぎ変えはしてませんでしたね。石井さんも腰悪い組なのかな?山口さんは腰に持病があるから担ぎ変えをしないという話しを聞いたことがあるのですが。
ジャベールとの最後の対峙の後、随分長く舞台に残って、最後まで自分を「24653」と呼んだジャベールに向かい「どうしてわかってもらえないんだろう」と言う感じに淋しげに首を振って立ち去る姿が印象的でした。
そんなこんなで生命力に溢れたバルジャンのせいか、エピローグは正直バルジャンの演技では泣けなかった。知念コゼットで泣きましたが。マリウス見る目がとても優しい気がするのは見てる側の印象のせいかな…?
後は囚人シーンで妙に衣裳がダブダブで肩がモロ出しになってて驚いたとか、痩せ型バルジャンだから「いや、馬車持ち上がらないだろう」と素で心配してしまったとか、その馬車持ち上げの最中に「石井さん足きれい~!長いよー!」と感動したとか、細身にスーツが似合って「フランス人というよりは英国紳士?」と思ったとか、まあ感想は多々。あと10年は余裕でバルジャンやれるわけだから、役と共に年齢を重ねた、役と年齢がつり合うようになった石井さんのますます素敵なバルジャンが何年後かに見られることを楽しみに今後もレミを見続けたいな~なんて思いました。こういうのがレ・ミゼの素晴らしいところなのかな。

綜馬さんの休演で連投お疲れさまですの今さん。所々声がきつそうな感じがしたのは押さえていたのか気のせいか。石井さんとの対決は、なんだか嬉しそうだったような気がします。見てる側の印象かもしれませんが今日の今ジャベールは何だか生き生き。そして自殺最後の高速回転が妙に斜めに転がっていて、後ろで「ジャベールキャッチ」するスタッフさんが移動する影がちらっと見えたりしました(笑)
カーテンコールでも今さん石井さんはずっと仲良しで、肩組んだり腰抱いたり二人で万歳したり、なんか楽しそうでいいなあと。トップとトップさんを支える二番手風というか。カンパニー全体の仲良し感が伝わってきて良かった。

知念ちゃんのコゼットが前回見たときよりもさらに良くなってました。高音がしっかりと出るようになってきたし、演技はますます可憐に。彼女のエピローグがとても好きなので、SPは否が応でも期待。楽しみです。

坂元アンジョ、ABCの「♪群れとなりて~」の所で頑張りすぎて、口が縦になったまま決めポーズしてました(わかるかな~;)。それがまた可愛くてですね。ふと横を見たら隣のW嬢もほんわか笑顔になってました(笑)

上條工場長の小市民的な感じが好きです。他の二人の工場長はエロエロな感じなんですが、上條工場長はちらっとセクハラしつつも周囲が気になってすっと身を引いちゃうというか。「こういう人いるよな~」的なリアル感がいいです。
そしてコンブフェールは熱い!アンジョの指示や言葉にきっちり反応返すところがいいですよね。あと砦で戦う時、アンジョの「撃てー!」に合わせて下手側はコンブが手でGOサインを出すんですが、その出し方も好き。角川さんはすっと手を横に出して、上條さんは前に振りだすんですよね。小鈴さんはここは号令出してない。
あとは最後の戦い前に上着脱いだり。いや、なんか今日は上條さんが気になって気になって結構じっくり見てしまいました。旅人の演技も細かくて好きです。

しかし、やっぱり主役が代わるとがらっと別の舞台になるんだな~ってことを改めて思いました。そして新しい人(今回なら石井さん)を見ると他の人も見たくなる。東宝さんのアリ地獄に引き込まれてるよな~…と思いながら劇場を後にしました。

終演後はご飯して久々にカラオケ行って、夜は某カード会社のエリザ先行参戦。ええ、見事に玉砕しましたよ(T_T) 今回のエリザ、見られるのかしら…

※追記
石井さんも銀のグラスは2個しか盗んでませんでした。全部盗むのは今井さんだけなのか…。