宝塚歌劇団星組「ベルサイユのばら〜フェルゼンとマリー・アントワネット編」2006年04月02日 11:00

@東京宝塚劇場

1/8以来の星ベルばら。色んなポイントで熱くなってたり、気合いが入っていてすごかった。そういえばこの回は前楽なのだった。なんか、前楽鑑賞ってやたら多い気がするんだけどどうしてだろう。

今回初見だったのはとうこ(安蘭けい)オスカルと、ちえドレ(柚希礼音)。しぃちゃん(立樹遥)のアンドレ見られなくて残念だったなぁ。

まずトウカルはですね、「普通のお嬢さん」だったと思います。そんな男装やめて、さっさとジェローデルかアンドレと結婚しちゃいなさい。あなたならそれができるし、その方が幸せだよ多分、と。基本的にオスカルって「乙女心はちゃんとあっても、男として育てられてるからそれの表し方を知らないし、今更女には戻れない」人だと思うんですが、トウカルは「リボンの騎士」のサファイアのように一日の半分は男、半分は女として育てられたって感じで、戻ろうと思えば今すぐ女に戻って令嬢になれそうな雰囲気。…ヅカ的オスカルだと正しいのか?もしかして。男の時と女の時でものすっごく不自然なほどに振り幅激しいもんな、ヅカオスカル。
その振り幅の違和感をあまり感じなかったオスカルであったことは確か。ただ、これはもう好みの問題なんですが、やっぱり「♪この胸の女心を〜」(字面にするとすげー歌詞だ)を本当に女子な声で歌われてしまったり、台詞を女子声で言われてしまうとこう…背中がもぞもぞするというか、胸がもやもやするというか。ブイエ将軍の「女だからといって〜」という台詞、本来むかつくべき台詞でいつもむかつくんですが、今回はオスカルの受け答え声が可愛らしすぎてちょっと納得しかかってしまった…ごめん、トウコちゃん。
というかですね、演出問題なんですが、やっぱり男役は男役として板に立ってるのが一番いいよなぁ。アイーダくらい「娘役」だと納得できるんだけど、オスカルみたいに見た目半端に男役だとどうも納まり悪くて。そこんとこ頼みますよほんっと、植田さん。原作忠実でいいではないか…。

チエドレ。若いなー、アンドレ似合ってるなーと。正直あまり印象がないのはレオンくんのせいではなく、星バラのアンドレは基本的に出番が少ないからだと思います。演技的に破綻ないしね。トウコちゃんがお姉さま風味なオスカルだったので、全般的に「好きな女のために一生懸命背伸びしてる若人」な雰囲気で好きでしたよ、結構(笑)

で、初見の人々以外をざっと。
・白鬘+船バージョンの初っぱなアントワネット。あのヅラ似合うってのは凄い才能だと思いました。
・初日付近に比べてとなみ(白羽ゆり)アントワネットがものすごく威厳に満ちて、堂々たる王妃っぷりで素晴らしい。
・初見→今回の間に退団発表があったせいかワタルさん(湖月わたる)が出てきただけでちょっと目から水が…(涙)
・本日のモンゼット夫人アドリブ「瞳の中の星に永久(とこしえ)の愛を。と〜うこしえの愛を」
・湖上でつかの間の休息なフェルゼンとアントワネット。なんか色気を感じてしまった…
・宮廷シーンのとなみちゃん、歌がうまくなってた!この曲好き好き。
・フェルゼンの言葉にものすごい勢いで反応するオスカルに苦笑。可愛らしいわー。
・そして1幕ラストの「愛の面影」にやっぱり泣けてしまった…ワタルさん…

・スウェーデンのフェルゼン宅前で「♪ランランランランララ〜ン」と踊ってたしぃちゃんがえっらい男前でときめいた。
・つーか今回全般的にしぃちゃんが恰好良い。いや、もともと好きタイプなんだけどさ。
・なのでオスカル止めるしぃちゃんにも大注目。いやー、なんか素敵〜。
・「ヴァスティーユが落ちたぞーーーーー!」@ゆかり(綺華れい)アランの叫び声は、やっぱりレオンには及ばなかった…。もっとでかく!もっと熱く!
・ルイ16世夫妻の子供二人の歌って前からあったっけ?増えた?延びた?
・公安委員会の皆さんの演技が熱くなってた。みきちぐ怖かったよ…熱かったよ!
・なので普通に「アントワネットかわいそう…」と泣けてしまった。うん、自業自得だけどな。
・「フランスから帰ってきた私が生きていたとお思いか?」の台詞はやっぱり切ない。距離と時間が二人を隔ててしまったことを観客が思い知る瞬間だよな。
・「行け行けフェルゼンドーンと行け!」も、ここに来てものすごく熱い!
・ロザリー@うめ(陽月華)の可愛らしさが増していた!普通の娘役さんに見える!(大失礼)
・牢獄もしぃちゃん恰好良かったなー。表情や演技抑えてるのに、それがアントワネットを思いやってるからだってのが伝わってきた。ベルナールは辛かったんだろうな…。
・実は現役No1贔屓が雪でベルナールやってるので(そうだったんですか!?そうだったんです…あの方が現役No1です)、それ見るのが楽しみになった。
・フェルゼンとアントワネットの気持ちのすれ違いというか、完全に隔たってしまった温度というかテンションが切ない。フランス撤退で時間が止まってしまったフェルゼンと、止まることなく進んで、最後にたどり着いてしまったアントワネット。愛は変わらないのにね…。
・どーでもいいんですがアントワネットは「王妃」であって「女王」じゃないよなぁ?
・1F席だったんですが、アントワネットが階段上りきると同時にスタンバイするロケットの皆さんが見えて苦笑。

・小雨降る径のすずみん(涼紫央)かーわーいーいー!きれいやん!
・髪形はターバンタイプでした。似合う。つーかすっごくいいぞ!
・かしげ(貴城けい)さんの淑女はワタルさん睨み付けてたんですが、すずみんはなんちゅーか、せり下がる時まで初々しい笑顔がかわゆくて、別な意味でドキドキでした。
・薔薇のタンゴが笑っちゃうほど熱苦しくなっていた(笑)
・トウコさん、絶対こっちのがいいって!恰好良かったよ!
・しかし下手三人の髪形はなぜああまでヒヨコ…
・一人づつ何か叫んでましたが、何言ってるかさっぱりわかりませんでした。
・ラストはトウコさんが「ラストワン!」。
・ボレロ、やたらめったら色っぽくなってて感動。となみちゃん…大きくなって…(涙)
・じゅんこ組長(英真なおき)の燕尾姿に乾杯。そんでここでもしぃちゃんに釘付けだった。
・で、オマージュのラストになぜか号泣する私。タキさんの影ソロも、曲も、振り付けも、星組男衆も、何もかもがあまりに素敵だった。
・このフィナーレにチケ代8割払ってもいいよ。
・つーか雪でオマージュ見たかったな…コム&かし水の小雨〜とかさ。

というわけで、公演の最初のほうと最後のほうで見たのでものすごい成長っぷりにびっくりでした。やっぱ舞台は生き物だね。

あずみ 〜AZUMI RETURNS〜2006年04月10日 19:00

@明治座

一年ぶりのあずみ。去年のひた向きな、ただ突っ走ってた熱さは薄くなりましたが、その分演者としての成長度が見えて楽しかったです。演出上大きな改定はなかったと思います。曲が短くなったり、増えたり、変わったりくらい?

・とりあえず客電落ちると同時に花道を見る。やはり銀様@飛猿がすっぽんから登場
・でもメイクがあまりにひどい…ふわふわパーマに白メッシュ+濃いドーラン+ホワイトシルバー系シャドウ+ホワイト系口紅…ギャルメイクかよ…本気で崩れ落ちそうになった。まさにこう→_| ̄|○
・それでも素敵な銀様。いいよもう、銀様だから。
・幕開けはやっぱり「幕末純情伝」を思い出す。
・いつもの岡村演出のお約束とわかっていても「メイサクロキ スターリーン アズミリターンズ!」(ドドーン)はドキドキする(笑)
・涼風お淀のエキセントリックさがアップしてて怖かった…
・涼風美女丸もパワーアップして、殺陣も上手くなってた!でも「あずみちゃ〜〜〜ん」は去年のがおどろおどろしかった気がする。
・長谷川くんの登場シーンの歌、短くなった?
・うきは@生田くんの殺陣やフライングもパワーアップ。すげー、とにかく思わず見とれてしまう殺陣だった。
・こぐれさんも相変わらずいい役。1幕ラストはやっぱ泣ける。
・秀頼@長谷川君も地味に殺陣が上手くなってた。上手くなってたから、ラストで敵2人ぶった切った時に「やれるなら最初から戦わんかい!」と思ってしまった。難しいものね…。
・うきはとあずみで歌うシーンがあって、そこに入ってきたおじい@山本さんが「ミュージカルやりたいなら帝劇へ行け!ここは明治座なんじゃー!」と叫んだのに過剰に笑ってしまった。
・メイサの足がきれいで、動くたびにドキドキしてしまった(変態じゃないですよ)
・つーかメイサ良くなったなぁ。台詞も演技も。見かけの大人っぽさと、内面の子供っぽさのギャップがストーリーと合ってて良かった。
・映画あずみの上戸の「いかにも子供が刺客」って切なさとはまた別の悲しさがあるよね。
・去年よりもあずみ-美女丸の対比ラインがしっかり見えたような気がする。
・銀様の「痛いー痛いー(ごろんごろん)」なシーンも健在。ありがとう岡村さん。
・で、ラストはやっぱり銀様の長台詞に涙。やっぱり悲しみを背負える役者だと思う。人の悲しみを背負って、代弁したときに「わかったようなこと言うなよ…」にならない希有な人。もっと舞台に立ってほしいなぁ。

で、新参加の勘兵衛@赤坂くん。
良かったと思います。去年の的場浩司がほんっとにど真ん中ストレートにツボだったのでどうなることかと思いましたが、まだ若くて熱血漢の勘兵衛といった感じでそれはそれでアリかと。ただ、もうちょっと赤坂君仕様の演出に切り替えてほしかったかなーと。
去年の桜のシーンが素晴らしすぎてね…。的場氏にあまりにも舞い散る桜が似合いすぎて、どうしても赤坂君がそこにハマってくれなかった。いや、見る側というか、私のわがままだとは思うんだけど。
台詞とかも所々ね。もうちょっと「若い勘兵衛」仕様に変えてあげても良かったんじゃないかなぁ。的場浩司と赤坂君じゃキャラが全然違うし、その辺は当ててあげてもいいんじゃないかと思う。

帰り際に妹が何度も「赤坂君があんな役やる年齢になったんだね…」と言ってたのと、カテコの「ガラスの三十代〜赤坂晃〜!」というアナウンスが印象的だった。
関係ないですが、幕間にロビーでおばちゃんに入れ立てコーヒーをぶっかけられまして。左手首から先をアイスパッド(受付のお姉さんがくれた)で冷やしながら2幕を見るという事態に。2幕の間中冷やしたせいか、赤くなった程度で済んだんでよかったんですけど。
私も含めて皆さん、ロビーで飲み物を飲む時には気をつけましょう…。