東宝ミュージカル「ミス・サイゴン」(ソワレ) ― 2004年11月22日 13:45
とにかく、あまり書くことが思いつかないわけで…。
でも11回見た中で今日が最高だったと思う。
「Die in bed」「アメリカンドリーム」終わりの拍手の大きさが筧さんの熱演を物語っていたし、
井上クリスの一曲一曲が彼の激しさと脆さを代弁するかのようだった。
そして笑顔で死んでいった新妻キムを見ていたら、本当にキムが天に召されてしまったような気がした。
2回も流れた場内アナウンスを打ち消すカーテンコールの拍手が、観客の気持ちの全てだと思う。
とにかく最高だった。そして、お疲れさまでした。
……と、↑のままじゃあんまりだろうと思ったので、今更追記。(11/25・30完成)
@帝国劇場(ソワレ/千秋楽2回目)
CAST:
エンジニア 筧利夫
キム 新妻聖子
クリス 井上芳雄
ジョン 岡幸二郎
エレン 石川ちひろ
トゥイ tekkan
ジジ 杵鞭麻衣
OP、エンジニアの「ウェルカムトゥー…ドリームランド!」でかなり感慨にふけってしまったわけで。
心なしかめ組のお姉さんたちもダンスに気合いが入っていたような。はしゃぐGIたちを見るのもあと二回…とか思うと非常にしんみりしてしまったり。
「♪だ~まされるな あ~のエンジニアに」で耳を塞いで「聞こえな~い」とこそこそこそっと上手に移動する動きをエンジニアが千秋楽までやってくれて嬉しかったり。
ここでけっこう印象が変わったのは岡ジョン。井上くんのフレッシュさにつられてか、前に見たときよりもはしゃぎ方が激しくなってた気がする。このくらいの方が二幕が活きる気がするな。
ダンスのシーン。クリスの肩にに手を置いた新妻キムは、手も足も完全に硬直した状態でぎこちなく踊る。12日に3列目で見たときに気づいたけど、肩に触れるか触れないかくらいの距離で手を置いて、手先は少し震えているような感じだった。
そして「君はこんなところにいちゃいけない」と言われ、クリスを「いい人」と思ったキムは彼を「初めてのお客」にする覚悟を決める。この辺の表情の微妙な変化なんかを見てると「歌に偏ってる」と言われてた新妻キムの成長っぷりが素晴らしい。
「Why God Why?」。この曲の歌い方もずいぶんと変わったと思う。6月の一路さんの「DIVA」で聞いた時は以前の「いかにも王子様」なお綺麗な歌い方で「GIねぇ…」と思ったけど、今は全然違う。現状に迷う男の苦悩が良く出てた。井上くんというとあの澄んだ柔らかい高音のイメージだったから、これだけ太く、男っぽい歌い方ができるとは思わなかったもんなぁ。彼も素晴らしい成長を遂げたんだと思う。
しかし、今日は曲のラストで声が掠れ、高音を外してしまった。石井さんのこと考えてもクリスって役は入り込めば入り込むほど「がなり」の部分が増えてくるし、喉を痛めやすい役なんじゃないかしら。井上・石井はそっちタイプだったもんな。坂元クリスはメロディライン重視タイプだったので、比較的大丈夫そうだけど。
ただ、音は外しても気持ちは伝わってきたので個人的には全然オッケー。良かった。
「電話」。この曲は井上クリスが一番好き。ぴょんぴょん跳ねたりして浮かれまくってる若さがいい!(笑) でも「♪君にニュースを知らせよう 周りは陥落火の海」の辺りで「え?」とか、ジョンの言葉にちゃんと返事を返して「会話」として成立させてるのが凄いなと。細かい。
「♪蓮のはな~」の突っ込みは「ハァ!?」でした。簡潔で好きです、岡ジョン。
「結婚式」。「♪他に知らないの~ 婚礼に歌う歌~」で「婚礼!?」とばかりに驚いて顔を上げて、一瞬考えた後に顔がほにゃっと崩れるのもいい。「え!俺結婚しちゃうの!?」と一瞬思いつつ、嬉しそうで綺麗なキムを見て「いいか、この子となら」って感じで「♪こんな綺麗な歌 初めて~」。うーん、若い。若いなぁ。
「サイゴン陥落」。ここの筧エンジはかなり好き。彼の個性が良く出てると思う。土下座したときのまとまり方とちっちゃさも好き(笑)
「でもぉ!♪…助け合わなきゃ あんたの為 やりますぜ」の言い方と表情が印象的。筧エンジニアを見てるとたまに周囲の空気が変わって見える瞬間があるんだけど、このシーンもその一つ。
トゥイに「俺がやってやるよ さあ、どうする?」って問いかけて、トゥイの運命を握っているように見える。(言い過ぎか?)
で、この後のアンサンブルさんの迫力の合唱~「I still believe」。ここの流れがこの作品で1・2を争って好き。
キムの部屋に飛び込んで来るエンジニア。拒否するキム。ここの二人の空気と、後のバンコクでの二人の空気を比べると面白いなぁ。時間の流れがはっきりと出てる。
「♪やるのだ 仲間よ」と、目隠しをされて座らせられるシーン、筧エンジニアは必ず右手でキムをかばうようにする。何のかんのいって悪人になりきれないんだろうな、こいつって感じがしていい。
「♪頭がおかしいぞ ネジ巻いてやろうか~」とキムの頭をド付くエンジニアに遠慮がない。ここはこれくらい思い切ってくれた方がいいですね。だって殺されそうになった直後なわけで。いかなエンジニアでも恐怖を感じたんじゃなかろうか。その恐怖がキムへの怒りに転じる一瞬だと思うので。
「トゥイの死」。ここでの新妻キムの叫び声は前回までとは違ってたように感じた。段取りじゃなくて、本当に人を(しかも身内を)殺した罪に怯えている感じ。だからこそタムを見て我に返って逃げてゆくシーンに「母の強さ」を感じられた。
「生き延びたけりゃ」。素晴らしかったです。なんかね、見てて胸がじーんとなってしまってね…。プレからここまでの記憶が走馬燈してしまったり(笑)
なんと感想を述べたらよいかわからないんですが「筧エンジニアの真骨頂」だったと思う。アメリカンドリームよりもこっちのが「筧エンジニア」って気がするのです。
そうそう「でかいホーチミン!」は却下してくれましたね。やったー!「ほーぅほーぅほーぅ…」のが黒くて絶対いいと思う。
終わった後の拍手がすごかった。今まで見た中で一番でかい拍手だったと思う。
そしてその熱気をそのまま受けて新妻キムの「命をあげよう」。もうね、キムが乗り移ってるみたいでね。熱唱でした。
一幕終わった瞬間の脱力感が大きかった。何度も見てる作品なのに「この先どうなっちゃうんだろう」って思ったもんなぁ。
誰か一人の力じゃなくて、カンパニー全部の気持ちが一種異様な熱気になってたように思う。それはカーテンコールで確信になるわけですが。
二幕。岡ジョンの「ブイ・ドイ」は動かないので独特のムードがある。以前見たときはあまり熱を感じない気がしたんだけど、今日は一幕の熱気そのままに静かな熱さを感じた。
「クリスはここに」。「♪ここにいてよ 心配しないで」と歌うキムとエンジニアの間に、長期間一緒にいた故の「馴れ合い」を感じる。「♪口を慎め 生意気だぞ 言うことを聞け」と返すエンジニアにも、ホーチミンでの時ほどの圧力はない。バンコクに着いてからずっと一緒に荒波乗り越えて来た同士の連帯感なのかな。
「キムの悪夢」。キム&クリスの熱さがすんごかった。もう台詞の部分なんか何言ってんだかわかんないとこもあるくらい(笑)
「♪ああクリス ダメよ みつけてほしい」のバックでアンサンブルがスローモーションになるシーンがなんだか今日は印象的に見えた。最後だって気持ちがあるのかな。いつもさらっと見てたシーンの一つ一つがくっきり見える気がする。
「♪連れ出す彼女を 何故俺だけ助かるのか!」叫ぶように歌うクリスにジョンも怒鳴りつける。「ここで裏切るものは彼女だけじゃないのだ」と、殴りつけたクリスを引きずり立たせる。
そしてヘリが離陸する。井上クリスの絶叫が胸に突き刺さるようだった。
キムとエレンのシーンは全般的にキムが強すぎたなぁ。石川エレンは大人の対応してるんだけど、個人的にはもうちょい激しくても良かったんじゃないかと思う。でもそんな石川エレンだからこそ、あの熱い井上クリスを立ち直らせることが出来たのかな、とも思った。岡ジョンの押さえた演技もバランス良かったな。
「アメリカンドリーム」。「♪俺のオヤジはハイファンで~」「奴らは おいらの兄弟」までの部分、激しい動きは入れずに淡々とした雰囲気で歌う筧エンジニアを見てふと思ったこと。
私の好きな筧さんの役の台詞って、「叫ばない決め台詞」が多い。幕末の「国とは~」もそうだし、飛龍伝の「自分は、セーラー服のあなたが上京なされる時に~」も、叫ばず、淡々と語る口調の中に渦巻く感情がとても好きなんです。
で、このアメリカンドリームを聞いてて、「あ、筧エンジニアのアメリカンドリームだな」と思いました。淡々と語るエンジニア。その「語り口調」は筧さんならではで、他の3人とは違う個性がしっかりと見えて、なんだか嬉しかった。
アメリカンドリーム終わりの拍手がまた大きい!曲間に余裕のあるミュージカルだったら絶対ショーストップだったと思う。実際「私の小さな神」のイントロにかなり被った拍手だったし。千秋楽まで通しても、ここの拍手が一番大きかった気がする。(当社比)
そしてラストシーン。笑って召してしまった新妻キムと、「ああああ……」と嗚咽とも違う、涙声の低い小さな叫びの後の「キーーーーム!」という絶叫。今でも忘れられないですね。
本当に、「キム」という女性が逝ってしまった気がしました。
一瞬の余韻を残して割れんばかりの拍手。
カーテンコールの間もそれは続き(あちこちにレポがあるようなので割愛)、追い出しの音楽が終わっても収まらず…。もちろん客席は総立ち。(2階は見えない位置だったので、とりあえず1階は)
正直、追い出し曲が明確になってるサイゴンで影アナ打ち消しがあるとは思わなかったので驚いた。でもその気持ちもわかるし、自分もいくらでも拍手したかった。
終わった後の最初の一言が、F嬢に言った「すごい熱気だった…」でした。
それがこの公演に対するすべてですね。ステージと客席が一体となった、熱気あふれる公演でした。素晴らしかったです。感謝。
でも11回見た中で今日が最高だったと思う。
「Die in bed」「アメリカンドリーム」終わりの拍手の大きさが筧さんの熱演を物語っていたし、
井上クリスの一曲一曲が彼の激しさと脆さを代弁するかのようだった。
そして笑顔で死んでいった新妻キムを見ていたら、本当にキムが天に召されてしまったような気がした。
2回も流れた場内アナウンスを打ち消すカーテンコールの拍手が、観客の気持ちの全てだと思う。
とにかく最高だった。そして、お疲れさまでした。
……と、↑のままじゃあんまりだろうと思ったので、今更追記。(11/25・30完成)
@帝国劇場(ソワレ/千秋楽2回目)
CAST:
エンジニア 筧利夫
キム 新妻聖子
クリス 井上芳雄
ジョン 岡幸二郎
エレン 石川ちひろ
トゥイ tekkan
ジジ 杵鞭麻衣
OP、エンジニアの「ウェルカムトゥー…ドリームランド!」でかなり感慨にふけってしまったわけで。
心なしかめ組のお姉さんたちもダンスに気合いが入っていたような。はしゃぐGIたちを見るのもあと二回…とか思うと非常にしんみりしてしまったり。
「♪だ~まされるな あ~のエンジニアに」で耳を塞いで「聞こえな~い」とこそこそこそっと上手に移動する動きをエンジニアが千秋楽までやってくれて嬉しかったり。
ここでけっこう印象が変わったのは岡ジョン。井上くんのフレッシュさにつられてか、前に見たときよりもはしゃぎ方が激しくなってた気がする。このくらいの方が二幕が活きる気がするな。
ダンスのシーン。クリスの肩にに手を置いた新妻キムは、手も足も完全に硬直した状態でぎこちなく踊る。12日に3列目で見たときに気づいたけど、肩に触れるか触れないかくらいの距離で手を置いて、手先は少し震えているような感じだった。
そして「君はこんなところにいちゃいけない」と言われ、クリスを「いい人」と思ったキムは彼を「初めてのお客」にする覚悟を決める。この辺の表情の微妙な変化なんかを見てると「歌に偏ってる」と言われてた新妻キムの成長っぷりが素晴らしい。
「Why God Why?」。この曲の歌い方もずいぶんと変わったと思う。6月の一路さんの「DIVA」で聞いた時は以前の「いかにも王子様」なお綺麗な歌い方で「GIねぇ…」と思ったけど、今は全然違う。現状に迷う男の苦悩が良く出てた。井上くんというとあの澄んだ柔らかい高音のイメージだったから、これだけ太く、男っぽい歌い方ができるとは思わなかったもんなぁ。彼も素晴らしい成長を遂げたんだと思う。
しかし、今日は曲のラストで声が掠れ、高音を外してしまった。石井さんのこと考えてもクリスって役は入り込めば入り込むほど「がなり」の部分が増えてくるし、喉を痛めやすい役なんじゃないかしら。井上・石井はそっちタイプだったもんな。坂元クリスはメロディライン重視タイプだったので、比較的大丈夫そうだけど。
ただ、音は外しても気持ちは伝わってきたので個人的には全然オッケー。良かった。
「電話」。この曲は井上クリスが一番好き。ぴょんぴょん跳ねたりして浮かれまくってる若さがいい!(笑) でも「♪君にニュースを知らせよう 周りは陥落火の海」の辺りで「え?」とか、ジョンの言葉にちゃんと返事を返して「会話」として成立させてるのが凄いなと。細かい。
「♪蓮のはな~」の突っ込みは「ハァ!?」でした。簡潔で好きです、岡ジョン。
「結婚式」。「♪他に知らないの~ 婚礼に歌う歌~」で「婚礼!?」とばかりに驚いて顔を上げて、一瞬考えた後に顔がほにゃっと崩れるのもいい。「え!俺結婚しちゃうの!?」と一瞬思いつつ、嬉しそうで綺麗なキムを見て「いいか、この子となら」って感じで「♪こんな綺麗な歌 初めて~」。うーん、若い。若いなぁ。
「サイゴン陥落」。ここの筧エンジはかなり好き。彼の個性が良く出てると思う。土下座したときのまとまり方とちっちゃさも好き(笑)
「でもぉ!♪…助け合わなきゃ あんたの為 やりますぜ」の言い方と表情が印象的。筧エンジニアを見てるとたまに周囲の空気が変わって見える瞬間があるんだけど、このシーンもその一つ。
トゥイに「俺がやってやるよ さあ、どうする?」って問いかけて、トゥイの運命を握っているように見える。(言い過ぎか?)
で、この後のアンサンブルさんの迫力の合唱~「I still believe」。ここの流れがこの作品で1・2を争って好き。
キムの部屋に飛び込んで来るエンジニア。拒否するキム。ここの二人の空気と、後のバンコクでの二人の空気を比べると面白いなぁ。時間の流れがはっきりと出てる。
「♪やるのだ 仲間よ」と、目隠しをされて座らせられるシーン、筧エンジニアは必ず右手でキムをかばうようにする。何のかんのいって悪人になりきれないんだろうな、こいつって感じがしていい。
「♪頭がおかしいぞ ネジ巻いてやろうか~」とキムの頭をド付くエンジニアに遠慮がない。ここはこれくらい思い切ってくれた方がいいですね。だって殺されそうになった直後なわけで。いかなエンジニアでも恐怖を感じたんじゃなかろうか。その恐怖がキムへの怒りに転じる一瞬だと思うので。
「トゥイの死」。ここでの新妻キムの叫び声は前回までとは違ってたように感じた。段取りじゃなくて、本当に人を(しかも身内を)殺した罪に怯えている感じ。だからこそタムを見て我に返って逃げてゆくシーンに「母の強さ」を感じられた。
「生き延びたけりゃ」。素晴らしかったです。なんかね、見てて胸がじーんとなってしまってね…。プレからここまでの記憶が走馬燈してしまったり(笑)
なんと感想を述べたらよいかわからないんですが「筧エンジニアの真骨頂」だったと思う。アメリカンドリームよりもこっちのが「筧エンジニア」って気がするのです。
そうそう「でかいホーチミン!」は却下してくれましたね。やったー!「ほーぅほーぅほーぅ…」のが黒くて絶対いいと思う。
終わった後の拍手がすごかった。今まで見た中で一番でかい拍手だったと思う。
そしてその熱気をそのまま受けて新妻キムの「命をあげよう」。もうね、キムが乗り移ってるみたいでね。熱唱でした。
一幕終わった瞬間の脱力感が大きかった。何度も見てる作品なのに「この先どうなっちゃうんだろう」って思ったもんなぁ。
誰か一人の力じゃなくて、カンパニー全部の気持ちが一種異様な熱気になってたように思う。それはカーテンコールで確信になるわけですが。
二幕。岡ジョンの「ブイ・ドイ」は動かないので独特のムードがある。以前見たときはあまり熱を感じない気がしたんだけど、今日は一幕の熱気そのままに静かな熱さを感じた。
「クリスはここに」。「♪ここにいてよ 心配しないで」と歌うキムとエンジニアの間に、長期間一緒にいた故の「馴れ合い」を感じる。「♪口を慎め 生意気だぞ 言うことを聞け」と返すエンジニアにも、ホーチミンでの時ほどの圧力はない。バンコクに着いてからずっと一緒に荒波乗り越えて来た同士の連帯感なのかな。
「キムの悪夢」。キム&クリスの熱さがすんごかった。もう台詞の部分なんか何言ってんだかわかんないとこもあるくらい(笑)
「♪ああクリス ダメよ みつけてほしい」のバックでアンサンブルがスローモーションになるシーンがなんだか今日は印象的に見えた。最後だって気持ちがあるのかな。いつもさらっと見てたシーンの一つ一つがくっきり見える気がする。
「♪連れ出す彼女を 何故俺だけ助かるのか!」叫ぶように歌うクリスにジョンも怒鳴りつける。「ここで裏切るものは彼女だけじゃないのだ」と、殴りつけたクリスを引きずり立たせる。
そしてヘリが離陸する。井上クリスの絶叫が胸に突き刺さるようだった。
キムとエレンのシーンは全般的にキムが強すぎたなぁ。石川エレンは大人の対応してるんだけど、個人的にはもうちょい激しくても良かったんじゃないかと思う。でもそんな石川エレンだからこそ、あの熱い井上クリスを立ち直らせることが出来たのかな、とも思った。岡ジョンの押さえた演技もバランス良かったな。
「アメリカンドリーム」。「♪俺のオヤジはハイファンで~」「奴らは おいらの兄弟」までの部分、激しい動きは入れずに淡々とした雰囲気で歌う筧エンジニアを見てふと思ったこと。
私の好きな筧さんの役の台詞って、「叫ばない決め台詞」が多い。幕末の「国とは~」もそうだし、飛龍伝の「自分は、セーラー服のあなたが上京なされる時に~」も、叫ばず、淡々と語る口調の中に渦巻く感情がとても好きなんです。
で、このアメリカンドリームを聞いてて、「あ、筧エンジニアのアメリカンドリームだな」と思いました。淡々と語るエンジニア。その「語り口調」は筧さんならではで、他の3人とは違う個性がしっかりと見えて、なんだか嬉しかった。
アメリカンドリーム終わりの拍手がまた大きい!曲間に余裕のあるミュージカルだったら絶対ショーストップだったと思う。実際「私の小さな神」のイントロにかなり被った拍手だったし。千秋楽まで通しても、ここの拍手が一番大きかった気がする。(当社比)
そしてラストシーン。笑って召してしまった新妻キムと、「ああああ……」と嗚咽とも違う、涙声の低い小さな叫びの後の「キーーーーム!」という絶叫。今でも忘れられないですね。
本当に、「キム」という女性が逝ってしまった気がしました。
一瞬の余韻を残して割れんばかりの拍手。
カーテンコールの間もそれは続き(あちこちにレポがあるようなので割愛)、追い出しの音楽が終わっても収まらず…。もちろん客席は総立ち。(2階は見えない位置だったので、とりあえず1階は)
正直、追い出し曲が明確になってるサイゴンで影アナ打ち消しがあるとは思わなかったので驚いた。でもその気持ちもわかるし、自分もいくらでも拍手したかった。
終わった後の最初の一言が、F嬢に言った「すごい熱気だった…」でした。
それがこの公演に対するすべてですね。ステージと客席が一体となった、熱気あふれる公演でした。素晴らしかったです。感謝。
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