壽 初春大歌舞伎(昼夜)2006年01月07日 11:00

@松竹座

とりあえず正月だし、遠征だしということで、気合いを入れて昼夜とも一等席にしてみました。1日で切符代31500円。吐血です。
気合いを入れた甲斐あって、昼の部は2列目上手、夜の部は9列目花道寄りでした。ありがたやありがたや。

◆昼の部
・源平布引滝
若手奮闘公演!て感じでした。とりあえず小万の孝太郎さんに惚れた…。最後の立ち回りで小刀を構えて敵を「きっ」と睨むとことか格好良くてですね。いいなぁと。
愛之助さんはとにかく迫力あった。時々ちょっとした表情が仁左衛門さんにびっくりするくらい似て見えたのは化粧のせいだろうか。最後の階段落ちの時には前の列のおばさまが思わず「ひゃっ!」と顔を背けてらっしゃいました。凄かったー。
後は春猿さんの相変わらずの可憐さと、笑三郎さんの相変わらずの芸達者ぶりに感心。段治郎さんは…病み上がりのせいかいまいち覇気がなかったような。でも素敵でしたけどね。
いやー、楽しかったです。

・十六夜清心
玉三郎さんの美しさの秘訣は「美人オーラ」にあるんだね、ということで終演後にW嬢と納得。前半の清心の為に尼にまでなってしまう乙女な十六夜と、後半のすっかり悪になってしまった十六夜と、化粧はそんなに変えてないのに髪型と姿勢・しぐさで別人なんだもの。着脱自在の美人オーラなんだよきっと!ということで納得。間近で見てもきれいだったよ玉さん…。

仁左衛門さんはいつもですが、実は悪のが好き(笑)なので今回もヘタレた清心よりも悪な清吉のが好きです。
川辺で腹に刀を突き立てようとして「いててっ」ってのは絶対やると思ってましたが、予想はしててもおかしい。しかし、「雲が晴れて月が照らすと、突然悪に目覚めます」って、すごいよなぁ。ジキルとハイドみたいだ。人間の心の中なんて常に両天秤なんだから、そういう瞬間もあるのかもしれないな…と思いつつ見てました。

ここでも笑三郎さんがしっかりと脇固め。弥十郎さんの白蓮も豪快で良かったです。しかし、箱根の山(箱根山中地獄谷の場)で何があったのか、ぜひこの場を見てみたいです。おさよさんがどうやって悪に落ちたかちゃんと見たいわー。それから今回やらなかった最後もね。

◆ 夜の部
・神霊矢口渡
実は夜の部で一番泣けたのはこれだったりします。孝太郎さんのお舟がバカでいじらしくて可愛いんですよ。一目惚れした相手を家に泊めたらそれが父が追ってる相手で、彼らの身代わりになって実の父に刺され…って、ほんっとにバカだよアンタ!という内容を涙させてくれたのはひとえに孝太郎さんの愛らしさだったと思います。
最後、ずたずたになりながら櫓に登って鐘を打つシーンは本当に泣けました。
ここでも春猿さんが美しかったです。薪車さんの義峯とお揃いの着物が素敵でした。

・假名手本忠臣蔵
さて問題です。一番悪いのは誰でしょう?

1.誰が聞いてるかわからない場所で、大金持ってることを独り言しちゃった勘平の舅与市兵衛
2.その舅を殺して金を奪った盗賊定九郎
3.猪と間違えて定九郎を誤射した挙げ句に金を持ち逃げした勘平
4.状況証拠だけで勘平が与市兵衛を殺したと責め立てた勘平の姑おかやと元同僚弥五郎と数右衛門

見終わった後に「誰か一人でもいいから、もうちょっと確認しろよ…」とやりきれない気持ちになりました。いや、悲劇だからこそ戯曲として成立してるのはわかるんですけどね。
散々責めて相手切腹に追い込んだ挙げ句に濡れ衣だっつーことがわかって「早まったな勘平!」って…「あんたらが悪いんだろ!」と心の中で思いっきり突っ込んでしまいました。
花道で勘平の着物をそっと直すおかるのしぐさにドキドキ。なんてことない動きなんですが、色っぽくてとてもドキドキ。長くコンビ組んでるだけあって、空気が近いというか、そういう感じがしました。
どーでもいいですが真横を猪(ぬいぐるみ)が駆け抜けた時には吹き出すのを堪えるのに大変でした…。

・春調娘七種
お正月らしくていいねぇ、と。春猿さんが華やかでキラキラしてました。猿弥さんが動きのキレがいい方なので見ていて気持ちいい。段治郎さんはまぁ、うん、立ち姿が相変わらず素敵なのでいいです。
忠臣蔵が悲劇だったので、こういう明るい演目で終わるのは気持ちが良かった。

というわけで、朝11:00~夜8:40まで松竹座にいて、流石に疲れました。
しかし一等席ってすごい。台詞も義太夫さんもはっきり全部聞き取れるし、芝居の合間に話してる小さな会話(役としての)も全部聞こえるし。やっぱり本当に見たい演目には金をかけなきゃいけないなと反省。

夜はお好み焼き屋さんでもやし鍋。幸せでございました。

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