八月納涼歌舞伎(二部) ― 2005年08月21日 15:37
二部。14:40開演で17:30終了って疲れない程度でちょうどいいなぁ。
・伊勢音頭恋寝刃
恋する人の為にわざと愛想づかしたふりをるってのは歌舞伎の黄金パターンなんでしょうか。三津五郎・弥十郎・勘三郎でやりあってるあいだ、ずっとポーズをキープしてる福助さんが美しかったです。しかし三人がひたすらおかしくてね。三津五郎・勘三郎の掛け合いもいい感じでした。
後半青江下坂を手にしてから貢さんがバッサバッサと人を斬り始めまして、我に返って腹かっさばこうとするところで偽物と思ってた刀が正真正銘の青江下坂ということが発覚するのはいいんですが、通りすがりの人バッサリ斬って「これぞ青江下坂の切れ味!(意訳)」ってそれでいいのかよ!と。
主人と恋人と家臣三人で大喜び…ってとこで幕だったんですが、見てる側としては「ええええーーー!!」と。歌舞伎ってこのパターン多いけどいいのか?人としてそれでいいのか?
・蝶の道行
義太夫さんたちまで蝶々のお衣裳。初っぱなに出てきた蛍光蝶々が蛾に見えてちょっと怖かったのはナイショです。
早変わりするところで黒子さんが必死な感じに糸を抜きまくってたのが凄かったです。お衣裳派手でびっくり。染さんの足運びがきれーわーと思いつつ、よろけて足踏みならす所がリアルで感心しつつ、孝太郎さんの海老反りキープ時間の長さに唸りつつ。(でも以前見た福助さんの角度には衝撃を受けたな)
しかし6月といい今月といい、コンビのイメージが強くなってきましたね、このお二人。
・京人形
フィギュアとかにハァハァするマニアは江戸時代から居たんだなというお話(え?)。旦那の人形遊びに理解が深い奥様に同情致します。
京人形役の扇雀さんが、劇中ほとんど瞬きしてないことにびっくりです。ブレイクダンス風日本舞踊といいますか、ああいう動きもあるんだなぁとひたすら感心。人形で男子な踊りと、女性の踊りの一瞬の切り替わり方と無表情さで笑いを誘ってましたが難しいですよね、あれ。
後半は大工道具使っての殺陣になるわけですが、自分の仕事道具使って冷静にみるとかなり残酷なことしてる左甚五郎@橋之介さんがちょっと怖かったり。だってカンナで背中削っちゃったり、キリを頭に突き立てたりー!痛いって、痛いって!
いやでも楽しかったです、はい。
・伊勢音頭恋寝刃
恋する人の為にわざと愛想づかしたふりをるってのは歌舞伎の黄金パターンなんでしょうか。三津五郎・弥十郎・勘三郎でやりあってるあいだ、ずっとポーズをキープしてる福助さんが美しかったです。しかし三人がひたすらおかしくてね。三津五郎・勘三郎の掛け合いもいい感じでした。
後半青江下坂を手にしてから貢さんがバッサバッサと人を斬り始めまして、我に返って腹かっさばこうとするところで偽物と思ってた刀が正真正銘の青江下坂ということが発覚するのはいいんですが、通りすがりの人バッサリ斬って「これぞ青江下坂の切れ味!(意訳)」ってそれでいいのかよ!と。
主人と恋人と家臣三人で大喜び…ってとこで幕だったんですが、見てる側としては「ええええーーー!!」と。歌舞伎ってこのパターン多いけどいいのか?人としてそれでいいのか?
・蝶の道行
義太夫さんたちまで蝶々のお衣裳。初っぱなに出てきた蛍光蝶々が蛾に見えてちょっと怖かったのはナイショです。
早変わりするところで黒子さんが必死な感じに糸を抜きまくってたのが凄かったです。お衣裳派手でびっくり。染さんの足運びがきれーわーと思いつつ、よろけて足踏みならす所がリアルで感心しつつ、孝太郎さんの海老反りキープ時間の長さに唸りつつ。(でも以前見た福助さんの角度には衝撃を受けたな)
しかし6月といい今月といい、コンビのイメージが強くなってきましたね、このお二人。
・京人形
フィギュアとかにハァハァするマニアは江戸時代から居たんだなというお話(え?)。旦那の人形遊びに理解が深い奥様に同情致します。
京人形役の扇雀さんが、劇中ほとんど瞬きしてないことにびっくりです。ブレイクダンス風日本舞踊といいますか、ああいう動きもあるんだなぁとひたすら感心。人形で男子な踊りと、女性の踊りの一瞬の切り替わり方と無表情さで笑いを誘ってましたが難しいですよね、あれ。
後半は大工道具使っての殺陣になるわけですが、自分の仕事道具使って冷静にみるとかなり残酷なことしてる左甚五郎@橋之介さんがちょっと怖かったり。だってカンナで背中削っちゃったり、キリを頭に突き立てたりー!痛いって、痛いって!
いやでも楽しかったです、はい。
七月歌舞伎鑑賞教室 ― 2005年07月10日 15:36
@国立劇場中ホール(大劇場)
・義経千本桜~河連法眼館の場
猫様のご乱心により、顔に生傷を負ったまま、仕方ないので薄目のサングラスと髪で傷を隠して行ってきました。出がけに手間取った為に予定の電車に乗り遅れ、自宅→駅までダッシュ。乗換駅でダッシュ。半蔵門→会場までダッシュ。
貧血起こしそうになりながら走ったおかげでどうにか間に合いました。自分の座席の列の横に立った瞬間客電落ちた時には焦りましたが。
まずは春猿さんと笑三郎さんによる歌舞伎解説から。これが面白かった!
春猿さんが番傘片手に回り舞台でせり上がってくると、笑三郎さんは花道からの登場。前説トークの後に、まずは下手の黒御簾さんたちのご紹介。
普段は黒い御簾の中にいるから黒御簾さんなんですが、今日は舞台で演奏してもらいましょう!ということで、センターのでっかいせりで全員がひな壇でせり上がってきたときにはびっくり。迫力ありました。
そして、「歌舞伎の音楽と台詞の関係によく似た芸をする芸人さんが最近いらっしゃるんです。今日は私がそのネタをやってみましょう」と笑三郎さん。何事かと思ったら急に場内が暗くなり、ムーディーな照明が。そして聴き慣れた曲。…そう、「ヒロシ」さんのネタでした(笑)「昨日帰るとき、団体の中学生と一緒になったとです… みんなきゃーきゃー言いながら手を振ってくれました… 「しょうざぶろうさ~ん!(はぁと)」 複雑です… 僕の名前は「えみさぶろう」なんです…」と、ネタをカマして下さり、場内大爆笑。で、その後に同じことを黒御簾さんの演奏で歌舞伎バージョン。結局何が似てるかといえば「BGMの出だしをしばらく聞いて、音とタイミングを合わせながら台詞を言う」のが同じだそうで。
続いて義太夫さんの登場。今回は上下に電光掲示板が設置されていて、そこに義太夫さんの歌詞が出る趣向。これ、結構助かりました。義太夫さんは演者の感情や動き、台詞を全て代弁してくれるということで、即興で「痛がる男」や「泣き崩れる女」をやってくれました。
その他、付け打ちさんに合わせて見栄を切って下さったり、みんな大向こうの練習したり。最前列に座ってたお子様がえらいタイミング良くて、笑三郎さんに「君、上手いねぇ。歌舞伎初めて?そう、初めてなの。いい筋してるよ!」と褒められてました。
あと、女形の動きの説明をしてくださったんですが、これはトップランナーで染五郎さんも言ってたんですけど「両方の肩胛骨をくっつけた状態で肩を落とす」って姿勢。結構きついです…。これを日常的にやってたら背筋がとても鍛えられると思いました。女子にあらざる肩幅を誇る私もチャレンジしてみようかしら?(笑) そして膝をつけたまま歩く。なんちゅー無理な姿勢!この状態であれだけ綺麗に動いたり、海老反ったりしてるんですよね。いや、すごいわ。
解説の締めに、狐=笑三郎さん、静御前=春猿さんで河連法眼館の場に行く前のストーリー解説をやってくれました。いや、これが良かったんですよ。つーか笑三郎さんて基本的に女形だよね…。立役もやるんだっけ?うん、良かったわぁ。
休憩の後、笑三郎さんの口上から始まって、女中が「出演者一同、既に準備万端整っております。さっさとせんか!(意訳)」と巻きを入れに来る小ネタが入りつつ、本編の開演。
去年見たときは忠信=右近さん、静御前=笑也さん、義経=門之助さんだったかな?とりあえず段治郎義経のあまりのでかさに驚きました…。いや、ヤマトタケルで宙乗りしたときもびっくりしましたが。やっぱ大きいなぁ。死に別れた狐親子の愛と、生きていながら肉親の愛に恵まれなかった自分を語る台詞が良かったです。
静御前の笑也さん。去年見たときよりもなんだか動きが大きかったような。いや、でも基本的に同じ動きしてるはずだし。席が近かったからそう見えたのかしら?相変わらずお美しいです。
で、花道の「シャリーン」て音にまんまと騙されて狐の登場シーンを見損ねました。悔しい…。右近さんは去年よりちょっとすっきりした感じ。でもやっぱりプリプリしててかわゆい狐でした。代役さんと入れ替わってるところが何カ所かわかったんですが、なるほどなぁと。観客を飽きさせない演出がやっぱり素晴らしいと思いました。
とにかくあっちから飛び出しこっちで消えと、変幻自在の狐に客席大喜び。解説での「人が入ってきたら拍手・退場するときも拍手」という言葉をしっかり守り、誰が入ってきても拍手で迎える場内が新鮮だったり。宙乗りの時の手拍子なんかもの凄くてびっくりでした。最後に吹き上がる桜の花びらに「わぁっ!」っと歓声が上がり、終演。満足そうに会場を後にする人々の顔を見てて、チケット取って良かったなぁと心底思いました。で、もう1回くらいキープすれば良かったと後悔しきり。
とにかく楽しませて頂いた2時間でした。これでパンフ付いて3800円は安い。
次回の鑑賞教室も楽しみです。
・義経千本桜~河連法眼館の場
猫様のご乱心により、顔に生傷を負ったまま、仕方ないので薄目のサングラスと髪で傷を隠して行ってきました。出がけに手間取った為に予定の電車に乗り遅れ、自宅→駅までダッシュ。乗換駅でダッシュ。半蔵門→会場までダッシュ。
貧血起こしそうになりながら走ったおかげでどうにか間に合いました。自分の座席の列の横に立った瞬間客電落ちた時には焦りましたが。
まずは春猿さんと笑三郎さんによる歌舞伎解説から。これが面白かった!
春猿さんが番傘片手に回り舞台でせり上がってくると、笑三郎さんは花道からの登場。前説トークの後に、まずは下手の黒御簾さんたちのご紹介。
普段は黒い御簾の中にいるから黒御簾さんなんですが、今日は舞台で演奏してもらいましょう!ということで、センターのでっかいせりで全員がひな壇でせり上がってきたときにはびっくり。迫力ありました。
そして、「歌舞伎の音楽と台詞の関係によく似た芸をする芸人さんが最近いらっしゃるんです。今日は私がそのネタをやってみましょう」と笑三郎さん。何事かと思ったら急に場内が暗くなり、ムーディーな照明が。そして聴き慣れた曲。…そう、「ヒロシ」さんのネタでした(笑)「昨日帰るとき、団体の中学生と一緒になったとです… みんなきゃーきゃー言いながら手を振ってくれました… 「しょうざぶろうさ~ん!(はぁと)」 複雑です… 僕の名前は「えみさぶろう」なんです…」と、ネタをカマして下さり、場内大爆笑。で、その後に同じことを黒御簾さんの演奏で歌舞伎バージョン。結局何が似てるかといえば「BGMの出だしをしばらく聞いて、音とタイミングを合わせながら台詞を言う」のが同じだそうで。
続いて義太夫さんの登場。今回は上下に電光掲示板が設置されていて、そこに義太夫さんの歌詞が出る趣向。これ、結構助かりました。義太夫さんは演者の感情や動き、台詞を全て代弁してくれるということで、即興で「痛がる男」や「泣き崩れる女」をやってくれました。
その他、付け打ちさんに合わせて見栄を切って下さったり、みんな大向こうの練習したり。最前列に座ってたお子様がえらいタイミング良くて、笑三郎さんに「君、上手いねぇ。歌舞伎初めて?そう、初めてなの。いい筋してるよ!」と褒められてました。
あと、女形の動きの説明をしてくださったんですが、これはトップランナーで染五郎さんも言ってたんですけど「両方の肩胛骨をくっつけた状態で肩を落とす」って姿勢。結構きついです…。これを日常的にやってたら背筋がとても鍛えられると思いました。女子にあらざる肩幅を誇る私もチャレンジしてみようかしら?(笑) そして膝をつけたまま歩く。なんちゅー無理な姿勢!この状態であれだけ綺麗に動いたり、海老反ったりしてるんですよね。いや、すごいわ。
解説の締めに、狐=笑三郎さん、静御前=春猿さんで河連法眼館の場に行く前のストーリー解説をやってくれました。いや、これが良かったんですよ。つーか笑三郎さんて基本的に女形だよね…。立役もやるんだっけ?うん、良かったわぁ。
休憩の後、笑三郎さんの口上から始まって、女中が「出演者一同、既に準備万端整っております。さっさとせんか!(意訳)」と巻きを入れに来る小ネタが入りつつ、本編の開演。
去年見たときは忠信=右近さん、静御前=笑也さん、義経=門之助さんだったかな?とりあえず段治郎義経のあまりのでかさに驚きました…。いや、ヤマトタケルで宙乗りしたときもびっくりしましたが。やっぱ大きいなぁ。死に別れた狐親子の愛と、生きていながら肉親の愛に恵まれなかった自分を語る台詞が良かったです。
静御前の笑也さん。去年見たときよりもなんだか動きが大きかったような。いや、でも基本的に同じ動きしてるはずだし。席が近かったからそう見えたのかしら?相変わらずお美しいです。
で、花道の「シャリーン」て音にまんまと騙されて狐の登場シーンを見損ねました。悔しい…。右近さんは去年よりちょっとすっきりした感じ。でもやっぱりプリプリしててかわゆい狐でした。代役さんと入れ替わってるところが何カ所かわかったんですが、なるほどなぁと。観客を飽きさせない演出がやっぱり素晴らしいと思いました。
とにかくあっちから飛び出しこっちで消えと、変幻自在の狐に客席大喜び。解説での「人が入ってきたら拍手・退場するときも拍手」という言葉をしっかり守り、誰が入ってきても拍手で迎える場内が新鮮だったり。宙乗りの時の手拍子なんかもの凄くてびっくりでした。最後に吹き上がる桜の花びらに「わぁっ!」っと歓声が上がり、終演。満足そうに会場を後にする人々の顔を見てて、チケット取って良かったなぁと心底思いました。で、もう1回くらいキープすれば良かったと後悔しきり。
とにかく楽しませて頂いた2時間でした。これでパンフ付いて3800円は安い。
次回の鑑賞教室も楽しみです。
六月大歌舞伎(夜の部) ― 2005年06月26日 15:36
@歌舞伎座
千秋楽が日曜に当たったのでそっとクリックして取得してみました。
今月夜の部は良かったと周囲で評判なのでとても楽しみ。
・盟三五大切
何はなくとも吉右衛門さんと仁左衛門さん!
吉右衛門さんの五兵衛は最初のちょっとお茶目な所から最後の方の凄惨な表情まで、こちらに違和感を感じさせることなく演じてらして素晴らしかった。小万を殺した後に雨の中「敦盛」を謡いながら花道をはけていくシーンでは「人間てここまでやれちゃうんだな」と思って結構本気でぞっとしました。
仁左衛門さんは「ひでーなこいつ」という三五郎をどこか憎めない風に演じていて、それが最後のどんでん返しと上手く重なっていたと思います。
小万の時蔵さんも良かったなー。なんでこんな男に…と真剣に考えてしまうほど可愛らしい小万だった。
後は染五郎の八右衛門も出番少ない割に印象に残った。最初の芸者に入れ込む主人を窘めるとこも良かったし、五兵衛の身代わりになって捕まるとこなんかちょっと泣けました。「せめて顔だけは」と頭に手ぬぐいを被せてあげる五兵衛の優しさというか、それが切ない。結局八右衛門が犠牲になったおかげで最後まで復讐する決意を固めたってのも皮肉なもんです。
なにせストーリーも「はぁ!?」と思いつつも面白い。ジェットコースターみたいに話しが展開してくのはむしろ現代的だなーと思いました。忠臣蔵や、同じ南北作品の四谷怪談とが絡んでる辺りもにやりとするし、この人の頭の中はどうなってるんだろうと結構真剣に考えてしまいました。百両を巡る因縁劇。もうちょっと早く謎が解ければ大団円で終わったのに…と思いつつ、糸がこんがらがるから物語になるんだよなとも思いつつ。
とにかく終わった瞬間かなり興奮して大拍手してしまいました。歌舞伎座全体の熱気も凄かったと思います。
……で、あまりにも楽しくて満足したので次二つを見ないで歌舞伎座を出てしまいました。すいません。でもあの気持ちの良さをそのままにしておきたかったんだもの。
とにかく楽しかった。一等のいい席でもう一回見たかったなぁと後悔しきり。次回の反省にしよう。
千秋楽が日曜に当たったのでそっとクリックして取得してみました。
今月夜の部は良かったと周囲で評判なのでとても楽しみ。
・盟三五大切
何はなくとも吉右衛門さんと仁左衛門さん!
吉右衛門さんの五兵衛は最初のちょっとお茶目な所から最後の方の凄惨な表情まで、こちらに違和感を感じさせることなく演じてらして素晴らしかった。小万を殺した後に雨の中「敦盛」を謡いながら花道をはけていくシーンでは「人間てここまでやれちゃうんだな」と思って結構本気でぞっとしました。
仁左衛門さんは「ひでーなこいつ」という三五郎をどこか憎めない風に演じていて、それが最後のどんでん返しと上手く重なっていたと思います。
小万の時蔵さんも良かったなー。なんでこんな男に…と真剣に考えてしまうほど可愛らしい小万だった。
後は染五郎の八右衛門も出番少ない割に印象に残った。最初の芸者に入れ込む主人を窘めるとこも良かったし、五兵衛の身代わりになって捕まるとこなんかちょっと泣けました。「せめて顔だけは」と頭に手ぬぐいを被せてあげる五兵衛の優しさというか、それが切ない。結局八右衛門が犠牲になったおかげで最後まで復讐する決意を固めたってのも皮肉なもんです。
なにせストーリーも「はぁ!?」と思いつつも面白い。ジェットコースターみたいに話しが展開してくのはむしろ現代的だなーと思いました。忠臣蔵や、同じ南北作品の四谷怪談とが絡んでる辺りもにやりとするし、この人の頭の中はどうなってるんだろうと結構真剣に考えてしまいました。百両を巡る因縁劇。もうちょっと早く謎が解ければ大団円で終わったのに…と思いつつ、糸がこんがらがるから物語になるんだよなとも思いつつ。
とにかく終わった瞬間かなり興奮して大拍手してしまいました。歌舞伎座全体の熱気も凄かったと思います。
……で、あまりにも楽しくて満足したので次二つを見ないで歌舞伎座を出てしまいました。すいません。でもあの気持ちの良さをそのままにしておきたかったんだもの。
とにかく楽しかった。一等のいい席でもう一回見たかったなぁと後悔しきり。次回の反省にしよう。
六月大歌舞伎(昼の部) ― 2005年06月19日 15:36
久々の歌舞伎。ここから何故か3週連続歌舞伎です。
今月は襲名祭も終わって場内も落ち着いた雰囲気。
いつもの歌舞伎座だなーって感じでした。
・信州川中島合戦
梅玉さん以外の出演者の台詞が何を言ってるかわからず、ちょっと退屈だったりしました…。
秀太郎さん扮する越路の卓袱台返し(違。膳返し)にびっくりしつつ、最後の見せ場で「おお」と思ったりしつつ。
・素襖落
吉右衛門さんと富十郎さんのかけあいが可笑しかった。とりあえず「酔っ払いもの」は好きらしいです、私。吉右衛門さんの酒の呑み方がなにせ旨そうで気持ちよさそうでいいですね。魁春さんもきれいだったんですが、扇の使い方がなんだか危なっかしかった気が…。あまり踊れる方ではない、のかな…?
・恋飛脚大和往来 封印切
こういう話しだったんだなーと納得。「封印切」ってああいう意味だったんですね。仁左衛門さんの八右衛門が憎らしいながらもどこか憎みきれない部分があって、いい感じでした。やっぱり台詞回しがお上手だなぁ、と。緩急自在で小気味よかった。染五郎さんの忠兵衛はやっぱり上方言葉がわざとらしい部分がありつつも、テンポ良くて楽しかったです。最後に封印を切るシーンの涙声は演技だったのかマジ泣きだったのか…。気持ち入っててぐっと来たのですが、台詞聞き取れなくなってしまったのが残念でした。
・恋飛脚大和往来 新口村
打って変わって雪景色のセット。ちらちらと雪が舞う中を歩く二人の絵が美しくて眼福。仁左衛門さんがいきなり「お爺さん」になっていてびっくり。いや、役者さんて凄いです。ラストシーンで雪の坂道を消えてゆく二人と、それを涙ながらに見送る老いた父…という図がなんだかとても切なかったです。
今月は襲名祭も終わって場内も落ち着いた雰囲気。
いつもの歌舞伎座だなーって感じでした。
・信州川中島合戦
梅玉さん以外の出演者の台詞が何を言ってるかわからず、ちょっと退屈だったりしました…。
秀太郎さん扮する越路の卓袱台返し(違。膳返し)にびっくりしつつ、最後の見せ場で「おお」と思ったりしつつ。
・素襖落
吉右衛門さんと富十郎さんのかけあいが可笑しかった。とりあえず「酔っ払いもの」は好きらしいです、私。吉右衛門さんの酒の呑み方がなにせ旨そうで気持ちよさそうでいいですね。魁春さんもきれいだったんですが、扇の使い方がなんだか危なっかしかった気が…。あまり踊れる方ではない、のかな…?
・恋飛脚大和往来 封印切
こういう話しだったんだなーと納得。「封印切」ってああいう意味だったんですね。仁左衛門さんの八右衛門が憎らしいながらもどこか憎みきれない部分があって、いい感じでした。やっぱり台詞回しがお上手だなぁ、と。緩急自在で小気味よかった。染五郎さんの忠兵衛はやっぱり上方言葉がわざとらしい部分がありつつも、テンポ良くて楽しかったです。最後に封印を切るシーンの涙声は演技だったのかマジ泣きだったのか…。気持ち入っててぐっと来たのですが、台詞聞き取れなくなってしまったのが残念でした。
・恋飛脚大和往来 新口村
打って変わって雪景色のセット。ちらちらと雪が舞う中を歩く二人の絵が美しくて眼福。仁左衛門さんがいきなり「お爺さん」になっていてびっくり。いや、役者さんて凄いです。ラストシーンで雪の坂道を消えてゆく二人と、それを涙ながらに見送る老いた父…という図がなんだかとても切なかったです。
スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」(夜の部) ― 2005年03月19日 15:35
@新橋演舞場
・ヤマトタケル 段治郎
・タケヒコ 右近
初スーパー歌舞伎でした。
もうですね、一言で言うと「あなどっていてごめんなさいm(__)m」です。
大変失礼ながらイメージ的に「衣裳と演出でショーアップされた派手な舞台」という印象しかなかったのですが、みたらとても面白しろく、良く出来ていて、時間と懐に余裕があればもう一回見たい感じです。特にメインテーマの曲がとても気に入りました。
新感線のいのうえ歌舞伎ってこの辺をすごく意識してるんだろうな~と、改めて思いましたね。
印象的だったのは1幕で熊襲に襲撃をかけるシーンと、2幕ラスト。
熊襲のシーンはですね、音楽聞えてきた瞬間にすご~く新感線と近い物を感じてしまい、ドキドキ。そして熊襲を治める兄タケル・弟タケルの衣裳がすごくて、兄は背中に蛸、弟は蟹を背負ってて「うわー!」って。
宴会する熊襲の民たちが大きなセットと一緒に盆で回ってくる演出なのですが、このセットがすごい。仕掛けがいっぱいでタイマツが入ってる篭は落ちてくるわ、2階の壁が抜けて人が吹っ飛ぶわ、戦ってる最中にそこらに置いてある樽が飛び交ってるわ(笑)
ストーリーの部分も熊襲を平定を命じられた小碓命が女装してやってきて、「彼女」を兄弟で取りあったあげくに二人とも小碓に殺されるわけですが、最後に「勇者にふさわしい「タケル」の名と熊襲の魂を引き継いでほしい」と懇願され小碓は「ヤマト(の)タケル」を名乗るようになる…と、すごくわかりやすい展開。
でもこの「わかりやすさ」ってのが大事だと思うんですよ。
二幕では熊襲を平定したヤマトタケルが、今度は蝦夷を平定してこいと言われてしまうわけです。(帝の跡継ぎ問題だったり色んな理由で疎まれてるんですよね…哀しい)
相模で罠に嵌められて、火に取り囲まれるシーンなんかも面白かったな。火のイメージに旗を使ってるんですが、これがちゃんと火が燃えてるように見える。そして歌舞伎系のわりには殺陣もかなり動きがあって、特に雑技団から来てるアクロバット部隊の連続バク転やトンボがすごいすごい!度迫力のアクションに客席から拍手が連発。最後はタケヒコが炎のフラッグ(敵方の付けた火に、タケルが神の火で対抗するわけです)をぶんぶん振って「アンジョルラスが勝った!」状態(違)で場面転換。
今度は一転して蝦夷へ渡る為の海のシーンにチェンジするのですが、このシーンが切ない。海が荒れて、「どうしたら無事に渡れるか」を占ったところ「ヤマトタケルの一番大切なものを海に差しだせ」という神託が降りる。大切なもの=旅に同行していた第二夫人の弟橘姫。タケルは「そんなことせんでも渡れる!」と強行しようとするわけですが、事態を察した弟橘姫が「私は所詮第二夫人。あなたが帝になっても皇后にはなれない。だったら海の神様の元へ嫁いで海の皇后になる」と心にも無い言葉をきっぱりと言い切って、皇后にふさわしい24枚の畳をあなたの手で海に投げてくれと懇願。
ここの弟橘姫(春猿)さんがほんっとうに美しく、可憐で、凛としていて泣ける泣ける。基本的にヘタレキャラのヤマトタケル(てゆーか段ちゃん)はもう鼻水ダラダラの号泣状態なのですが、涙で流れた目元の朱が血の涙のようでそれがまた泣ける。「あなたの手でこれを投げてくれることが私への愛の証だと信じて、私は海の神の元へ旅立つことができるのです」と言われてタケルが畳を投げ込むとこもまた泣けました…。半分はタケルの貰い泣きです。
そのまま海へ消えてゆく弟橘姫の名を絶叫しながら二幕完。
で、三幕は「今度こそ大和の国へ凱旋!」と思った矢先にまた国つ神退治を命じられるヤマトタケル。健気に父を信じて引き受けるヤマトタケル。でもちょっと慢心して神剣「草薙剣」を第三夫人(…)に預けていくヤマトタケル…。
結局慢心が原因で重症を負って、故郷へ辿り着けないままタケルは死んでしまうわけです。「帰りたい…帰りたい…」と泣くタケルの姿がでっかい子どものようで切ない。最後の絶命シーンでは絶対に弟橘姫が「行きましょ~自由な~処へ~」とお迎えに来ると思ってたのですが、来なかったなぁ。
そしてタケルの魂が白鳥となって天に帰るラストシーン。ここで宙乗りが入るんですが、両腕を翼に見立てた衣裳のせいも相まってでかい。とにかくでかい。だって単純に縦横1間の白鳥ですよ?予想はしてたけど本当にでっかくて驚きました。宙乗りの鳥屋口(でいいのかな?)の間口が小さくて翼広げると入らないからウルトラマン状態で突っ込んでゆくタケルがまた間抜けだったり…(笑)
スーパー歌舞伎にカーテンコールがあるのも驚きましたが、全キャストが「役のまま」カーテンコールに出てくることにもっと驚きました。熊襲兄弟は動きシンクロしたままだし、帝が出てくる時には皆頭を垂れる。鳥屋口からダッシュしただろうヤマトタケルは父帝の手を取って、随分長い間そこに額をつけてました。それを見つめる帝の表情を見ていて「やっとタケルの気持ちが父上に伝わったんだなぁ」と、ちょっとウルウル。カーテンコールでこんなに感動するとは。
とにかく仕掛けが多く、派手で、尚且つ単純明快で爽快なストーリー。豪華な衣裳も眼福だったし、とにかく「お客さんを楽しませよう」という気持ちがとても伝わってくるいい舞台でした。
個人的には1月の演舞場に続いて春猿さんの初々しさ・清純さに惚れてしまった感じです。
機会があったら右近さんバージョンも見てみたいなぁ。
・ヤマトタケル 段治郎
・タケヒコ 右近
初スーパー歌舞伎でした。
もうですね、一言で言うと「あなどっていてごめんなさいm(__)m」です。
大変失礼ながらイメージ的に「衣裳と演出でショーアップされた派手な舞台」という印象しかなかったのですが、みたらとても面白しろく、良く出来ていて、時間と懐に余裕があればもう一回見たい感じです。特にメインテーマの曲がとても気に入りました。
新感線のいのうえ歌舞伎ってこの辺をすごく意識してるんだろうな~と、改めて思いましたね。
印象的だったのは1幕で熊襲に襲撃をかけるシーンと、2幕ラスト。
熊襲のシーンはですね、音楽聞えてきた瞬間にすご~く新感線と近い物を感じてしまい、ドキドキ。そして熊襲を治める兄タケル・弟タケルの衣裳がすごくて、兄は背中に蛸、弟は蟹を背負ってて「うわー!」って。
宴会する熊襲の民たちが大きなセットと一緒に盆で回ってくる演出なのですが、このセットがすごい。仕掛けがいっぱいでタイマツが入ってる篭は落ちてくるわ、2階の壁が抜けて人が吹っ飛ぶわ、戦ってる最中にそこらに置いてある樽が飛び交ってるわ(笑)
ストーリーの部分も熊襲を平定を命じられた小碓命が女装してやってきて、「彼女」を兄弟で取りあったあげくに二人とも小碓に殺されるわけですが、最後に「勇者にふさわしい「タケル」の名と熊襲の魂を引き継いでほしい」と懇願され小碓は「ヤマト(の)タケル」を名乗るようになる…と、すごくわかりやすい展開。
でもこの「わかりやすさ」ってのが大事だと思うんですよ。
二幕では熊襲を平定したヤマトタケルが、今度は蝦夷を平定してこいと言われてしまうわけです。(帝の跡継ぎ問題だったり色んな理由で疎まれてるんですよね…哀しい)
相模で罠に嵌められて、火に取り囲まれるシーンなんかも面白かったな。火のイメージに旗を使ってるんですが、これがちゃんと火が燃えてるように見える。そして歌舞伎系のわりには殺陣もかなり動きがあって、特に雑技団から来てるアクロバット部隊の連続バク転やトンボがすごいすごい!度迫力のアクションに客席から拍手が連発。最後はタケヒコが炎のフラッグ(敵方の付けた火に、タケルが神の火で対抗するわけです)をぶんぶん振って「アンジョルラスが勝った!」状態(違)で場面転換。
今度は一転して蝦夷へ渡る為の海のシーンにチェンジするのですが、このシーンが切ない。海が荒れて、「どうしたら無事に渡れるか」を占ったところ「ヤマトタケルの一番大切なものを海に差しだせ」という神託が降りる。大切なもの=旅に同行していた第二夫人の弟橘姫。タケルは「そんなことせんでも渡れる!」と強行しようとするわけですが、事態を察した弟橘姫が「私は所詮第二夫人。あなたが帝になっても皇后にはなれない。だったら海の神様の元へ嫁いで海の皇后になる」と心にも無い言葉をきっぱりと言い切って、皇后にふさわしい24枚の畳をあなたの手で海に投げてくれと懇願。
ここの弟橘姫(春猿)さんがほんっとうに美しく、可憐で、凛としていて泣ける泣ける。基本的にヘタレキャラのヤマトタケル(てゆーか段ちゃん)はもう鼻水ダラダラの号泣状態なのですが、涙で流れた目元の朱が血の涙のようでそれがまた泣ける。「あなたの手でこれを投げてくれることが私への愛の証だと信じて、私は海の神の元へ旅立つことができるのです」と言われてタケルが畳を投げ込むとこもまた泣けました…。半分はタケルの貰い泣きです。
そのまま海へ消えてゆく弟橘姫の名を絶叫しながら二幕完。
で、三幕は「今度こそ大和の国へ凱旋!」と思った矢先にまた国つ神退治を命じられるヤマトタケル。健気に父を信じて引き受けるヤマトタケル。でもちょっと慢心して神剣「草薙剣」を第三夫人(…)に預けていくヤマトタケル…。
結局慢心が原因で重症を負って、故郷へ辿り着けないままタケルは死んでしまうわけです。「帰りたい…帰りたい…」と泣くタケルの姿がでっかい子どものようで切ない。最後の絶命シーンでは絶対に弟橘姫が「行きましょ~自由な~処へ~」とお迎えに来ると思ってたのですが、来なかったなぁ。
そしてタケルの魂が白鳥となって天に帰るラストシーン。ここで宙乗りが入るんですが、両腕を翼に見立てた衣裳のせいも相まってでかい。とにかくでかい。だって単純に縦横1間の白鳥ですよ?予想はしてたけど本当にでっかくて驚きました。宙乗りの鳥屋口(でいいのかな?)の間口が小さくて翼広げると入らないからウルトラマン状態で突っ込んでゆくタケルがまた間抜けだったり…(笑)
スーパー歌舞伎にカーテンコールがあるのも驚きましたが、全キャストが「役のまま」カーテンコールに出てくることにもっと驚きました。熊襲兄弟は動きシンクロしたままだし、帝が出てくる時には皆頭を垂れる。鳥屋口からダッシュしただろうヤマトタケルは父帝の手を取って、随分長い間そこに額をつけてました。それを見つめる帝の表情を見ていて「やっとタケルの気持ちが父上に伝わったんだなぁ」と、ちょっとウルウル。カーテンコールでこんなに感動するとは。
とにかく仕掛けが多く、派手で、尚且つ単純明快で爽快なストーリー。豪華な衣裳も眼福だったし、とにかく「お客さんを楽しませよう」という気持ちがとても伝わってくるいい舞台でした。
個人的には1月の演舞場に続いて春猿さんの初々しさ・清純さに惚れてしまった感じです。
機会があったら右近さんバージョンも見てみたいなぁ。
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