東宝ミュージカル「ミス・サイゴン」2004年09月18日 13:36

@帝国劇場(ソワレ)

CAST:
エンジニア 橋本さとし
キム    松たか子
クリス   坂元健児
ジョン   今井清隆
エレン   高橋由美子
トゥイ   tekkan
ジジ    平澤由美

3回目のサイゴン。さとしさんのエンジニアが見たくて急遽チケットを追加してみました。
ヅカの和物→サイゴンのマチソワというすごい状況だったので、結構頭がいっぱいいっぱいになったかも;

キャスト別に。
さとしエンジニア。軽い!全身から漂う小物感がグーです。全体的に動きがクネクネしていて、直線の動きだった筧さんとは対照的でした。歌は結構崩して歌ってたかな。イメージ的になんというか、可愛らしいんですよ。筧さんの可愛さとはまた違うんですけどね。なんだろう、でっかいけど小動物系?ずっとビクビクおびおびしてる(笑)
印象に残ったシーンが実はあまりなかった気がします。総合では「良かった」という印象があるんだけど、どこがと言われるとうーん…。あ、1幕ラストの「キムとエンジニア」のシーンで勢いよく入ってきたキムに本気で驚いてびっくりしてるところと、バンコクの頭で支配人と小芝居してたところと、「ハイ!ホーチミン!」のところで客席に向かって「ヤッホー!」「・・・」「ヤッホー!(強く)」「や、やっほー…」とレスポンスを強要してたのは笑いました。
やっぱり印象としては「軽い・薄い・弱い」かな。決して悪い意味でなく。相手が松キムだとむしろエンジニアがこき使われそうな感はありましたが、それもまたよし。とても生き生きと演じているように見えて気持ちよかったです。

松キム。安定してますね。ただ、二幕になると喉が閉まっちゃうのか、中音の抑えた声が震えちゃう感じでした。しかしやっぱりこの方の「トゥイの死」は泣けたのです…。滂沱ですよ。撃った後から悲鳴を上げるまでの間と表情がすごいんです。いや、今回も2階だったんですが。見える勢いでした。女優だなぁ。

坂元クリス。ジョンとの身長差・年齢差が微笑ましい(笑)カーンと抜ける声で聞いてて気持ちがいいですね。電話するところのなんかこう、照れた演技が可愛かった。今井ジョンの「このタコっ!」っていうのもそのせいか妙にハマってました(笑)ただ、1幕はすごく良かったんですが、2幕の特に「告白」が弱かった。石井クリスの時はここで号泣だったけど、さらっと終わってしまった感じ。あ、でもサイゴン陥落のシーンが良かったなー。ジョンにぶん殴られた時の吹っ飛び方もすごかった。

今井ジョン。なんだか今日のブイドイは泣けた…。プレの時と何が違うのかはわかんないけど。2幕は相変わらず話聞いてもらえなくて可哀想だった。

高橋エレン。プレよりも無理に張り上げる部分を減らして、歌い方にメリハリをつけてました。「I still believe」はやっぱり高橋エレンが好きだー。「♪眠るあな~たは~」の歌いだしの低めの声がすごくいい。彼女の声質に合った歌なんだと思う。ホテルシーンは松キム相手のせいかかなり強くやってたような気がします。キムに対しての同情が、彼女の気持ちを知ってクリスを取られるのでは…という恐怖になり、キムの自殺で自分の浅はかさを知って涙を流す。そんな彼女の心の動きが見えるようで、非常に好演だったのではないでしょうか。エンディング~カーテンコールまでずっと泣いてました。

tekkanトゥイ。最初に見たときはあの独特の歌い方が苦手だったんですが、慣れてくるととても悲しい、切ない人に見えてきました。そしてやっぱりキムに銃を向けられたシーンでは「逃げてー!」と。松キム強し。タムへの愛情の賜物でしょうか?それだけにその後のシーンが泣けるんですけどね。

平澤ジジはダイナマイトバディでした。かっこいい!

今まで見た三回、結構キャストが被ってたりするんですが、松×石井×高橋で見たいなぁ。…と思ったらこの組み合わせって9/25しかないじゃないですか!貸切公演だよしかも;
まあ、仕方ないかぁ。あんまり増やしても…ね。

宝塚歌劇90周年記念「花供養」2004年09月18日 15:18

@日生劇場(マチネ)

良かった!すごく好きだこの作品!
確かに歌も踊りもないし、宝塚としては寂しいのかもしれないけど、まだそんなにヅカ慣れしてない私としては逆に和物でいきなりオーケストラで歌って踊る!とかよりは入りやすかったです。

主演の轟悠さんが評判どおり所作や立ち姿が綺麗で綺麗で。2度目の登場の時の衣裳の色はどうなんだろうとか突っ込みどころもありつつも、轟さんが出てくる度に釘付けになってしまいました。ていうか、やっぱりこの方のお顔がとてもとても好きなんですよ…。パンフの稽古場写真にドキドキです。男役の方にときめく気持ちがちょっとわかったかもしれない(笑)あー、はまってきてるなー;

ヒロインの白羽ゆりさんは初々しくて、純粋で、いじらしくて、可愛くて可愛くて。「はい」という台詞の響きと言い方がとても心地よくてですね、そりゃ政仁じゃなくても「愛いヤツ」となるだろうよと幕間にF嬢と語り合ってしまいました。いかにも「娘役」って感じでほんっと可愛らしかった。

弟の信尋役の音月桂さんも熱演されてましたね。お与津への胸の内を吐露するシーンなんかはちょっとウルウルきました。

それから脇を固める汝鳥 伶さん・邦 なつきさん・城 火呂絵さん辺りが非常にお上手で安心して観ていられました。春日野局と水無瀬の狐と狸の化かしあいシーンは迫力がありましたよ。
男役が二人しか出てこない設定なので、宝塚にしては珍しくこう、女性が多くて、そういう意味での華やかさがありました。

カーテンコールもいわゆる普通の芝居のカーテンコール。お客さんの反応も良かったと思います。最後1回は予定外アンコールだったのかな。センターの轟さんがものすごく嬉しそうな笑顔でそっと手を振られてたのが印象的でした。
もっと最初の方の公演抑えておけばよかったな。もう一回観たかった。この後平日も夜公演ないんだもんなぁ。

日生劇場は来月アオドクロで行く予定なんですが、そのときの席をチェックしてみたら、なにげにものすごく観やすい席で来月も楽しみになりました。