二月大歌舞伎(昼の部)2005年02月06日 15:34

@歌舞伎座

W嬢から「遅刻する」とメール(笑) 歌舞伎座に「切符預かり所」なる場所があることを初めて知りました。あのシステム便利だなぁ。恐縮しながら受付に行かなくて済むもの。
前回の反省をふまえておでん定食を事前に予約。チケット以外で歌舞伎会カードを初めて利用しました。割り引いてくれるのがちょこっと嬉しい。

・番町皿屋敷
何はなくとも時蔵さん!切ないよ~。
いわゆる「怪談・番町皿屋敷」とは全くの別物なんですね。播磨を試してしまうのも、お菊を斬ってしまうのも恋故、愛故。お菊の目の前で「一枚…二枚」と残った皿を叩き割っていくシーンからがとにかく切なかった。
「青山播磨は五枚十枚の皿を惜んで、人の命を取るほどの無慈悲な男でない!」「お前の心の疑いは晴れようとも、疑われた播磨の無念は晴れぬ」って感じで決め台詞もたくさんあり、最後に手を合わせながら背中から斬られた後のお菊の表情の移り変わりがもう…。
「家重代の宝も砕けた。播磨が一生の恋もほろびた」と、自暴自棄に花道を駆け抜けていく播磨の姿も悲しかったなぁ。
ふと、大昔に見た横内謙介の「怪談・にせ皿屋敷」を思い出してみたり。あれは岡本綺堂の「番町皿屋敷」と怪談の皿屋敷のテイストをうま~くミックスしてる良くできた脚本だったんだなぁと改めて思った。今度脚本読み直してみよう。

・義経腰越状 五斗三番叟
すいません、ぶっちゃけ寝てました。
ご飯食べたせいかどうしようもなく眠くなりまして、「飲まないつってる酒好きの左右で旨そうに酒呑んでる酷い人たち」という構図しか覚えてません…。「こりゃたまらんわな」と思いながら熟睡でした。

・隅田川
墓に縋って泣く斑女の前の姿が哀れだな…と思った。

・どんつく
仁左衛門さんがどうみても大工には見えなかった、色男すぎて(笑) 時蔵さんの芸者との絡みが色っぽかったのと、白酒売り魁春さん&町娘菊之助さんがかわゆらしかったのが印象的。
どんつく&鶴太夫のナイスコンビは見てて楽しかった。ストップモーション時の下半身のキープが凄い三津五郎さんと、上半身の動きが美しい菊五郎さんて印象だったんですがどうでしょう?
こういう見てて何も考えずに楽しめる演目、好きだなぁ。

終演後は銀座から新宿に移動。TSUTAYAでビデオの在庫を捜しつつ、サザンシアターへ。

歩兵の本領(千秋楽)2005年02月06日 15:34

@紀伊國屋サザンシアター

当日引き取りの安売りチケットだったのですが、最後列とはいえセンターで見やすかったです。開演前・終演後にロビーで山本亨さんをお見かけして、それだけでもハッピーだったというか…(笑)だって終演後なんかふと見たら真横に立ってたんですよ?ちょっとした喜び。

さて本編。当然初見だったわけですが、つかさん常連役者が多いのと、いわゆる「軍隊口調」も相まってかなりつかテイストだった気がします。世界観的には飛龍伝+WINDS OF GOD÷2って感じ。ストーリー的にはやや怠かったかな。状況描写が丁寧なのはいいけど、もうちょっとテンポアップした方が見やすい気もする。演出が「幕末純情伝2003」の杉田氏ということで全く期待せずに行った割には面白かったかな。

演技するのも3本目くらいで初舞台初主演という話の窪塚俊介をかなり心配してたんですが、どうしてどうして。初舞台であれだけやれたら上等。楽日とはいえ噛んでも動揺しない、アドリブにも返せる、カテコではじけられる(笑)いや、いい度胸だったと思います。今後どんどん舞台のキャリアを重ねて欲しい。
高橋くんは扉座で活躍してるから無問題として、もう一人の若手、森本くんも良くやってたと思います。力量あるベテランに囲まれていい勉強になったんじゃないでしょうか。

そんでもってやっぱり、こぐれさん・武田さん・友部さん・鈴木さん・的場さん・花王さんの演技が誰も彼も素晴らしかった。彼らの演技が若手3人の力を引っ張り出した感じ。
パクちゃんは「歌専任」て感じだったかな~。出番も台詞も少なめ。まあ、あの部屋の住人として出るにはあまりにも日本語が微妙すぎだし、仕方ないか。OPで日の丸バックに君が代独唱されたときには驚いたけど。そのワンシーン出演だけだったとしても意義があるんじゃなかろうか。

シーン的には甘い物好きだった武田さんと、お化けが苦手だった的場さんと、最後に襷を握りしめて川原准尉が「若鷲の歌」を歌うシーン。あ、あと和田さん@的場さんのハイキックがもの凄く美しかったこと(笑)

終演後のカーテンコールはRUPさん名物のスペシャル版。
隊員たちの「その後」をやってくれました。要約すると「みんな相変わらず」(笑)
パクちゃんが「この舞台やってから韓国語がどんどんダメになってます」って一言が印象的でした。語学って難しい…。