三月大歌舞伎(夜の部) ― 2006年03月18日 16:30
@歌舞伎座
・近頃河原の達引
えー、すいません。寝不足のまま行ったせいか、中盤以降ほとんど記憶ありません(割腹)
河原の場面は話もとんとん進んでアレだったのですが、お俊の家のシーンはほんっと覚えていなくて…申し訳ない。
・二人椀久
ちょうど一年前の去年の2月に仁左衛門・孝太郎で見てるんですが、その時は椀久がニザさんだったんでこう…色男と精霊な感じで幻想的な雰囲気だったんですね。演出も。で、後ろに座ってたおば様が「孝太郎踊れるじゃない!素晴らしかったわ!」と興奮してたのが印象的だった演目(笑)
今回の椀久は富十郎さん。実は今回一番楽しみな演目です。
いや、もうとにかく富十郎さんが素晴らしかった!正直背も大きくないし、色男ではないのに素晴らしく恰好良いんですよ。指先の小さな動き、足運び、一つも無駄なところがなくて惚れ惚れしてしまいました。松山太夫の菊之助氏は初役ということでしたが、やっぱりこう、人間離れした美しさが圧倒的。テンポアップするところでは富十郎さんに必死で付いていってる姿が好感度高かったです。
しかしこの物語は切ない。最後に一人取り残された椀久のあまりのぼう然とした表情にちょっと泣けてしまった…。
で、ここで満足してしまい、体調的にあまり思わしくなかったこともあって撤収させていただきました…。いや、次幸四郎さんだし見たかったんだけど。でも二人椀久が本当に素晴らしかったので、そのまま帰りたかったんです…。心の中で「幸四郎パパごめん!」と叫びながら隣のプロントで幸せにビールを飲む私とW嬢。ダメな大人と言われてもいいんです、自分が楽しければ。
・近頃河原の達引
えー、すいません。寝不足のまま行ったせいか、中盤以降ほとんど記憶ありません(割腹)
河原の場面は話もとんとん進んでアレだったのですが、お俊の家のシーンはほんっと覚えていなくて…申し訳ない。
・二人椀久
ちょうど一年前の去年の2月に仁左衛門・孝太郎で見てるんですが、その時は椀久がニザさんだったんでこう…色男と精霊な感じで幻想的な雰囲気だったんですね。演出も。で、後ろに座ってたおば様が「孝太郎踊れるじゃない!素晴らしかったわ!」と興奮してたのが印象的だった演目(笑)
今回の椀久は富十郎さん。実は今回一番楽しみな演目です。
いや、もうとにかく富十郎さんが素晴らしかった!正直背も大きくないし、色男ではないのに素晴らしく恰好良いんですよ。指先の小さな動き、足運び、一つも無駄なところがなくて惚れ惚れしてしまいました。松山太夫の菊之助氏は初役ということでしたが、やっぱりこう、人間離れした美しさが圧倒的。テンポアップするところでは富十郎さんに必死で付いていってる姿が好感度高かったです。
しかしこの物語は切ない。最後に一人取り残された椀久のあまりのぼう然とした表情にちょっと泣けてしまった…。
で、ここで満足してしまい、体調的にあまり思わしくなかったこともあって撤収させていただきました…。いや、次幸四郎さんだし見たかったんだけど。でも二人椀久が本当に素晴らしかったので、そのまま帰りたかったんです…。心の中で「幸四郎パパごめん!」と叫びながら隣のプロントで幸せにビールを飲む私とW嬢。ダメな大人と言われてもいいんです、自分が楽しければ。
壽 初春大歌舞伎(昼夜) ― 2006年01月07日 11:00
@松竹座
とりあえず正月だし、遠征だしということで、気合いを入れて昼夜とも一等席にしてみました。1日で切符代31500円。吐血です。
気合いを入れた甲斐あって、昼の部は2列目上手、夜の部は9列目花道寄りでした。ありがたやありがたや。
◆昼の部
・源平布引滝
若手奮闘公演!て感じでした。とりあえず小万の孝太郎さんに惚れた…。最後の立ち回りで小刀を構えて敵を「きっ」と睨むとことか格好良くてですね。いいなぁと。
愛之助さんはとにかく迫力あった。時々ちょっとした表情が仁左衛門さんにびっくりするくらい似て見えたのは化粧のせいだろうか。最後の階段落ちの時には前の列のおばさまが思わず「ひゃっ!」と顔を背けてらっしゃいました。凄かったー。
後は春猿さんの相変わらずの可憐さと、笑三郎さんの相変わらずの芸達者ぶりに感心。段治郎さんは…病み上がりのせいかいまいち覇気がなかったような。でも素敵でしたけどね。
いやー、楽しかったです。
・十六夜清心
玉三郎さんの美しさの秘訣は「美人オーラ」にあるんだね、ということで終演後にW嬢と納得。前半の清心の為に尼にまでなってしまう乙女な十六夜と、後半のすっかり悪になってしまった十六夜と、化粧はそんなに変えてないのに髪型と姿勢・しぐさで別人なんだもの。着脱自在の美人オーラなんだよきっと!ということで納得。間近で見てもきれいだったよ玉さん…。
仁左衛門さんはいつもですが、実は悪のが好き(笑)なので今回もヘタレた清心よりも悪な清吉のが好きです。
川辺で腹に刀を突き立てようとして「いててっ」ってのは絶対やると思ってましたが、予想はしててもおかしい。しかし、「雲が晴れて月が照らすと、突然悪に目覚めます」って、すごいよなぁ。ジキルとハイドみたいだ。人間の心の中なんて常に両天秤なんだから、そういう瞬間もあるのかもしれないな…と思いつつ見てました。
ここでも笑三郎さんがしっかりと脇固め。弥十郎さんの白蓮も豪快で良かったです。しかし、箱根の山(箱根山中地獄谷の場)で何があったのか、ぜひこの場を見てみたいです。おさよさんがどうやって悪に落ちたかちゃんと見たいわー。それから今回やらなかった最後もね。
◆ 夜の部
・神霊矢口渡
実は夜の部で一番泣けたのはこれだったりします。孝太郎さんのお舟がバカでいじらしくて可愛いんですよ。一目惚れした相手を家に泊めたらそれが父が追ってる相手で、彼らの身代わりになって実の父に刺され…って、ほんっとにバカだよアンタ!という内容を涙させてくれたのはひとえに孝太郎さんの愛らしさだったと思います。
最後、ずたずたになりながら櫓に登って鐘を打つシーンは本当に泣けました。
ここでも春猿さんが美しかったです。薪車さんの義峯とお揃いの着物が素敵でした。
・假名手本忠臣蔵
さて問題です。一番悪いのは誰でしょう?
1.誰が聞いてるかわからない場所で、大金持ってることを独り言しちゃった勘平の舅与市兵衛
2.その舅を殺して金を奪った盗賊定九郎
3.猪と間違えて定九郎を誤射した挙げ句に金を持ち逃げした勘平
4.状況証拠だけで勘平が与市兵衛を殺したと責め立てた勘平の姑おかやと元同僚弥五郎と数右衛門
見終わった後に「誰か一人でもいいから、もうちょっと確認しろよ…」とやりきれない気持ちになりました。いや、悲劇だからこそ戯曲として成立してるのはわかるんですけどね。
散々責めて相手切腹に追い込んだ挙げ句に濡れ衣だっつーことがわかって「早まったな勘平!」って…「あんたらが悪いんだろ!」と心の中で思いっきり突っ込んでしまいました。
花道で勘平の着物をそっと直すおかるのしぐさにドキドキ。なんてことない動きなんですが、色っぽくてとてもドキドキ。長くコンビ組んでるだけあって、空気が近いというか、そういう感じがしました。
どーでもいいですが真横を猪(ぬいぐるみ)が駆け抜けた時には吹き出すのを堪えるのに大変でした…。
・春調娘七種
お正月らしくていいねぇ、と。春猿さんが華やかでキラキラしてました。猿弥さんが動きのキレがいい方なので見ていて気持ちいい。段治郎さんはまぁ、うん、立ち姿が相変わらず素敵なのでいいです。
忠臣蔵が悲劇だったので、こういう明るい演目で終わるのは気持ちが良かった。
というわけで、朝11:00~夜8:40まで松竹座にいて、流石に疲れました。
しかし一等席ってすごい。台詞も義太夫さんもはっきり全部聞き取れるし、芝居の合間に話してる小さな会話(役としての)も全部聞こえるし。やっぱり本当に見たい演目には金をかけなきゃいけないなと反省。
夜はお好み焼き屋さんでもやし鍋。幸せでございました。
とりあえず正月だし、遠征だしということで、気合いを入れて昼夜とも一等席にしてみました。1日で切符代31500円。吐血です。
気合いを入れた甲斐あって、昼の部は2列目上手、夜の部は9列目花道寄りでした。ありがたやありがたや。
◆昼の部
・源平布引滝
若手奮闘公演!て感じでした。とりあえず小万の孝太郎さんに惚れた…。最後の立ち回りで小刀を構えて敵を「きっ」と睨むとことか格好良くてですね。いいなぁと。
愛之助さんはとにかく迫力あった。時々ちょっとした表情が仁左衛門さんにびっくりするくらい似て見えたのは化粧のせいだろうか。最後の階段落ちの時には前の列のおばさまが思わず「ひゃっ!」と顔を背けてらっしゃいました。凄かったー。
後は春猿さんの相変わらずの可憐さと、笑三郎さんの相変わらずの芸達者ぶりに感心。段治郎さんは…病み上がりのせいかいまいち覇気がなかったような。でも素敵でしたけどね。
いやー、楽しかったです。
・十六夜清心
玉三郎さんの美しさの秘訣は「美人オーラ」にあるんだね、ということで終演後にW嬢と納得。前半の清心の為に尼にまでなってしまう乙女な十六夜と、後半のすっかり悪になってしまった十六夜と、化粧はそんなに変えてないのに髪型と姿勢・しぐさで別人なんだもの。着脱自在の美人オーラなんだよきっと!ということで納得。間近で見てもきれいだったよ玉さん…。
仁左衛門さんはいつもですが、実は悪のが好き(笑)なので今回もヘタレた清心よりも悪な清吉のが好きです。
川辺で腹に刀を突き立てようとして「いててっ」ってのは絶対やると思ってましたが、予想はしててもおかしい。しかし、「雲が晴れて月が照らすと、突然悪に目覚めます」って、すごいよなぁ。ジキルとハイドみたいだ。人間の心の中なんて常に両天秤なんだから、そういう瞬間もあるのかもしれないな…と思いつつ見てました。
ここでも笑三郎さんがしっかりと脇固め。弥十郎さんの白蓮も豪快で良かったです。しかし、箱根の山(箱根山中地獄谷の場)で何があったのか、ぜひこの場を見てみたいです。おさよさんがどうやって悪に落ちたかちゃんと見たいわー。それから今回やらなかった最後もね。
◆ 夜の部
・神霊矢口渡
実は夜の部で一番泣けたのはこれだったりします。孝太郎さんのお舟がバカでいじらしくて可愛いんですよ。一目惚れした相手を家に泊めたらそれが父が追ってる相手で、彼らの身代わりになって実の父に刺され…って、ほんっとにバカだよアンタ!という内容を涙させてくれたのはひとえに孝太郎さんの愛らしさだったと思います。
最後、ずたずたになりながら櫓に登って鐘を打つシーンは本当に泣けました。
ここでも春猿さんが美しかったです。薪車さんの義峯とお揃いの着物が素敵でした。
・假名手本忠臣蔵
さて問題です。一番悪いのは誰でしょう?
1.誰が聞いてるかわからない場所で、大金持ってることを独り言しちゃった勘平の舅与市兵衛
2.その舅を殺して金を奪った盗賊定九郎
3.猪と間違えて定九郎を誤射した挙げ句に金を持ち逃げした勘平
4.状況証拠だけで勘平が与市兵衛を殺したと責め立てた勘平の姑おかやと元同僚弥五郎と数右衛門
見終わった後に「誰か一人でもいいから、もうちょっと確認しろよ…」とやりきれない気持ちになりました。いや、悲劇だからこそ戯曲として成立してるのはわかるんですけどね。
散々責めて相手切腹に追い込んだ挙げ句に濡れ衣だっつーことがわかって「早まったな勘平!」って…「あんたらが悪いんだろ!」と心の中で思いっきり突っ込んでしまいました。
花道で勘平の着物をそっと直すおかるのしぐさにドキドキ。なんてことない動きなんですが、色っぽくてとてもドキドキ。長くコンビ組んでるだけあって、空気が近いというか、そういう感じがしました。
どーでもいいですが真横を猪(ぬいぐるみ)が駆け抜けた時には吹き出すのを堪えるのに大変でした…。
・春調娘七種
お正月らしくていいねぇ、と。春猿さんが華やかでキラキラしてました。猿弥さんが動きのキレがいい方なので見ていて気持ちいい。段治郎さんはまぁ、うん、立ち姿が相変わらず素敵なのでいいです。
忠臣蔵が悲劇だったので、こういう明るい演目で終わるのは気持ちが良かった。
というわけで、朝11:00~夜8:40まで松竹座にいて、流石に疲れました。
しかし一等席ってすごい。台詞も義太夫さんもはっきり全部聞き取れるし、芝居の合間に話してる小さな会話(役としての)も全部聞こえるし。やっぱり本当に見たい演目には金をかけなきゃいけないなと反省。
夜はお好み焼き屋さんでもやし鍋。幸せでございました。
吉例顔見世大歌舞伎(夜の部) ― 2005年11月19日 16:30
@歌舞伎座
・日向嶋景清
島流ししておきながらも景清が自分の元へ下るのを信じて待ってる辺り、源氏方も気が長いなぁと。見張りに行かされた部下二名は大変だったねと素で思いました。
・鞍馬山誉鷹
鷹之資くんの改名お披露目演目。もうなんというか場内の空気が温かいことこの上ない。俳優陣の口上に対しての拍手もそうだし、鷹之資くんの一挙一動を見守る視線もほんわかしている。歌舞伎や宝塚とか、先達が新しい人々を育てていく芸能ってのは「見守る」ことも一つの楽しみなんだなと改めて思った。
演目もお披露目にふさわしい感じ。齢六歳にしてきっちりと台詞言ってる鷹之資くんは偉いなと。この子、自分が今どういう立場なのかわかってるんだろうなぁと思うと、己の六歳時を思わず振り返ってしまいました。
・連獅子
染五郎氏の前髪に初っぱな動揺。そうだよな、子獅子だから前髪あるんだよな…。子獅子は柔らかいながらも若々しく荒々しく、親獅子はゆったりしつつも威厳があってよかったんじゃないかなーと思います。幸四郎さんの汗と息が凄くて「お父さんがんばってー!」と本気で思ったりはしましたが…。
・大経師昔暦
後ろにいたお嬢さんたちの反応が楽しかった。「これで終わりなのー!?」って(笑) いや、私もそう思いましたが。歌舞伎の上演形態だとそういうの多いですよね。
しかし、忍んだ方も忍ばれた方も、確認しろよどっちか一人は…とか、言わなきゃバレないんじゃないの?とか、そういう突っ込みはなしなんだろうなぁ。
無茶な頼み事を無茶な相手にすんな!とかね。
・日向嶋景清
島流ししておきながらも景清が自分の元へ下るのを信じて待ってる辺り、源氏方も気が長いなぁと。見張りに行かされた部下二名は大変だったねと素で思いました。
・鞍馬山誉鷹
鷹之資くんの改名お披露目演目。もうなんというか場内の空気が温かいことこの上ない。俳優陣の口上に対しての拍手もそうだし、鷹之資くんの一挙一動を見守る視線もほんわかしている。歌舞伎や宝塚とか、先達が新しい人々を育てていく芸能ってのは「見守る」ことも一つの楽しみなんだなと改めて思った。
演目もお披露目にふさわしい感じ。齢六歳にしてきっちりと台詞言ってる鷹之資くんは偉いなと。この子、自分が今どういう立場なのかわかってるんだろうなぁと思うと、己の六歳時を思わず振り返ってしまいました。
・連獅子
染五郎氏の前髪に初っぱな動揺。そうだよな、子獅子だから前髪あるんだよな…。子獅子は柔らかいながらも若々しく荒々しく、親獅子はゆったりしつつも威厳があってよかったんじゃないかなーと思います。幸四郎さんの汗と息が凄くて「お父さんがんばってー!」と本気で思ったりはしましたが…。
・大経師昔暦
後ろにいたお嬢さんたちの反応が楽しかった。「これで終わりなのー!?」って(笑) いや、私もそう思いましたが。歌舞伎の上演形態だとそういうの多いですよね。
しかし、忍んだ方も忍ばれた方も、確認しろよどっちか一人は…とか、言わなきゃバレないんじゃないの?とか、そういう突っ込みはなしなんだろうなぁ。
無茶な頼み事を無茶な相手にすんな!とかね。
吉例顔見世大歌舞伎(昼の部) ― 2005年11月06日 11:00
@歌舞伎座
出がけにふー助さんが膝に鎮座。あまりに気持ちよさそうでつい動かせず、予定電車の2本後になってしまった(バカです)。間に合ったからいいんですが。朝ご飯代わりに「目出たい焼き」を買って、座席であぐあぐ。美味しかったです。
・息子
非常に現代劇っぽい演目。演劇のエチュードなんかでありそうだなー…と思って筋書き見たら、海外のお芝居を翻訳したものなのだそうです。なるほど。
染ちゃんの金太郎と歌六さんの老人(実は父親)の微妙な探り合いと思いやりが切なかったり。意味ありげに出てきた信二郎さんが案の定捕吏だったのはやっぱりなと。歌舞伎にはこういうのもあるんだー、と感心してしまった。
・熊谷陣屋
雀右衛門さんの相模の足取りがものすごくふらふらしていたのが演技なのか素なのか気になった。先月腰で休演してらっしゃるのでとても心配。個人的には左團次さんの弥陀六が良かったので満足。仁左衛門さんは立て札使って相模と藤の方を止める所と、敦盛討伐の様子を切々と語るところが迫力でした。個人的には「出家するくらいなら最初からすんな!」「出家するより前に嫁慰めてやれ!ショックなのは母の方だろう!」と思ったのですが、突っ込んじゃいかんのだろうなぁ。そうそう、最後に幕前に出てきた三味線の方が、台に片足乗せて弾いてるのが良かった。
・雨の五郎
吉右衛門さんですね。傘と衣裳が格好良かったです。踊りは私は詳しくないので良くわかりませんが、なんとなくぎこちなかったような…高下駄のせいなのか、29年ぶりのせいなのか。周りの若衆の殺陣やとんぼが決まってて格好良かったです。
・うかれ坊主
富十郎さんのとぼけた表情とコミカルな踊りがとても楽しかった。女性になったり虚無僧になったり、色々な役を次々にこなしていくのが退屈せずに良かったです。
ここの幕間でF嬢からメール。訃報を聞く(というか確認された)。慌てて携帯であちこちアクセスしたところ、本当らしい。同行してたW嬢共々言葉をなくす。とにかく残念。ご冥福を祈ります。
・人情噺文七元結
良かった!真面目なイメージの幸四郎さんなんですが、魚屋宗五郎も面白かったし、こういうちょっとダメな頑固オヤジが意外に合うのかも…と思いました。染ちゃんもヘタレな二枚目やらせたら天下一品だなと。身投げを止められて、身の上を語り、突然間違った方向に逆切れして素で「ええいいんですよ。あたしが死ねば丸く収まるんです」と真顔で立ち上がって川に飛び込もうとする辺りで爆笑してしまいました。場内も笑いっぱなしで盛り上がってたと思います。長兵衛(幸四郎さん)の嫁のお駒(秀太郎さん)のかかあ天下っぷりがまた素敵。結婚話と知った途端に目が光るやりてジジイ甚八(幸右衛門)の強引な場のまとめっぷりも好きだ。いつのまにか仲人やることになってるし(笑) 誰も悪人がいなくて、置屋の女将さんも主役も、両親も娘も、誰も彼もが皆善人。最後は大団円で拍手。気持ちよく終わってすっきり爽快でした。
外に出たら雨模様。涙雨なのか恵みの雨なのか。ちょっと切ない気持ちになりながら、もう一本お芝居を観に銀座小劇場へ向かいました。
出がけにふー助さんが膝に鎮座。あまりに気持ちよさそうでつい動かせず、予定電車の2本後になってしまった(バカです)。間に合ったからいいんですが。朝ご飯代わりに「目出たい焼き」を買って、座席であぐあぐ。美味しかったです。
・息子
非常に現代劇っぽい演目。演劇のエチュードなんかでありそうだなー…と思って筋書き見たら、海外のお芝居を翻訳したものなのだそうです。なるほど。
染ちゃんの金太郎と歌六さんの老人(実は父親)の微妙な探り合いと思いやりが切なかったり。意味ありげに出てきた信二郎さんが案の定捕吏だったのはやっぱりなと。歌舞伎にはこういうのもあるんだー、と感心してしまった。
・熊谷陣屋
雀右衛門さんの相模の足取りがものすごくふらふらしていたのが演技なのか素なのか気になった。先月腰で休演してらっしゃるのでとても心配。個人的には左團次さんの弥陀六が良かったので満足。仁左衛門さんは立て札使って相模と藤の方を止める所と、敦盛討伐の様子を切々と語るところが迫力でした。個人的には「出家するくらいなら最初からすんな!」「出家するより前に嫁慰めてやれ!ショックなのは母の方だろう!」と思ったのですが、突っ込んじゃいかんのだろうなぁ。そうそう、最後に幕前に出てきた三味線の方が、台に片足乗せて弾いてるのが良かった。
・雨の五郎
吉右衛門さんですね。傘と衣裳が格好良かったです。踊りは私は詳しくないので良くわかりませんが、なんとなくぎこちなかったような…高下駄のせいなのか、29年ぶりのせいなのか。周りの若衆の殺陣やとんぼが決まってて格好良かったです。
・うかれ坊主
富十郎さんのとぼけた表情とコミカルな踊りがとても楽しかった。女性になったり虚無僧になったり、色々な役を次々にこなしていくのが退屈せずに良かったです。
ここの幕間でF嬢からメール。訃報を聞く(というか確認された)。慌てて携帯であちこちアクセスしたところ、本当らしい。同行してたW嬢共々言葉をなくす。とにかく残念。ご冥福を祈ります。
・人情噺文七元結
良かった!真面目なイメージの幸四郎さんなんですが、魚屋宗五郎も面白かったし、こういうちょっとダメな頑固オヤジが意外に合うのかも…と思いました。染ちゃんもヘタレな二枚目やらせたら天下一品だなと。身投げを止められて、身の上を語り、突然間違った方向に逆切れして素で「ええいいんですよ。あたしが死ねば丸く収まるんです」と真顔で立ち上がって川に飛び込もうとする辺りで爆笑してしまいました。場内も笑いっぱなしで盛り上がってたと思います。長兵衛(幸四郎さん)の嫁のお駒(秀太郎さん)のかかあ天下っぷりがまた素敵。結婚話と知った途端に目が光るやりてジジイ甚八(幸右衛門)の強引な場のまとめっぷりも好きだ。いつのまにか仲人やることになってるし(笑) 誰も悪人がいなくて、置屋の女将さんも主役も、両親も娘も、誰も彼もが皆善人。最後は大団円で拍手。気持ちよく終わってすっきり爽快でした。
外に出たら雨模様。涙雨なのか恵みの雨なのか。ちょっと切ない気持ちになりながら、もう一本お芝居を観に銀座小劇場へ向かいました。
十月大歌舞伎(夜の部) ― 2005年10月15日 16:30
@歌舞伎座
夕べのパーティーでタクシー帰宅の上出勤という、歌舞伎見るのは最悪のコンディション。おかげで引窓前半の記憶がありません…くそう。
・双蝶々曲輪日記 引窓
ふと気づくと頭っから30分記憶がありませんでした。悔しい。でもその30分のおかげで残りはすっきり。
とにかく田之助さんの母お幸が素晴らしかった。息子を思う気持ちがビシビシ伝わってきて切ないことこの上ない。そして密かに左團次さん好きな私は濡髪長五郎の豪快な演技も嬉しかったです。菊五郎さんの兵衛・魁春さんのお早といい、色々な形で相手を思いやる、気持ちのこもったお芝居で良かった。
・日高川入相花王
人形浄瑠璃を人間が演じるという形で、「道成寺」の日高川を渡るシーンをやってくれました。解説に「人形振りをすることでおどろおどろしさが増す」とあって、見る前は「どんな感じなんだろう?」と思ってたんですが、見てびっくり。あの制限された動きで、無表情で演じるからこそ本当に怖い!怨念籠もってる感じで凄かったです。最初に口上なんかもあって面白かった。
そして玉三郎さんの動きがTVとかでたまに見かける浄瑠璃人形のあの動きそのまま。うはー、と思ってたらちゃんと口がカパーっと開いて化ける所も口だけマスクする形で表現したり、髪を振り乱すのもあのままやってくれました。凄い。般若面に龍の手の形(?)なんかされた日には本当に怖い。圧巻だったのは大蛇の化して川を渡り、最後に岸にたどり着くシーン。ここで初めて人形遣い(菊之助さん)から解放されて、人形が人間の動きになるんですが、桜の背景と、その木に巻き付く大蛇の動きのおぞましさ・美しさに感動してしまいました。場内大拍手・喝采。
船頭役だった薪車さんのいかにも「操り人形」な動きも素晴らしかったです。
・心中天網島 玩辞楼十二曲の内 河庄
上方和事独特の間と掛け合いが楽しかったです。雀右衛門が休演ということでものすご~く残念だったのですが、代役の翫雀さんが「情の深い女」を熱演されてて良かったと思います。でもちょっと恰幅が良すぎたような…。
鴈治郎さんの治兵衛の「ダメ男」っぷりが素晴らしかった。ほんっとダメな男なのにどこか憎めない。そういう男だからこそ惚れてしまった小春の気持ちがわかるようなわからないような。苦労性のお兄さん孫右衛門@我當さんも、良かったなぁ。この兄弟の掛け合いはほんっと楽しかった。
そうそう、最初に出てきた丁稚三五郎@壱太郎くんが場内の笑いを浚ってました。いい味出してます。
上方和事はあまり見たことないのですが、どれもいい意味での俗っぽさがあって好きです。もっと色々見たいと思いました。日々勉強。
夕べのパーティーでタクシー帰宅の上出勤という、歌舞伎見るのは最悪のコンディション。おかげで引窓前半の記憶がありません…くそう。
・双蝶々曲輪日記 引窓
ふと気づくと頭っから30分記憶がありませんでした。悔しい。でもその30分のおかげで残りはすっきり。
とにかく田之助さんの母お幸が素晴らしかった。息子を思う気持ちがビシビシ伝わってきて切ないことこの上ない。そして密かに左團次さん好きな私は濡髪長五郎の豪快な演技も嬉しかったです。菊五郎さんの兵衛・魁春さんのお早といい、色々な形で相手を思いやる、気持ちのこもったお芝居で良かった。
・日高川入相花王
人形浄瑠璃を人間が演じるという形で、「道成寺」の日高川を渡るシーンをやってくれました。解説に「人形振りをすることでおどろおどろしさが増す」とあって、見る前は「どんな感じなんだろう?」と思ってたんですが、見てびっくり。あの制限された動きで、無表情で演じるからこそ本当に怖い!怨念籠もってる感じで凄かったです。最初に口上なんかもあって面白かった。
そして玉三郎さんの動きがTVとかでたまに見かける浄瑠璃人形のあの動きそのまま。うはー、と思ってたらちゃんと口がカパーっと開いて化ける所も口だけマスクする形で表現したり、髪を振り乱すのもあのままやってくれました。凄い。般若面に龍の手の形(?)なんかされた日には本当に怖い。圧巻だったのは大蛇の化して川を渡り、最後に岸にたどり着くシーン。ここで初めて人形遣い(菊之助さん)から解放されて、人形が人間の動きになるんですが、桜の背景と、その木に巻き付く大蛇の動きのおぞましさ・美しさに感動してしまいました。場内大拍手・喝采。
船頭役だった薪車さんのいかにも「操り人形」な動きも素晴らしかったです。
・心中天網島 玩辞楼十二曲の内 河庄
上方和事独特の間と掛け合いが楽しかったです。雀右衛門が休演ということでものすご~く残念だったのですが、代役の翫雀さんが「情の深い女」を熱演されてて良かったと思います。でもちょっと恰幅が良すぎたような…。
鴈治郎さんの治兵衛の「ダメ男」っぷりが素晴らしかった。ほんっとダメな男なのにどこか憎めない。そういう男だからこそ惚れてしまった小春の気持ちがわかるようなわからないような。苦労性のお兄さん孫右衛門@我當さんも、良かったなぁ。この兄弟の掛け合いはほんっと楽しかった。
そうそう、最初に出てきた丁稚三五郎@壱太郎くんが場内の笑いを浚ってました。いい味出してます。
上方和事はあまり見たことないのですが、どれもいい意味での俗っぽさがあって好きです。もっと色々見たいと思いました。日々勉強。
最近のコメント