東宝ミュージカル「マイ・フェア・レディ」(450回) ― 2005年11月12日 17:00
@帝国劇場
初マイフェアで、初真央さんでした。
なんというか、悪人が誰もいなくて、素直に楽しめて、最後までハッピーなミュージカルでいいなぁと。真央さんのお衣裳がうっすらと記憶にあるヘップバーンの映画とかなり近いようでそれもまた観劇。「運がよけりゃ」がこのミュージカルの曲だったことを改めて思い出しました。
出演者はみなさん楽しそうで、見てるこっちも楽しくなりました。
石井さんのヒギンズ教授がかなりツボ。いい感じな頑固っぷり、偏屈っぷりとだだっ子のような雰囲気が混ざり合ってナイスキャラクター。イライザに去られて、頭真っ白になった瞬間に出る言葉が「おかーさーん!?」なとこもグーです。暑苦しい役もいいですが、こういう役も合ってますね。あ、でも見た目ダンディなのに中身は熱血教師の金八先生だった気がしないでも…やっぱり熱い男なことに変わりはないのか(笑)
浦井くんのぼっちゃんぼっちゃんして、あのまま結婚してたら一生イライザに翻弄されたであろう(でも翻弄されてることすら気づかずに終わったであろう)フレディも可愛らしくて良かった。彼の素直な歌い方と声質がとても好きです。
そして上條さんの「おとっつぁん」が本当に素敵。彼を中心とした町の人々や酔っぱらいの合唱曲はみんな好きだ。
終演後は真央さん主演450回達成記念の特別カテコ。
治パパの司会でケーキが出たり、花束贈呈したり、看板が下りてきたり。15年間サイズが変わらない真央さんてすげー!とか。
春風ひとみさんがヅカ出身なのは知ってましたが、月組出身で真央さん現役時代に組子だったとは知りませんでした。
「真央さんの退団公演の時に大階段の下で彼女をお迎えし、今回またこういうかたちで階段の下(セットに螺旋階段があります)でお迎えできることが本当に嬉しい」と涙ぐまれたコメントに、こちらも涙。それに続いた浦井くんももらい泣き(笑)
宝塚の組子関係って私には想像つかない強いつながりがあると思うので、言葉にできない感情があったろうなと。特に6期違いくらいで、相手がトップさんだったら本当に「憧れの先輩」だもんなぁ。大スターなわけだし。逆に大先輩の月丘さんのコメントは、真央さんが神妙な表情でかみしめるように聞いている姿が印象的でした。関係ないですが月丘さんて春日野八千代さんの相手役だったのか!すごい!
そんなこんなで楽しかった3時間半。こんなハッピーなミュージカルならもう一度みたいな、と思いました。
初マイフェアで、初真央さんでした。
なんというか、悪人が誰もいなくて、素直に楽しめて、最後までハッピーなミュージカルでいいなぁと。真央さんのお衣裳がうっすらと記憶にあるヘップバーンの映画とかなり近いようでそれもまた観劇。「運がよけりゃ」がこのミュージカルの曲だったことを改めて思い出しました。
出演者はみなさん楽しそうで、見てるこっちも楽しくなりました。
石井さんのヒギンズ教授がかなりツボ。いい感じな頑固っぷり、偏屈っぷりとだだっ子のような雰囲気が混ざり合ってナイスキャラクター。イライザに去られて、頭真っ白になった瞬間に出る言葉が「おかーさーん!?」なとこもグーです。暑苦しい役もいいですが、こういう役も合ってますね。あ、でも見た目ダンディなのに中身は熱血教師の金八先生だった気がしないでも…やっぱり熱い男なことに変わりはないのか(笑)
浦井くんのぼっちゃんぼっちゃんして、あのまま結婚してたら一生イライザに翻弄されたであろう(でも翻弄されてることすら気づかずに終わったであろう)フレディも可愛らしくて良かった。彼の素直な歌い方と声質がとても好きです。
そして上條さんの「おとっつぁん」が本当に素敵。彼を中心とした町の人々や酔っぱらいの合唱曲はみんな好きだ。
終演後は真央さん主演450回達成記念の特別カテコ。
治パパの司会でケーキが出たり、花束贈呈したり、看板が下りてきたり。15年間サイズが変わらない真央さんてすげー!とか。
春風ひとみさんがヅカ出身なのは知ってましたが、月組出身で真央さん現役時代に組子だったとは知りませんでした。
「真央さんの退団公演の時に大階段の下で彼女をお迎えし、今回またこういうかたちで階段の下(セットに螺旋階段があります)でお迎えできることが本当に嬉しい」と涙ぐまれたコメントに、こちらも涙。それに続いた浦井くんももらい泣き(笑)
宝塚の組子関係って私には想像つかない強いつながりがあると思うので、言葉にできない感情があったろうなと。特に6期違いくらいで、相手がトップさんだったら本当に「憧れの先輩」だもんなぁ。大スターなわけだし。逆に大先輩の月丘さんのコメントは、真央さんが神妙な表情でかみしめるように聞いている姿が印象的でした。関係ないですが月丘さんて春日野八千代さんの相手役だったのか!すごい!
そんなこんなで楽しかった3時間半。こんなハッピーなミュージカルならもう一度みたいな、と思いました。
クラシカルミュージカル「眠らない音」(千秋楽) ― 2005年10月16日 12:00
@青山劇場
うーん、なんと言ったらいいか。「ミュージカル」と称されてはいますが、個人的には「宝塚のショーのストーリー仕立て部分をクローズアップ」って感じに受け止めました。トップスター姿月あさと・専科から降臨岡幸二郎でWトップ状態、みたいな(笑)
ストーリーは大まかには「感受性が鋭くなりすぎて、「音」から「思い」までを感じるようになった詩人が、人の心の醜さや重さに耐えられなくなり、詞を書くこと・感じることを放棄。しかし、月の光に様々な国に住む様々な人々の物語を見せられるうちに再び心を開いていく。最後は身近に居た小さな人の「願い」に気づき、それを叶えようと再び詞に自らと人々の「想い」を書き連ねるのであった」みたいな感じでしょうか。
その様々な物語の一つ一つが歌と踊りで表現され、合間に詩人と月の語りが入るという構成。死刑を待つ囚人の最後の夢、砂漠を彷徨う旅人と盗賊の夢と現実、煙突掃除の少年の話、村の娘と修行の旅を続ける僧侶の禁断の恋等々。例に挙げた4つの物語は中でも特に印象的だったもの。姿月さんが唯一「女性」として出てきて、唯一岡さんが「月」から離れた僧侶と恋に落ちる話は一番インパクトが強かった。祈りの言葉のようなフレーズで始まる村娘たちのダンスと、非常にストイックな表情の僧侶が出会った瞬間恋に落ちて表情が変わる辺りが良かったなぁ。岡さんのお顔がああいうお顔なだけに、メイクと衣裳を押さえめにすると「ストイック」とか「苦悩」が似合うんだ。また、赤いスカートでふわふわロングヘアーの姿月さんがかわゆいかわゆい(笑)
月と詩人のパートでは、月に向かって「あなたは恵まれている。人々は皆あなたに祈りを捧げるんだ」と言い放った詩人に「私が祈る相手は誰もいない」と、月が姿を消す辺りがインパクトあった。舞台セットも結構好みです。衣裳も凝ってて良かったと思う。
ただ、肝心な「詞」が曲に乗ってない印象。なんていうんだろう、聞いていて耳にスムーズに入ってこなくて、ゴツゴツした感じに聞こえる。濁音がやたらに多いからなのかなぁ。「絶対音感がー」とか。あと文字数を詰め込みすぎて、メロディが響かない感じ。曲がクラシックを使っていてとてもメロディが美しい分、詞とのバランスが悪かったように思います。(詞の内容がどうとかじゃなく、あくまで「聞こえ方」の印象ね)
それからオケがいるんだーと思って「流石クラシカルミュージカル!」と思って期待していたら、肝心のクラシック曲部分が全て録音でがっかり。もっとオケの人数いると思ってたらオケではなく「バンド」でした。予算的なこととか色々あるとは思うんですが、こういう試みをして「クラシック音楽」を全面に出すならやっぱり生オケ使ってほしかったです。
出演者。
姿月さん。生ずんこさんは初めてでした。音域が広い方だなーという印象。個人的には低音部分の方が聞きやすく、抜ける感じで好きです。高音は逆に歌詞が聞き取りにくくなってしまう所がありました。それから表現の仕方が面白い方だなぁと。「コメディアン」なんかの歌、こういう歌い方も出来る方なんだーと感心してしまいました。出ずっぱり、歌いっぱなしでお疲れ様でした。
岡さん。久々に絶好調全開でぶっ放してる歌声の岡さんを見た気がします。2幕のソロなんかどれも最高。裏声に切り替えるときにミスってた曲があったような気がしましたが気にしない。月の衣裳がただでさえ長身の上にオブジェみたいなのが付いて推定2m越えしてたような…。僧侶の衣裳とシーンが大好きです。
アンサンブルは皆様芸達者で素晴らしかったのですが、中でも藤林美沙さんが印象に残りました。初っぱなの「死刑囚」のシーンでのデュエットダンスの美しさ、アンソニーに恋する身分違いの女のソロ、煙突掃除のタップと魅せてくださいました!
それからダンサーの森山開次さん。いやー、凄い動きで何かを連想する…と思って考えてみたら「ジョジョ」シリーズの戦闘シーンなんかの動きでした。(ご、ごめんなさい) 身体表現だけであれだけ色々なものを見せられるって凄いですね。筋肉一つ一つが別な生き物みたいでした。
纏めての感想というと、たまにはこういうのも面白いなーとは思いつつ、得チケで良かったかな…と。(すいませんすいません) 生オケだったら1万出しても良かったんですが、これで1万はちょっと悩みます。また「クラシカルミュージカル」企画があるなら、ぜひ今度は生オケで。
うーん、なんと言ったらいいか。「ミュージカル」と称されてはいますが、個人的には「宝塚のショーのストーリー仕立て部分をクローズアップ」って感じに受け止めました。トップスター姿月あさと・専科から降臨岡幸二郎でWトップ状態、みたいな(笑)
ストーリーは大まかには「感受性が鋭くなりすぎて、「音」から「思い」までを感じるようになった詩人が、人の心の醜さや重さに耐えられなくなり、詞を書くこと・感じることを放棄。しかし、月の光に様々な国に住む様々な人々の物語を見せられるうちに再び心を開いていく。最後は身近に居た小さな人の「願い」に気づき、それを叶えようと再び詞に自らと人々の「想い」を書き連ねるのであった」みたいな感じでしょうか。
その様々な物語の一つ一つが歌と踊りで表現され、合間に詩人と月の語りが入るという構成。死刑を待つ囚人の最後の夢、砂漠を彷徨う旅人と盗賊の夢と現実、煙突掃除の少年の話、村の娘と修行の旅を続ける僧侶の禁断の恋等々。例に挙げた4つの物語は中でも特に印象的だったもの。姿月さんが唯一「女性」として出てきて、唯一岡さんが「月」から離れた僧侶と恋に落ちる話は一番インパクトが強かった。祈りの言葉のようなフレーズで始まる村娘たちのダンスと、非常にストイックな表情の僧侶が出会った瞬間恋に落ちて表情が変わる辺りが良かったなぁ。岡さんのお顔がああいうお顔なだけに、メイクと衣裳を押さえめにすると「ストイック」とか「苦悩」が似合うんだ。また、赤いスカートでふわふわロングヘアーの姿月さんがかわゆいかわゆい(笑)
月と詩人のパートでは、月に向かって「あなたは恵まれている。人々は皆あなたに祈りを捧げるんだ」と言い放った詩人に「私が祈る相手は誰もいない」と、月が姿を消す辺りがインパクトあった。舞台セットも結構好みです。衣裳も凝ってて良かったと思う。
ただ、肝心な「詞」が曲に乗ってない印象。なんていうんだろう、聞いていて耳にスムーズに入ってこなくて、ゴツゴツした感じに聞こえる。濁音がやたらに多いからなのかなぁ。「絶対音感がー」とか。あと文字数を詰め込みすぎて、メロディが響かない感じ。曲がクラシックを使っていてとてもメロディが美しい分、詞とのバランスが悪かったように思います。(詞の内容がどうとかじゃなく、あくまで「聞こえ方」の印象ね)
それからオケがいるんだーと思って「流石クラシカルミュージカル!」と思って期待していたら、肝心のクラシック曲部分が全て録音でがっかり。もっとオケの人数いると思ってたらオケではなく「バンド」でした。予算的なこととか色々あるとは思うんですが、こういう試みをして「クラシック音楽」を全面に出すならやっぱり生オケ使ってほしかったです。
出演者。
姿月さん。生ずんこさんは初めてでした。音域が広い方だなーという印象。個人的には低音部分の方が聞きやすく、抜ける感じで好きです。高音は逆に歌詞が聞き取りにくくなってしまう所がありました。それから表現の仕方が面白い方だなぁと。「コメディアン」なんかの歌、こういう歌い方も出来る方なんだーと感心してしまいました。出ずっぱり、歌いっぱなしでお疲れ様でした。
岡さん。久々に絶好調全開でぶっ放してる歌声の岡さんを見た気がします。2幕のソロなんかどれも最高。裏声に切り替えるときにミスってた曲があったような気がしましたが気にしない。月の衣裳がただでさえ長身の上にオブジェみたいなのが付いて推定2m越えしてたような…。僧侶の衣裳とシーンが大好きです。
アンサンブルは皆様芸達者で素晴らしかったのですが、中でも藤林美沙さんが印象に残りました。初っぱなの「死刑囚」のシーンでのデュエットダンスの美しさ、アンソニーに恋する身分違いの女のソロ、煙突掃除のタップと魅せてくださいました!
それからダンサーの森山開次さん。いやー、凄い動きで何かを連想する…と思って考えてみたら「ジョジョ」シリーズの戦闘シーンなんかの動きでした。(ご、ごめんなさい) 身体表現だけであれだけ色々なものを見せられるって凄いですね。筋肉一つ一つが別な生き物みたいでした。
纏めての感想というと、たまにはこういうのも面白いなーとは思いつつ、得チケで良かったかな…と。(すいませんすいません) 生オケだったら1万出しても良かったんですが、これで1万はちょっと悩みます。また「クラシカルミュージカル」企画があるなら、ぜひ今度は生オケで。
東宝ミュージカル「モーツァルト!」(7/24M・8/15M) ― 2005年08月15日 14:44
@帝国劇場(7/23M&8/15M)
CAST:
7/23M
ヴォルフガング:井上芳雄
コンスタンツェ:西田ひかる
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:久世星佳
アマデ:高橋愛子
8/15M
ヴォルフガング:中川晃教
コンスタンツェ:木村佳乃
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
アマデ:黒沢ともよ
というわけで、とりあえず2005年キャストは制覇しました。(除・アマデ)
初演は見てないので今回初見です。
感想としては、「すごくいいけどあんまりリピートはしないだろうな」かな。同じ作者のミュージカルなら「エリザベート」のが何度も見たいかも。
というのはですね、ストーリー自体の出来があんまり良くない気がするんですよ。(すいません。ほんっとすいません)なんていうんだろう。あちこち複線貼りまくって回収しきれてない推理小説みたいな。
プロローグとエピローグが繋がってないから、「墓曝きな人々の意味は何しに出てきたんだろう。オチには関わらないの?」とか、ナンネールとの確執(?)も半端で、最後にヴォルフ発見したときの心の動きも由美子嬢の演技任せだし。ドラマ感が薄いのかなぁ。
あ、でも曲は好きです。特に合唱曲全般大好き。あと始まり方好きですね。最初の墓曝きチーム登場の後…「奇跡の子」ですか?15日に見た時なんか思わず涙腺が緩んでしまうほどに(笑)ああいう曲調で迫力ある歌には弱いんです…同じ理由で「モーツァルト! モーツァルト!」「影を逃れて」「ここはウィーン」辺りも大好きです。
キャスト別の感想だと、やっぱりヴォルフ二人のキャラクターの違いがでかいなーと思いました。で、どっちか選べと言われたら井上ヴォルフ。
こっから先は個人的好みの話しになってしまうんですが、なんで井上ヴォルフかと申しますと、彼のヴォルフが「天才とダメな人」を常に行き来してる脆いヴォルフ(と感じた)からなのかなと。アッキーヴォルフはナチュラルすぎて、天真爛漫すぎて、アマデとの間に差を感じないんですよね。ナチュラルに傲慢。
顕著に差を感じたのがナンネールにお金を送ろうとしている矢先に曲が出来て、そのお金を友人にあげてしまうシーン。
あっきーの場合は感情の流れがとってもナチュラル。無邪気な子供が気まぐれでそういう行動をするように見えるから、決して不可解じゃない。
でも井上ヴォルフ見たときはあのシーンすごく「え?」って思ったんですよ。初回だからってだけではないと思う。全体的に井上ヴォルフは結構普通の人っぽいところがあって、お姉ちゃんとイチャイチャするのも堂に入ってる(笑)し、コンスタンツェに対する態度もごく普通の男っぽい。それがふとした瞬間に「天才」の一面が垣間見えて、そのギャップというか歪みにゾッとしたわけです。大人なのに子供の一面を持つヴォルフと、子供(の姿)でありながら時に大人びた表情のアマデ。書かずにいられない衝動と、自堕落な生活をしていたい普通の男としての願望。実際には一人の人間感情であるそれを、二人が演じ、舞台上で交錯してぶつかり合って生まれる「歪み」。だから一幕ラストの「チャイルド・プレイ」(違)なアマデが怖い怖い。
彼女とイチャイチャしてても、落ち込んでいても、頭のどこかで常に音楽が湧き出るヴォルフの宿命というか、その湧き出る音楽に飲み込まれていく様子というか。ついでに高音きつそうでいっぱいっぱい感もそれを増幅してて良かったです(笑)
対してあっきーヴォルフはアマデとの一体感が強かったな。なので、ラストも「飲み込まれた」というよりは「受け入れた」という印象を受けました。高音も楽々出てて、余裕があって、天真爛漫で天才そのものなあっきーヴォルフ。だからこそ、私的には物語としてのインパクトが感じられませんでした。コンスとのシーンも生々しさがなくて子供のままごとみたいというか、それがまた「らしい」というか。まあ、これは相手が木村嬢だったからかもですが。
でも曲のメロディの美しさはあっきーのが伝わってきたな。ただ、個人的な好き好きでいえば、あっきーはM!よりもSHIROHのが好き。
コンスタンツェは私的には西田さん圧勝です。木村嬢可愛いんだけど、いかんせんソロ曲キツすぎです…。歌もダンスもキツかった。デュエット曲はいい感じだったんだけどなぁ。声量なくてところどころ歌詞が聞き取れなかったのはもうちょっとPAさんの技術力でどうにかならなかったのだろうか。松さん(サイゴンやった後で)が見てみたかったなー。
男爵夫人はどちらも素敵でした~。久世さんは温かい、ヴォルフを見守ってる感が強くて、香寿さんは華やかでいかにも社交界の人って感じ。久世さんはどっかこう、世間を超越しちゃってる雰囲気だったけど、香寿さんは「社交界の華はアタクシしかいませんわよ!」みたいな。(これで伝わるかしら…)
「星から降る金」はいい曲ですね。香寿さんの台詞と歌の声のトーンが不思議な響きで耳に残りました。
アマデはどちらもすごい!子役がやる役としては最高難度に近いんじゃないかしら?高橋アマデは愛くるしい顔なんですが目が冷めてる雰囲気なのが良くて、黒沢アマデは一幕ラストで「書きたい!でもインクない!書けない!」ってなった瞬間の表情の変わり方が怖くて良かった。目が大きいからギョロっと剥かれると怖いんですね。他の2人のアマデも見たかったなー。気づくと私、オペラグラスでアマデばっかり見てましたよ…とほ。
市村さん、高橋嬢は安定感抜群。市村さんは相変わらず滑舌がいまいちで、歌詞聞き取れない部分も大きかったのですが、それもまあ「いいか」と思えるくらい良かった。高橋嬢はオープニングで子役に見えるとこがすげぇ。後、今回も最後にヴォルフ見つけてそのナンネールの表情のまま合唱してましたね。その表情に泣かされてしまった…。だって一人だけ生々しいんだもん。
吉野さんはハマってたなー。これ見ていのうえさんが重ちゃん振ったってのが良くわかる。15日はかなり声がお疲れ気味な感じでしたが、踊りは元気いっぱいでした。素敵。
山口さんは…すいません、初めて山口さんみて「かっけー!」と思いました。バーンと出てきてドーンと歌ってザーッと去っていく役のがインパクトあっていいですね。「神よ、何故許される」は一路さんのコンサートで見たUWEのイメージが強くて、ドイツ語のリズムが頭に入ってたんですが、日本語だとまた随分雰囲気が変わるもんですね。ラストのウィスパーボイスから一気に爆発するあの辺とか、「人の脳より自分の肺の謎を解け!」と思いました。
あとですね、エリザの時からなんですが、砂川直人さんと秋園美緒さんがとても好きです。9月も楽しみです。
そんなこんなで好き勝手言ってますが、結構好きです。
時間とお金があったら逆パターンの組み合わせも見たかったな。
CAST:
7/23M
ヴォルフガング:井上芳雄
コンスタンツェ:西田ひかる
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:久世星佳
アマデ:高橋愛子
8/15M
ヴォルフガング:中川晃教
コンスタンツェ:木村佳乃
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
アマデ:黒沢ともよ
というわけで、とりあえず2005年キャストは制覇しました。(除・アマデ)
初演は見てないので今回初見です。
感想としては、「すごくいいけどあんまりリピートはしないだろうな」かな。同じ作者のミュージカルなら「エリザベート」のが何度も見たいかも。
というのはですね、ストーリー自体の出来があんまり良くない気がするんですよ。(すいません。ほんっとすいません)なんていうんだろう。あちこち複線貼りまくって回収しきれてない推理小説みたいな。
プロローグとエピローグが繋がってないから、「墓曝きな人々の意味は何しに出てきたんだろう。オチには関わらないの?」とか、ナンネールとの確執(?)も半端で、最後にヴォルフ発見したときの心の動きも由美子嬢の演技任せだし。ドラマ感が薄いのかなぁ。
あ、でも曲は好きです。特に合唱曲全般大好き。あと始まり方好きですね。最初の墓曝きチーム登場の後…「奇跡の子」ですか?15日に見た時なんか思わず涙腺が緩んでしまうほどに(笑)ああいう曲調で迫力ある歌には弱いんです…同じ理由で「モーツァルト! モーツァルト!」「影を逃れて」「ここはウィーン」辺りも大好きです。
キャスト別の感想だと、やっぱりヴォルフ二人のキャラクターの違いがでかいなーと思いました。で、どっちか選べと言われたら井上ヴォルフ。
こっから先は個人的好みの話しになってしまうんですが、なんで井上ヴォルフかと申しますと、彼のヴォルフが「天才とダメな人」を常に行き来してる脆いヴォルフ(と感じた)からなのかなと。アッキーヴォルフはナチュラルすぎて、天真爛漫すぎて、アマデとの間に差を感じないんですよね。ナチュラルに傲慢。
顕著に差を感じたのがナンネールにお金を送ろうとしている矢先に曲が出来て、そのお金を友人にあげてしまうシーン。
あっきーの場合は感情の流れがとってもナチュラル。無邪気な子供が気まぐれでそういう行動をするように見えるから、決して不可解じゃない。
でも井上ヴォルフ見たときはあのシーンすごく「え?」って思ったんですよ。初回だからってだけではないと思う。全体的に井上ヴォルフは結構普通の人っぽいところがあって、お姉ちゃんとイチャイチャするのも堂に入ってる(笑)し、コンスタンツェに対する態度もごく普通の男っぽい。それがふとした瞬間に「天才」の一面が垣間見えて、そのギャップというか歪みにゾッとしたわけです。大人なのに子供の一面を持つヴォルフと、子供(の姿)でありながら時に大人びた表情のアマデ。書かずにいられない衝動と、自堕落な生活をしていたい普通の男としての願望。実際には一人の人間感情であるそれを、二人が演じ、舞台上で交錯してぶつかり合って生まれる「歪み」。だから一幕ラストの「チャイルド・プレイ」(違)なアマデが怖い怖い。
彼女とイチャイチャしてても、落ち込んでいても、頭のどこかで常に音楽が湧き出るヴォルフの宿命というか、その湧き出る音楽に飲み込まれていく様子というか。ついでに高音きつそうでいっぱいっぱい感もそれを増幅してて良かったです(笑)
対してあっきーヴォルフはアマデとの一体感が強かったな。なので、ラストも「飲み込まれた」というよりは「受け入れた」という印象を受けました。高音も楽々出てて、余裕があって、天真爛漫で天才そのものなあっきーヴォルフ。だからこそ、私的には物語としてのインパクトが感じられませんでした。コンスとのシーンも生々しさがなくて子供のままごとみたいというか、それがまた「らしい」というか。まあ、これは相手が木村嬢だったからかもですが。
でも曲のメロディの美しさはあっきーのが伝わってきたな。ただ、個人的な好き好きでいえば、あっきーはM!よりもSHIROHのが好き。
コンスタンツェは私的には西田さん圧勝です。木村嬢可愛いんだけど、いかんせんソロ曲キツすぎです…。歌もダンスもキツかった。デュエット曲はいい感じだったんだけどなぁ。声量なくてところどころ歌詞が聞き取れなかったのはもうちょっとPAさんの技術力でどうにかならなかったのだろうか。松さん(サイゴンやった後で)が見てみたかったなー。
男爵夫人はどちらも素敵でした~。久世さんは温かい、ヴォルフを見守ってる感が強くて、香寿さんは華やかでいかにも社交界の人って感じ。久世さんはどっかこう、世間を超越しちゃってる雰囲気だったけど、香寿さんは「社交界の華はアタクシしかいませんわよ!」みたいな。(これで伝わるかしら…)
「星から降る金」はいい曲ですね。香寿さんの台詞と歌の声のトーンが不思議な響きで耳に残りました。
アマデはどちらもすごい!子役がやる役としては最高難度に近いんじゃないかしら?高橋アマデは愛くるしい顔なんですが目が冷めてる雰囲気なのが良くて、黒沢アマデは一幕ラストで「書きたい!でもインクない!書けない!」ってなった瞬間の表情の変わり方が怖くて良かった。目が大きいからギョロっと剥かれると怖いんですね。他の2人のアマデも見たかったなー。気づくと私、オペラグラスでアマデばっかり見てましたよ…とほ。
市村さん、高橋嬢は安定感抜群。市村さんは相変わらず滑舌がいまいちで、歌詞聞き取れない部分も大きかったのですが、それもまあ「いいか」と思えるくらい良かった。高橋嬢はオープニングで子役に見えるとこがすげぇ。後、今回も最後にヴォルフ見つけてそのナンネールの表情のまま合唱してましたね。その表情に泣かされてしまった…。だって一人だけ生々しいんだもん。
吉野さんはハマってたなー。これ見ていのうえさんが重ちゃん振ったってのが良くわかる。15日はかなり声がお疲れ気味な感じでしたが、踊りは元気いっぱいでした。素敵。
山口さんは…すいません、初めて山口さんみて「かっけー!」と思いました。バーンと出てきてドーンと歌ってザーッと去っていく役のがインパクトあっていいですね。「神よ、何故許される」は一路さんのコンサートで見たUWEのイメージが強くて、ドイツ語のリズムが頭に入ってたんですが、日本語だとまた随分雰囲気が変わるもんですね。ラストのウィスパーボイスから一気に爆発するあの辺とか、「人の脳より自分の肺の謎を解け!」と思いました。
あとですね、エリザの時からなんですが、砂川直人さんと秋園美緒さんがとても好きです。9月も楽しみです。
そんなこんなで好き勝手言ってますが、結構好きです。
時間とお金があったら逆パターンの組み合わせも見たかったな。
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