箱根強羅ホテル(マチネ)2005年06月05日 15:15

@新国立劇場(マチネ)

出演:
内野聖陽
段田安則
大鷹明良
酒向 芳
藤木 孝
辻 萬長
麻実れい
梅沢昌代
中村美貴
吉田 舞
平澤由美

いやー、面白かった。大人向けのコメディというか。
まさか生オケ(バンド)いるとは思わなかったから非常に驚きました。昭和20年4~5月が舞台ということでオケの皆様も衣裳付。胸に名前書いてあったりしました。

男性陣全員がスパイというのはなんとなく読めた筋だったし、麻美さん演じる智恵子が内野さん演じる国枝の癖を気にした辺りで二人に何か関係があることもわかるし、内容的にはとてもわかりやすいストーリー。でも現代に生きる私たちはその5月以降の日本で何が起こったかわかっているわけで。
無茶苦茶な作戦を立てる軍部やそれを信じきってる陸海の軍人を笑いながら、でもこれが現実だったんだと思うと素直に笑えない何かもあったり。現代ならコメディになってしまう作戦を、当時はいい大人が真剣に論議してたんだと考えると、戦争というものは本当に一種の集団トランス状態なんだと改めて思いました。
一番シュールだったのは梅沢さん演じるおばちゃん@財界のスパイの「今は工場が焼かれ、職人を兵役に取られて儲からない。でも戦争が終われば戦後復興で大儲けできる。だから終わらせたいらしいよ」って言葉でしょうか。いつの時代も軍事産業が儲かるから戦争はなくならないんだよなぁ。

役者陣。
内野さんと段田さんの運動量が素晴らしかった。どちらも身体のキレが良くて、見ていて楽しい。特に内野さんはロープ降下まで披露して下さってお疲れさまでした。あれ、大変なんだよね…。江戸っ子もどきも似合ってました。写真で見て「げ」と思った髪形も良かったと思います。登場シーンの運動量がまた凄かったなぁ。

藤木さんは次の「プロデューサーズ」のイメージがなんとなく浮かんできました(笑) 後半のシリアスモードも「デモクラシー」の時と全然違っていて凄いなと。この方も動きのキレがいい方だなぁと思いました。

段田さんは近眼演技が最高でした。何を演じても本当にお上手な方だなと思います。どうでもいいですが陸軍中野学校と言われる度に「陸軍中野予備校」を思い出してニマニマしてしまいました。

酒向さん・大鷹さんは凸凹な感じでまずは掴みオッケー。陸軍と海軍のコンビもまたよし。典型的な軍人が変わってく感じも不自然なくてやっぱり凄いなぁと。大鷹さんの「暗号歌」への拘りが好きでした。

三人娘。平澤さんはやっぱり日本人ぽくなかったような…。でもあのダイナマイトなジジさんが見事に「少女」になってて、役者って凄(以下略)。基本的に三人一組だったんですが、それが妙にB級アイドル感を醸し出しているというか…ぶっちゃけ好きです(笑)

辻さんはこの雑多な人々を上手く緩和する存在でいい味を出してらっしゃいました。すごく普通な人。その普通の人感が良かったです。

麻実さん。舞台を拝見するのは初めてでしたが、歌が多いせいか非常に「ヅカ」な雰囲気でした。特に歌い方としぐさ。背がお高いのでトレンチコートが似合っていていいっすね!

舞台セットの雰囲気がとても好きだったのと、歌のシーンがいかにも「ミュージカル」ではなく、普通の人が普通に楽しく歌ってる感が出てていいなぁと思いました。パンフレットが800円なのも有り難かったです。そうそう、パンフに入ってる「作者の言葉」が折り込みな辺りに現場の切迫感が滲み出ていて切ない気持ちになりました。井上先生……

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