東宝ミュージカル「エリザベート」(千秋楽) ― 2005年09月30日 13:00
@帝国劇場
CAST(Wキャストのみ):
トート 内野聖陽
フランツ 鈴木綜馬
ルドルフ 井上芳雄
ちびルド 苫篠和馬
2005エリザもとうとう終わってしまいました…(T_T)
最後の最後が今回一番の良席。双眼鏡なくても役者さんの表情がはっきり見えて幸せです。開演前から客席の緊張感がすごくて、「ああ、千秋楽なんだなー」って感じ。
本編は噂で聞いていた通り高嶋ルキーニの足が調子悪そうでした。チビルドくんを抱き上げたりといった、下半身に負担がかかるアクションはなし。バートイシュルではシシィが台車を押してきて、ルキーニに向かって「あなたが運ぶものでしょ!なんで私が押してるのよ!」みたいなジェスチャーで怒ってました(笑)いや、これ可愛かったです。その後もステージに寝たり、「♪結論から申しますと~~~」で手を握らせる動きはなし。
キッチュの客席降りもなし。ミルクはかろうじて上半身でステップ踏んでる感じでした。
カテコで発覚したのですが、実はかなりの大怪我をされたそうで(左足っぽいかな~)、本来だったら歩いてはいけないくらいの状況だったそうです。役者さんてすごいというか、ほんっとに大変なお仕事だと改めて思いました。
内野トートは今回もしみじみしながら聴いてしまいました。最後のダンスとか上手くなったよなぁと。歌いきった瞬間に割れんばかりの拍手でショーストップ。全体的にとても丁寧に演じてらして見ていてすんなりと世界に入れた感じでした。
印象的だったのは「闇が広がる」の「♪皇帝ルドルフは立ち上る~」の部分の表情。トートに乗せられて(?)野心を持った感じの井上ルドに対し、ニヤリと悪魔的微笑のトート閣下。その並びがとても良かった。
井上ルドは初日よりもぐっと安定したなと。相変わらず孤独で悲しい。「ママは僕の鏡だから」の表情が、初日よりももっと狂気に近い印象でした。正気に繋がる最後の糸にしがみついているようで、正気を手放す=自由=死=安らぎであるなら、安らげなくてもいいから助けて欲しい…って感じで、切なさ倍増。自殺では溢れる涙を堪え、しゃくりあげながらの自殺でした。
綜馬フランツは熱かった!熱い陛下といえば禅さんなのですが、今日の綜馬陛下はほんっと熱かった。悪夢であんなに髪を振り乱して、目を見開いての綜馬さん見たのは初めてかもしれない。びっくりです。必死にエリザベートを探すフランツを見ていたら、1幕最初の頃の仲良しラブラブな二人が走馬灯してしまい、なんだが涙が。今まで見た綜馬フランツの中で一番感動できたような気がします。
皇后様、今年も最後までお疲れさまでした。「私だけに」とフィナーレはかなり涙しながらの熱唱。特にフィナーレで、ツーっと涙が頬を伝いながらの「♪泣いた 笑った~」は、見ているこちらも納得してしまうくらいの清々しくも美しい表情でした。それを受ける内野閣下がまたいい表情なんですよ。抱き締めた瞬間の切なそうな表情も印象的。今年は全体的に短めだった死のキスも、今日はなんか長かった気がします(笑)
で、カーテンコール。
恒例はるパパプロデュースがあるかと思いきや、司会は村井さん。「巷の噂では近いうちにまたお会いできるらしい……いや、噂ですから噂」という村井さんの大問題発言に続き、今回は主要キャスト六名のコメントでした。(ニュアンスです)
最初は寿さん。感極まって声を震わせながら「新参者のゾフィーです。みなさんにご迷惑をかけないかと不安だったのですが、キャストの皆さんに支えられて今日を迎えられました。幕が開いてからはお客様の声援に支えられてここまで来ました。本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです!」みたいなコメントをされていたと思います。固まってるカンパニーに入るのは大変だったと思います。でも今日の「皇太后の死」なんかほんっと素晴らしくて、今回初めてあそこで泣いてしまいました。心の底からお疲れさまでしたと叫びたいです。
二番手は「この人の帰りを待ちわびてた方も多いのではないでしょうか?」と紹介された井上くん。「出戻りのルドルフです。初舞台で演じた役を久しぶりに演じて、こんなに素晴らしい作品の素晴らしい役でデビューだったんだと改めて感じました。ルドルフはこんなに待ち時間が長かったんだなとも改めて思いました(笑)これを糧に次も頑張りますので、来月再来月のモーツァルト!にぜひお越し下さい!」と、しっかり宣伝(笑)
三番手は綜馬さん。「鈴木くんはこの公演中ずっと悩んでいました。ただ、鈴木くんは悩みが実を結ばないタイプで(ここで綜馬さんが何か突っ込んでました)…冗談だよ冗談」と紹介された綜馬さん。「舞台は空間芸術で、やったそばからその瞬間が喪失していきます。その喪失した一瞬はどこに行くんだろう…と考えたら、それはお客さんの心に染み込んでいくんだなと…(ここで大拍手。後ろで村井さんが「何言ってんだよ。ハッ(嘲笑みたいなジェスチャー(笑))」)そう思ったら、喪失してもこの喪失は皆様の心で大きくなっていくんだなと思い、嬉しかった千秋楽でした」そして村井さんに続いて大問題発言。「噂ではまたお会いできるらしい…と言うことなので、これからも頑張って素晴らしい作品を作りたいと思います」
お次は高嶋ルキーニ。「実は公演中に大怪我をしまして、本当は歩いちゃいけないくらいの状態だったんですが、それでも頑張ってくれました。ルキーニはこの人以外に考えられません」と涙声で紹介。「皆さんのおかげで舞台を出来てますと、今まで言葉では言っていましたが、今回改めてこんなに素晴らしい方達と舞台をやってたんだと感謝しました。ありがとうございました!(と、キャスト客席に三方礼)」
内野閣下。「(村井さんの楽屋の隣近所に綜馬さん・内野さん・井上さんがいるという前振り)この三人が揃うと「不幸の始まり」なんです。内野さんの楽屋からは「ウォウウォウウォ~」、井上くんの楽屋からは「闇が広がる~」、鈴木さんの楽屋からは「フアフアフア~(文字に出来ない声)」と聞えてきて、自分の歌を全部歌うんです。悔しいから対抗して私も全部歌いましたが3分で終わってしまいました。そんな中でも一番熱心だったのがこの方です」と、長い紹介(笑)「村井さんの楽屋からは葉巻の匂いがふわ~っとするんですよ(笑) みなさんのパワーを感じながら楽日を迎えられました。このカンパニーで5年間やってきて、誰かが怪我したりしたときのパワーの集中の仕方が凄く、そういう中で出来て幸せでした。キャストの皆さん、オケのみなさん、そして客席の皆さんからは一番素晴らしい、圧倒的パワーを頂きました。トートは自分にとって転機になった役で、新しい挑戦や勉強ができました。また機会があれば「降臨」したいと思います」
そして「最後は、百の褒め言葉を言っても足りない人です」と、皇后様が紹介されました。「あちこちで「エリザベート大変でしょ」って言われますが、確かに大変な部分はありましたが、皆様と一緒に2000年からこの役を演じられたのが何より幸せです。まだ終わりでないと信じていますが、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました」
これで挨拶終了。幕が降りましたが拍手が止まず、また幕が。その次にはパクさんと浦井くん、チビルドの塩野くんも顔を出してルドルフ5人が揃い踏み(笑)高嶋さんは途中から車椅子でカテコ参加していて、本当に大変な怪我だったんだなと、改めて高嶋さんの役者魂に感動しました。トートダンサーが後ろの塔で塊になってたり面白かったです。
場内アナウンスが入ってもまだ鳴り止まない拍手に、最後は一路さんの「本当にありがとうございました!」と苫篠くんの「さようなら!」で締め。2005年のエリザベートは終了したのでした。
1ヶ月ってあっという間なんだなぁ。今回あの争奪戦の中で4日、しかも初日楽日を見られたのは本当にミラクルだったと思います。とにかく楽しかった。やっぱりエリザはいいなぁと改めて思った1ヶ月でした。
CAST(Wキャストのみ):
トート 内野聖陽
フランツ 鈴木綜馬
ルドルフ 井上芳雄
ちびルド 苫篠和馬
2005エリザもとうとう終わってしまいました…(T_T)
最後の最後が今回一番の良席。双眼鏡なくても役者さんの表情がはっきり見えて幸せです。開演前から客席の緊張感がすごくて、「ああ、千秋楽なんだなー」って感じ。
本編は噂で聞いていた通り高嶋ルキーニの足が調子悪そうでした。チビルドくんを抱き上げたりといった、下半身に負担がかかるアクションはなし。バートイシュルではシシィが台車を押してきて、ルキーニに向かって「あなたが運ぶものでしょ!なんで私が押してるのよ!」みたいなジェスチャーで怒ってました(笑)いや、これ可愛かったです。その後もステージに寝たり、「♪結論から申しますと~~~」で手を握らせる動きはなし。
キッチュの客席降りもなし。ミルクはかろうじて上半身でステップ踏んでる感じでした。
カテコで発覚したのですが、実はかなりの大怪我をされたそうで(左足っぽいかな~)、本来だったら歩いてはいけないくらいの状況だったそうです。役者さんてすごいというか、ほんっとに大変なお仕事だと改めて思いました。
内野トートは今回もしみじみしながら聴いてしまいました。最後のダンスとか上手くなったよなぁと。歌いきった瞬間に割れんばかりの拍手でショーストップ。全体的にとても丁寧に演じてらして見ていてすんなりと世界に入れた感じでした。
印象的だったのは「闇が広がる」の「♪皇帝ルドルフは立ち上る~」の部分の表情。トートに乗せられて(?)野心を持った感じの井上ルドに対し、ニヤリと悪魔的微笑のトート閣下。その並びがとても良かった。
井上ルドは初日よりもぐっと安定したなと。相変わらず孤独で悲しい。「ママは僕の鏡だから」の表情が、初日よりももっと狂気に近い印象でした。正気に繋がる最後の糸にしがみついているようで、正気を手放す=自由=死=安らぎであるなら、安らげなくてもいいから助けて欲しい…って感じで、切なさ倍増。自殺では溢れる涙を堪え、しゃくりあげながらの自殺でした。
綜馬フランツは熱かった!熱い陛下といえば禅さんなのですが、今日の綜馬陛下はほんっと熱かった。悪夢であんなに髪を振り乱して、目を見開いての綜馬さん見たのは初めてかもしれない。びっくりです。必死にエリザベートを探すフランツを見ていたら、1幕最初の頃の仲良しラブラブな二人が走馬灯してしまい、なんだが涙が。今まで見た綜馬フランツの中で一番感動できたような気がします。
皇后様、今年も最後までお疲れさまでした。「私だけに」とフィナーレはかなり涙しながらの熱唱。特にフィナーレで、ツーっと涙が頬を伝いながらの「♪泣いた 笑った~」は、見ているこちらも納得してしまうくらいの清々しくも美しい表情でした。それを受ける内野閣下がまたいい表情なんですよ。抱き締めた瞬間の切なそうな表情も印象的。今年は全体的に短めだった死のキスも、今日はなんか長かった気がします(笑)
で、カーテンコール。
恒例はるパパプロデュースがあるかと思いきや、司会は村井さん。「巷の噂では近いうちにまたお会いできるらしい……いや、噂ですから噂」という村井さんの大問題発言に続き、今回は主要キャスト六名のコメントでした。(ニュアンスです)
最初は寿さん。感極まって声を震わせながら「新参者のゾフィーです。みなさんにご迷惑をかけないかと不安だったのですが、キャストの皆さんに支えられて今日を迎えられました。幕が開いてからはお客様の声援に支えられてここまで来ました。本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです!」みたいなコメントをされていたと思います。固まってるカンパニーに入るのは大変だったと思います。でも今日の「皇太后の死」なんかほんっと素晴らしくて、今回初めてあそこで泣いてしまいました。心の底からお疲れさまでしたと叫びたいです。
二番手は「この人の帰りを待ちわびてた方も多いのではないでしょうか?」と紹介された井上くん。「出戻りのルドルフです。初舞台で演じた役を久しぶりに演じて、こんなに素晴らしい作品の素晴らしい役でデビューだったんだと改めて感じました。ルドルフはこんなに待ち時間が長かったんだなとも改めて思いました(笑)これを糧に次も頑張りますので、来月再来月のモーツァルト!にぜひお越し下さい!」と、しっかり宣伝(笑)
三番手は綜馬さん。「鈴木くんはこの公演中ずっと悩んでいました。ただ、鈴木くんは悩みが実を結ばないタイプで(ここで綜馬さんが何か突っ込んでました)…冗談だよ冗談」と紹介された綜馬さん。「舞台は空間芸術で、やったそばからその瞬間が喪失していきます。その喪失した一瞬はどこに行くんだろう…と考えたら、それはお客さんの心に染み込んでいくんだなと…(ここで大拍手。後ろで村井さんが「何言ってんだよ。ハッ(嘲笑みたいなジェスチャー(笑))」)そう思ったら、喪失してもこの喪失は皆様の心で大きくなっていくんだなと思い、嬉しかった千秋楽でした」そして村井さんに続いて大問題発言。「噂ではまたお会いできるらしい…と言うことなので、これからも頑張って素晴らしい作品を作りたいと思います」
お次は高嶋ルキーニ。「実は公演中に大怪我をしまして、本当は歩いちゃいけないくらいの状態だったんですが、それでも頑張ってくれました。ルキーニはこの人以外に考えられません」と涙声で紹介。「皆さんのおかげで舞台を出来てますと、今まで言葉では言っていましたが、今回改めてこんなに素晴らしい方達と舞台をやってたんだと感謝しました。ありがとうございました!(と、キャスト客席に三方礼)」
内野閣下。「(村井さんの楽屋の隣近所に綜馬さん・内野さん・井上さんがいるという前振り)この三人が揃うと「不幸の始まり」なんです。内野さんの楽屋からは「ウォウウォウウォ~」、井上くんの楽屋からは「闇が広がる~」、鈴木さんの楽屋からは「フアフアフア~(文字に出来ない声)」と聞えてきて、自分の歌を全部歌うんです。悔しいから対抗して私も全部歌いましたが3分で終わってしまいました。そんな中でも一番熱心だったのがこの方です」と、長い紹介(笑)「村井さんの楽屋からは葉巻の匂いがふわ~っとするんですよ(笑) みなさんのパワーを感じながら楽日を迎えられました。このカンパニーで5年間やってきて、誰かが怪我したりしたときのパワーの集中の仕方が凄く、そういう中で出来て幸せでした。キャストの皆さん、オケのみなさん、そして客席の皆さんからは一番素晴らしい、圧倒的パワーを頂きました。トートは自分にとって転機になった役で、新しい挑戦や勉強ができました。また機会があれば「降臨」したいと思います」
そして「最後は、百の褒め言葉を言っても足りない人です」と、皇后様が紹介されました。「あちこちで「エリザベート大変でしょ」って言われますが、確かに大変な部分はありましたが、皆様と一緒に2000年からこの役を演じられたのが何より幸せです。まだ終わりでないと信じていますが、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました」
これで挨拶終了。幕が降りましたが拍手が止まず、また幕が。その次にはパクさんと浦井くん、チビルドの塩野くんも顔を出してルドルフ5人が揃い踏み(笑)高嶋さんは途中から車椅子でカテコ参加していて、本当に大変な怪我だったんだなと、改めて高嶋さんの役者魂に感動しました。トートダンサーが後ろの塔で塊になってたり面白かったです。
場内アナウンスが入ってもまだ鳴り止まない拍手に、最後は一路さんの「本当にありがとうございました!」と苫篠くんの「さようなら!」で締め。2005年のエリザベートは終了したのでした。
1ヶ月ってあっという間なんだなぁ。今回あの争奪戦の中で4日、しかも初日楽日を見られたのは本当にミラクルだったと思います。とにかく楽しかった。やっぱりエリザはいいなぁと改めて思った1ヶ月でした。
東宝ミュージカル「エリザベート」(井上初日) ― 2005年09月22日 19:22
@帝国劇場
CAST(Wキャストのみ):
トート 内野聖陽
フランツ 鈴木綜馬
ルドルフ 井上芳雄
ちびルド 塩野魁土
行ってきました井上ルド初日!
いやー、感慨深かったですね、色々と。
とりあえずその井上ルドルフの感想から。
OPで「♪ママと〜僕は似ている〜」と歌った時に既に目がウルウルしていた井上ルド(笑)そうだよね、感慨深いよね。
なんというか、「闇に染まったルドルフ」とでも言いましょうか。初演の時のあの不安定で繊細なルドルフとは全然違う、「なんだ、ルドルフって皇帝の資質をちゃんと持ってたんじゃん」て感じのしっかりした印象。(パクルドと方向性は違うけど)
井上ルドにはカリスマ性があったと思う。そしてそれは多分、この皇太子が果てしなく孤独だからだと思う。子どもの頃に親から受けて当然の愛情を受けず、宮廷で大人の確執や思惑を見て育ったルドルフが、真っ直ぐに育つわけがない。そんで、父親と溝がある以上は心のどこかで「自分が国王に」って野望があって当然なんですよね。
で、民族主義に走る国民を見て絶望するルドルフの心が、もう一人の自分=トートを呼ぶ。トートはルドルフの中の闇をどんどん広げていく。「闇が広がる」を聞いてそう改めて感じたのは井上ルドルフの表情からかな。曲が始まった時と終わったときじゃ別人だもの。「皇帝ルドルフ」として立ち上った時の野望に満ちた表情がとにかく印象的だった。「ハンガリー国王」を夢見るシーンも同じく。
このシーンでルドルフを説得する革命家が今日は熱かった。ルドルフを「唆す」のではなく、ルドルフを希望として見ているような。藤本エルマーの「♪れんぷぉ〜〜〜〜〜〜〜ぅ!」も力強い(笑)革命家たちにとって「皇帝」になりうるカリスマだったんじゃないかな。
そして革命は失敗し、父に見捨てられ、ルドルフにとっては「同じ魂を持つ者」であり、闇の中の唯一の光であるエリザベートにも見捨てられ、「ママも僕を見捨てるんだね…」とつぶやいた瞬間、ルドルフの心は闇に染まる。
マイヤーリンクという孤独な檻の中で闇は狂気に変わり、歪んだ笑顔で自殺するルドルフ。
最後の笑顔怖かったなー。もうなんの救いもないくらい果てしない孤独って感じ。浦井ルドのように恍惚としてるわけでもなく、孤独を自覚して自分の意志で自殺したパクルドとも違う。なんだろう、ほんっとに救われない魂な感じの表情だった。
エリザ見て泣くことってほとんどないんだけど、今日はマイヤーリンクで泣けて仕方なかったよ…なんて悲しいルドルフなんだ。
で、井上ルドと一路エリザを見てると本当に「鏡同士」なのにびっくり。どちらも救いがたい孤独の中にいて、エリザにとってトートが分身であったように、ルドルフにとってもトートが分身なんだろうなと、素直に納得できてしまいました。「ママは僕の〜」では縋り付くような涙目のルドルフを見て一路さんも感慨深かったのか、目がかなり潤んでらっしゃいました。でも泣いたら場面ぶちこわしなので気張ったのか、いつにも増してうつろで無表情。これがまた切なさ倍増。
そうそう、井上くんはダンスの合間に結構「ハッ!」とか「ウワッ!」とか声出しててとても臨場感がありました。動きも丁寧で綺麗でしたよ。それから、クリスとヴォルフで慟哭を経験(笑)したせいか、表情が豊か。かなりしっかり演技プラン作ってきたんじゃないでしょうか。
内野閣下はですね、「闇が広がる」聞いて「初演をこのコンビでやったとき、高音出なくて手に汗握ったのよね…」とか思うとまた感慨が…。どちらも堂々としてるし、歌声はちゃんと重なってるし、ほんっとに上手くなったなぁと。
「死のキス」が初日ご祝儀なのか、久しぶりだからいつもより長く!なのか、やたらめったら長くてびっくりしました。
一路皇后様も成長した息子の姿が感慨深かったようで、カーテンコールで涙してましたね。前回見た12日よりも声の調子が良くなってて素晴らしかったです。
今期初見の綜馬閣下は相変わらずノーブルで素敵でした。シシィと出会うシーン、禅さんよりもさらに「最初っからヘレネは眼中にありません」度が高くて、シシィの一挙一動に笑ったり、驚いたりしてるのが印象的でした。前からあんなにあからさまだっけ?
悪夢のシーンで取り乱しても失われない高貴さがなんだか悲しいですね。彼はあくまで皇帝なんだなと。
あと、やっぱりゾフィーと決別するシーンの手にキスするところは泣けますね…。寿ゾフィーと綜馬閣下はとても「親子」な感じするよ。
その他、今日はギターの人が熱かった気がする。あんなにギュンギュン鳴らしてたっけ?
暗転したときに背景(宮殿の扉のセット)の後ろに見える裏方さんの人影と、誘導するライトがちらちらするのがやっぱり気になります。なんとかならないもんだろうか。
暗転した瞬間袖にダッシュする綜馬さんがちょっとツボだった(笑)
カーテンコールで寿さん、塩野ルドと三人で出てきた瞬間に割れんばかりの拍手。キャストもヒューヒューとはやし立て、客席大盛り上がり。
通常のカテコに続いて3人で登場。スタンディングの場内を見て涙ぐむ井上ルドを見つめる皇后&閣下の目が優しいこと優しいこと。
場内アナウンスを打ち消す拍手に再び幕が開くと皇后様&閣下が。なんだか不自然にジリジリ前に出てくるなーと思っていたら、ぱっと左右に別れた瞬間「ばぁ〜!」とばかりに両手を挙げて二人の後ろから立ち上る井上ルド(笑)
1回幕が降りた時に結構泣いていたようで、内野閣下が「えーんえーん」と泣きまね。それを見た井上ルドが「やめてくださいよー!」とばかりに軽く蹴り。いつも皇后様の手にするようにキスしようと見せかけて齧り付こうとする閣下。そんなこんなしてるうちにまた泣けてしまったらしい井上ルドを「おいで!」とばかりに抱き締めて、がっつり抱擁。
こちらも泣いていた皇后様に、最後はルドルフがしっかりと抱きついたところで幕、でした。
とにかく、プレッシャーは大きかったと思います。1幕でルドルフが出てるアンサンブルシーンもいなかったし、稽古期間短くて不安だったんじゃないかしら。
でもその不安を役にぶつけてしっかり昇華した感じでした。
人間って成長する生き物なんだなー。帝劇で主役としてセンターに立った人の存在感てすごいんだなーと、改めて思った次第。
次回は千秋楽。ホント楽しみです!
CAST(Wキャストのみ):
トート 内野聖陽
フランツ 鈴木綜馬
ルドルフ 井上芳雄
ちびルド 塩野魁土
行ってきました井上ルド初日!
いやー、感慨深かったですね、色々と。
とりあえずその井上ルドルフの感想から。
OPで「♪ママと〜僕は似ている〜」と歌った時に既に目がウルウルしていた井上ルド(笑)そうだよね、感慨深いよね。
なんというか、「闇に染まったルドルフ」とでも言いましょうか。初演の時のあの不安定で繊細なルドルフとは全然違う、「なんだ、ルドルフって皇帝の資質をちゃんと持ってたんじゃん」て感じのしっかりした印象。(パクルドと方向性は違うけど)
井上ルドにはカリスマ性があったと思う。そしてそれは多分、この皇太子が果てしなく孤独だからだと思う。子どもの頃に親から受けて当然の愛情を受けず、宮廷で大人の確執や思惑を見て育ったルドルフが、真っ直ぐに育つわけがない。そんで、父親と溝がある以上は心のどこかで「自分が国王に」って野望があって当然なんですよね。
で、民族主義に走る国民を見て絶望するルドルフの心が、もう一人の自分=トートを呼ぶ。トートはルドルフの中の闇をどんどん広げていく。「闇が広がる」を聞いてそう改めて感じたのは井上ルドルフの表情からかな。曲が始まった時と終わったときじゃ別人だもの。「皇帝ルドルフ」として立ち上った時の野望に満ちた表情がとにかく印象的だった。「ハンガリー国王」を夢見るシーンも同じく。
このシーンでルドルフを説得する革命家が今日は熱かった。ルドルフを「唆す」のではなく、ルドルフを希望として見ているような。藤本エルマーの「♪れんぷぉ〜〜〜〜〜〜〜ぅ!」も力強い(笑)革命家たちにとって「皇帝」になりうるカリスマだったんじゃないかな。
そして革命は失敗し、父に見捨てられ、ルドルフにとっては「同じ魂を持つ者」であり、闇の中の唯一の光であるエリザベートにも見捨てられ、「ママも僕を見捨てるんだね…」とつぶやいた瞬間、ルドルフの心は闇に染まる。
マイヤーリンクという孤独な檻の中で闇は狂気に変わり、歪んだ笑顔で自殺するルドルフ。
最後の笑顔怖かったなー。もうなんの救いもないくらい果てしない孤独って感じ。浦井ルドのように恍惚としてるわけでもなく、孤独を自覚して自分の意志で自殺したパクルドとも違う。なんだろう、ほんっとに救われない魂な感じの表情だった。
エリザ見て泣くことってほとんどないんだけど、今日はマイヤーリンクで泣けて仕方なかったよ…なんて悲しいルドルフなんだ。
で、井上ルドと一路エリザを見てると本当に「鏡同士」なのにびっくり。どちらも救いがたい孤独の中にいて、エリザにとってトートが分身であったように、ルドルフにとってもトートが分身なんだろうなと、素直に納得できてしまいました。「ママは僕の〜」では縋り付くような涙目のルドルフを見て一路さんも感慨深かったのか、目がかなり潤んでらっしゃいました。でも泣いたら場面ぶちこわしなので気張ったのか、いつにも増してうつろで無表情。これがまた切なさ倍増。
そうそう、井上くんはダンスの合間に結構「ハッ!」とか「ウワッ!」とか声出しててとても臨場感がありました。動きも丁寧で綺麗でしたよ。それから、クリスとヴォルフで慟哭を経験(笑)したせいか、表情が豊か。かなりしっかり演技プラン作ってきたんじゃないでしょうか。
内野閣下はですね、「闇が広がる」聞いて「初演をこのコンビでやったとき、高音出なくて手に汗握ったのよね…」とか思うとまた感慨が…。どちらも堂々としてるし、歌声はちゃんと重なってるし、ほんっとに上手くなったなぁと。
「死のキス」が初日ご祝儀なのか、久しぶりだからいつもより長く!なのか、やたらめったら長くてびっくりしました。
一路皇后様も成長した息子の姿が感慨深かったようで、カーテンコールで涙してましたね。前回見た12日よりも声の調子が良くなってて素晴らしかったです。
今期初見の綜馬閣下は相変わらずノーブルで素敵でした。シシィと出会うシーン、禅さんよりもさらに「最初っからヘレネは眼中にありません」度が高くて、シシィの一挙一動に笑ったり、驚いたりしてるのが印象的でした。前からあんなにあからさまだっけ?
悪夢のシーンで取り乱しても失われない高貴さがなんだか悲しいですね。彼はあくまで皇帝なんだなと。
あと、やっぱりゾフィーと決別するシーンの手にキスするところは泣けますね…。寿ゾフィーと綜馬閣下はとても「親子」な感じするよ。
その他、今日はギターの人が熱かった気がする。あんなにギュンギュン鳴らしてたっけ?
暗転したときに背景(宮殿の扉のセット)の後ろに見える裏方さんの人影と、誘導するライトがちらちらするのがやっぱり気になります。なんとかならないもんだろうか。
暗転した瞬間袖にダッシュする綜馬さんがちょっとツボだった(笑)
カーテンコールで寿さん、塩野ルドと三人で出てきた瞬間に割れんばかりの拍手。キャストもヒューヒューとはやし立て、客席大盛り上がり。
通常のカテコに続いて3人で登場。スタンディングの場内を見て涙ぐむ井上ルドを見つめる皇后&閣下の目が優しいこと優しいこと。
場内アナウンスを打ち消す拍手に再び幕が開くと皇后様&閣下が。なんだか不自然にジリジリ前に出てくるなーと思っていたら、ぱっと左右に別れた瞬間「ばぁ〜!」とばかりに両手を挙げて二人の後ろから立ち上る井上ルド(笑)
1回幕が降りた時に結構泣いていたようで、内野閣下が「えーんえーん」と泣きまね。それを見た井上ルドが「やめてくださいよー!」とばかりに軽く蹴り。いつも皇后様の手にするようにキスしようと見せかけて齧り付こうとする閣下。そんなこんなしてるうちにまた泣けてしまったらしい井上ルドを「おいで!」とばかりに抱き締めて、がっつり抱擁。
こちらも泣いていた皇后様に、最後はルドルフがしっかりと抱きついたところで幕、でした。
とにかく、プレッシャーは大きかったと思います。1幕でルドルフが出てるアンサンブルシーンもいなかったし、稽古期間短くて不安だったんじゃないかしら。
でもその不安を役にぶつけてしっかり昇華した感じでした。
人間って成長する生き物なんだなー。帝劇で主役としてセンターに立った人の存在感てすごいんだなーと、改めて思った次第。
次回は千秋楽。ホント楽しみです!
東宝ミュージカル「エリザベート」(ソワレ) ― 2005年09月12日 16:16
@帝国劇場
CAST(Wキャストのみ):
トート 山口祐一郎
フランツ 石川禅
ルドルフ パク・トンハ
ちびルド 苫篠和馬
今期初にして最後の山口トート&パクルド。そして見納めの禅フランツでした。
山口さん、久々に見ると「大きい!」とびっくり。同じゴンドラに乗って降りてくるのに縮尺が違って見える。ついでにシシィもものすご~く小さく見える。それからちょっとお痩せになりました?なんかウエストの辺り随分ほっそりとしたような…。
実は昨日の公演、山口さんの調子があまり良くなかったようで、なんでもない部分で音程が揺れたところがあって「え?山口さんが?」と思ったんですよ。他の感想とか読んでても最後のダンスの最高音ひっくり返った日があるそうで、本当にびっくり。でも、考えてみれば山口さんのスケジュールとんでもないですよね…?お痩せになった様子なのも相まって、ものすごくファンなわけじゃないですが心配になってしまいました。ゆっくり休む期間を取ってほしいなぁ。ミュージカル界にとって大事な人だし。
個人的にはラストの「♪誰も知らない真実~エリ~ザベ~ト」のナイフダンスが健在だったのが嬉しかったです(笑)なんかね、すごく楽しそうにパラパラちっくなダンスをしてる閣下が好きなんですよ。
しっかし、本当に方向性が真逆の閣下二人だなぁと改めて感心。いいWキャストだ。
パクルド。
えっと…太りました?いや、もしかして上半身大きくしてマッチョになったのかなーと思ったのですが、それにしては身体がキレてないなぁと。ダンスや動きがもの凄く重そうだった。
でもでも!パクさんのルドルフはやっぱり骨太で、大人な雰囲気で好きです。それから「マイヤーリンク」で女装のトートダンサー(=マリー・ヴェッツェラって設定なんですね。驚いた)に向かって一瞬救いを求めるように手を差し伸べる所がなんとも切なかった。相変わらずの汗っかきさんで上着脱いだらシャツがべったりと張り付いててちょっとセクシー(笑)
「父を説得することができなかった」という台詞が去年よりも言えてなかったので、そこはもうちょっと頑張ってほしいです…。
チビルドの苫篠くん。
先日の塩野くんと比べるとまだまだ本当に子どもっぽくて、可愛らしい。子どもの本能で母親を求めている感じで可哀想だったな。
イメージ的に塩野くん=パクさん、苫篠くん=浦井さんの子ども時代って感じでした。
見納めの禅さん。素敵な陛下でしたー!やっぱり「悪夢」の演技が好き。他のシーンも細かい演技をしていて見応えがありました。フランツ陛下を見ていると、禅さんのバルジャンが見たくなります。今回もう見られないのが本当に残念。もっと見たかった。
寿さんはだいぶスムーズになってきた感じですね。この皇太后様大好きです。自分を殺して王家の為に生きてきた女性って感じ。自分の育てた息子の代で、自分が全てを捧げた王家が滅ぶのは切ないだろうなぁ。
新セットになって後ろで誘導している懐中電灯の揺らめきや人影がすごく気になるようになりました。M!でも気になって仕方なかったんだけど、あれはどうにかならないのかなぁ…。
さて、次回は井上ルドルフの初日です。楽しみだな~!
CAST(Wキャストのみ):
トート 山口祐一郎
フランツ 石川禅
ルドルフ パク・トンハ
ちびルド 苫篠和馬
今期初にして最後の山口トート&パクルド。そして見納めの禅フランツでした。
山口さん、久々に見ると「大きい!」とびっくり。同じゴンドラに乗って降りてくるのに縮尺が違って見える。ついでにシシィもものすご~く小さく見える。それからちょっとお痩せになりました?なんかウエストの辺り随分ほっそりとしたような…。
実は昨日の公演、山口さんの調子があまり良くなかったようで、なんでもない部分で音程が揺れたところがあって「え?山口さんが?」と思ったんですよ。他の感想とか読んでても最後のダンスの最高音ひっくり返った日があるそうで、本当にびっくり。でも、考えてみれば山口さんのスケジュールとんでもないですよね…?お痩せになった様子なのも相まって、ものすごくファンなわけじゃないですが心配になってしまいました。ゆっくり休む期間を取ってほしいなぁ。ミュージカル界にとって大事な人だし。
個人的にはラストの「♪誰も知らない真実~エリ~ザベ~ト」のナイフダンスが健在だったのが嬉しかったです(笑)なんかね、すごく楽しそうにパラパラちっくなダンスをしてる閣下が好きなんですよ。
しっかし、本当に方向性が真逆の閣下二人だなぁと改めて感心。いいWキャストだ。
パクルド。
えっと…太りました?いや、もしかして上半身大きくしてマッチョになったのかなーと思ったのですが、それにしては身体がキレてないなぁと。ダンスや動きがもの凄く重そうだった。
でもでも!パクさんのルドルフはやっぱり骨太で、大人な雰囲気で好きです。それから「マイヤーリンク」で女装のトートダンサー(=マリー・ヴェッツェラって設定なんですね。驚いた)に向かって一瞬救いを求めるように手を差し伸べる所がなんとも切なかった。相変わらずの汗っかきさんで上着脱いだらシャツがべったりと張り付いててちょっとセクシー(笑)
「父を説得することができなかった」という台詞が去年よりも言えてなかったので、そこはもうちょっと頑張ってほしいです…。
チビルドの苫篠くん。
先日の塩野くんと比べるとまだまだ本当に子どもっぽくて、可愛らしい。子どもの本能で母親を求めている感じで可哀想だったな。
イメージ的に塩野くん=パクさん、苫篠くん=浦井さんの子ども時代って感じでした。
見納めの禅さん。素敵な陛下でしたー!やっぱり「悪夢」の演技が好き。他のシーンも細かい演技をしていて見応えがありました。フランツ陛下を見ていると、禅さんのバルジャンが見たくなります。今回もう見られないのが本当に残念。もっと見たかった。
寿さんはだいぶスムーズになってきた感じですね。この皇太后様大好きです。自分を殺して王家の為に生きてきた女性って感じ。自分の育てた息子の代で、自分が全てを捧げた王家が滅ぶのは切ないだろうなぁ。
新セットになって後ろで誘導している懐中電灯の揺らめきや人影がすごく気になるようになりました。M!でも気になって仕方なかったんだけど、あれはどうにかならないのかなぁ…。
さて、次回は井上ルドルフの初日です。楽しみだな~!
東宝ミュージカル「エリザベート」(初日) ― 2005年09月01日 14:31
@帝国劇場
CAST(Wキャストのみ):
トート 内野聖陽
フランツ 石川禅
ルドルフ 浦井健治
ちびルド 塩野魁土
昨年12月の大千秋楽以来の「エリザベート」です。
客席全体のワクワク感は伝わってきますが、レミゼのSP公演のような緊張感はなかった気がする。(あれは異常だったからな…)
お席は2階A列のサブセンターでした。見ながら妙に視点が新鮮だなーと思ってたら、帝劇でエリザを2階から見るのは初めてだったんですよ。全体が良く見渡せていい感じでした。
細かい変更点も結構あったように思うのですが、一番大きいのは「LED電飾がなくなった」ことです!悪評高かった電飾。間抜け以外の何者でもなかった電飾がとうとうなくなりました。で、替わりに羊皮紙のようなデザインのスクリーンにプロジェクターで映像が映るのですが、これは結構いい感じ。でもシシィ落下はどうしてもアップの映像で見せたいんですね小池先生…。バートイシュルの鹿も消えました。
個人的にはいいと思うんですが、これどうも一番奥のバトンに吊ってあるらしく、いらん場面でも出てくるんですよ。スクリーンには何も映ってないのに。一番「勘弁してくれよ」と思ったのが「私が踊るとき」。星球が輝く壮大なイメージが好きだったのに、何故か星球の後ろに何も映ってない巨大羊皮紙。なんなんだー!他にも何カ所か「しまっとけよ!」ってところがあったんですが、前に何かが降りて隠すことはあってもあれ自体が昇降することはなかったように思うので、吊りっぱなしで動かせない物なのかなと。もうちょいどーにかしてほしい。そしてアレが降りてると、形状のせいかどうも舞台の上下にスカスカ感が。ううむ。
霊廟(?)3棟の使い方も結構変わってました。こっちの変更部分は概ねいい感じ。センターのやつは電飾パネルの扉が変わった分、センターの捌け口として使われてることが多くなってたと思います。
それから指揮者が塩田さんじゃなかったせいか、テンポがめちゃくちゃ遅く感じました。キャストも一部待ち気味なとこがあったように思うのは気のせいかなぁ。
出演者に関して。
一路さんは相変わらず可愛く綺麗でした。少女時代なんか本当に可愛いと思う。初日からいい感じに飛ばしてたように思います。感情の入り方とか、テンションの上げ方は去年の大阪に引けを取ってなかったと思う。あ、「私が踊る時」で「♪人形のように踊らされた私が~」を「♪操り人形のように~」と歌って一瞬モゴってらっしゃいました(笑)でもあれはその前に内野さんが「♪世界は動いていくんだ~」を2回歌ったせいで動揺したのでしょう…。
内野トート。昨年の大阪よりもさらに歌が上手くなっていたように思います。一部怪しいなぁってとこは歌い方を微妙に変えてたような。きっとまた何かに挑戦しようとしてるのでしょう。鬘がやたら「お風呂上がり」っぽくしめった感じになってたのは気のせいだろうか。「最後のダンス」の「♪お~~れぇぇぇ…」で客席の心は一つになっていたと思う(笑)「♪さぁ~~ハ~~~(↑)」が決まった後に、周りの人がみんな頷きながら拍手してたのが笑えました。
高嶋ルキーニ。まだテンションマックスじゃない感じ?客席降りが増えたり、立ち位置が変わってたりと段取り追う部分が多かったのかなぁ。でも安定してます。
石川フランツ。出てきた瞬間「若返ってる!」とびっくり。マリウス効果かしら…心なしか顎の辺りがすっきりしてたような。青年フランツ~老年期まで、自然に加齢していく辺り、素晴らしかったです。スカステでやった「フランツ対談」で「夜のボートでは「僕はこの人をこんなにも不幸にしてしまったのか…」という気持ちで歌ってます」と仰っていたのを聞いて、フランツの表情を双眼鏡で追っていたのですが、切ない表情をなさってたんですね…。そこから「悪夢」での激しさ、ルキーニに刺された瞬間に自分も胸を押さえる演技(これは大阪でもやってましたね)と、禅さんにやられっぱなしでした。でも今年禅フランツは12 日が見納め…しまったなぁ。
新ゾフィー様の寿ひづるさん。出てきた瞬間「あ、男だ」と(笑)元男役の方なせいか、ドレスの裾捌きが結構豪快だったように思います。でもお歌の方がド迫力!あれはフランツ逆らえまい…正に「宮廷でただ一人の男」です。やっぱり段取り追ってるな~的な所はありましたが(「♪我慢できない!」の「我慢」が飛んじゃったし)、このゾフィー様は大好きです。次回の12日にはもっと深まって、もっとかっちょいい皇太后様になってらっしゃると思います。
浦井ルド・藤本エルマー・塩野チビルドは、皆さんお歌が本当に上手くなってらして驚きました。特に藤本エルマーは前回見たときほとんど印象に残ってないのですが、今回は色んなところで声が耳に飛び込んできて良かったです。
浦井ルドは相変わらずジャンプの到達点が高く、きびきびしていてアンサンブルでも目立ってました(笑)表情がとてもしっかりして、印象的になっていたように思います。死のキスが初日からやたらに長くてお疲れ様でした…。うっとりと死んでいくルドルフなのは相変わらずというか、パワーアップ(笑)
塩野くんはまず、見た目が大きくなっていてびっくり。歌い出してその安定っぷりにまたびっくり。演技も細かくなってたなぁ。子どもの成長って早い。
終演後は初日の舞台挨拶。皇后様が「固まったカンパニーに入ってくると言うことで、稽古も短くて本当に苦労されたと思います」と、寿さんと新アンサンブルの家塚さんを紹介してました。そういえばカテコで寿さんへの拍手が一番大きかった気がします。客席もリピーターが多いからわかってるんですね~。しかし M!から20人くらい参加ってすごいな…。
続いて小池先生登場。そしてM!の千秋楽からずっと滞在中だったというリーヴァイ氏が、60歳のお誕生日にプレゼントされたというM!のロゴ入り赤ちゃんちゃんこと帽子で登場。「これには仕掛けがあります」と舞台上でちゃんちゃんこと帽子を裏返すと…なんと黒になったちゃんちゃんこにはエリザのロゴ。そして帽子までリバーシブルでした。芸が細かい!
リーヴァイ氏は本当に日本のカンパニーと、多分独特の客席のムードを愛してくれてるんだなというのが伝わってくるようなご機嫌さでした。キッチュ終わりのルキーニの「わ~~~~パンパンパン!」という拍手止めもやってみてたり。
次回観劇は12日。今度は山口トートとパクルドです。また違った雰囲気になるのがとても楽しみ。
CAST(Wキャストのみ):
トート 内野聖陽
フランツ 石川禅
ルドルフ 浦井健治
ちびルド 塩野魁土
昨年12月の大千秋楽以来の「エリザベート」です。
客席全体のワクワク感は伝わってきますが、レミゼのSP公演のような緊張感はなかった気がする。(あれは異常だったからな…)
お席は2階A列のサブセンターでした。見ながら妙に視点が新鮮だなーと思ってたら、帝劇でエリザを2階から見るのは初めてだったんですよ。全体が良く見渡せていい感じでした。
細かい変更点も結構あったように思うのですが、一番大きいのは「LED電飾がなくなった」ことです!悪評高かった電飾。間抜け以外の何者でもなかった電飾がとうとうなくなりました。で、替わりに羊皮紙のようなデザインのスクリーンにプロジェクターで映像が映るのですが、これは結構いい感じ。でもシシィ落下はどうしてもアップの映像で見せたいんですね小池先生…。バートイシュルの鹿も消えました。
個人的にはいいと思うんですが、これどうも一番奥のバトンに吊ってあるらしく、いらん場面でも出てくるんですよ。スクリーンには何も映ってないのに。一番「勘弁してくれよ」と思ったのが「私が踊るとき」。星球が輝く壮大なイメージが好きだったのに、何故か星球の後ろに何も映ってない巨大羊皮紙。なんなんだー!他にも何カ所か「しまっとけよ!」ってところがあったんですが、前に何かが降りて隠すことはあってもあれ自体が昇降することはなかったように思うので、吊りっぱなしで動かせない物なのかなと。もうちょいどーにかしてほしい。そしてアレが降りてると、形状のせいかどうも舞台の上下にスカスカ感が。ううむ。
霊廟(?)3棟の使い方も結構変わってました。こっちの変更部分は概ねいい感じ。センターのやつは電飾パネルの扉が変わった分、センターの捌け口として使われてることが多くなってたと思います。
それから指揮者が塩田さんじゃなかったせいか、テンポがめちゃくちゃ遅く感じました。キャストも一部待ち気味なとこがあったように思うのは気のせいかなぁ。
出演者に関して。
一路さんは相変わらず可愛く綺麗でした。少女時代なんか本当に可愛いと思う。初日からいい感じに飛ばしてたように思います。感情の入り方とか、テンションの上げ方は去年の大阪に引けを取ってなかったと思う。あ、「私が踊る時」で「♪人形のように踊らされた私が~」を「♪操り人形のように~」と歌って一瞬モゴってらっしゃいました(笑)でもあれはその前に内野さんが「♪世界は動いていくんだ~」を2回歌ったせいで動揺したのでしょう…。
内野トート。昨年の大阪よりもさらに歌が上手くなっていたように思います。一部怪しいなぁってとこは歌い方を微妙に変えてたような。きっとまた何かに挑戦しようとしてるのでしょう。鬘がやたら「お風呂上がり」っぽくしめった感じになってたのは気のせいだろうか。「最後のダンス」の「♪お~~れぇぇぇ…」で客席の心は一つになっていたと思う(笑)「♪さぁ~~ハ~~~(↑)」が決まった後に、周りの人がみんな頷きながら拍手してたのが笑えました。
高嶋ルキーニ。まだテンションマックスじゃない感じ?客席降りが増えたり、立ち位置が変わってたりと段取り追う部分が多かったのかなぁ。でも安定してます。
石川フランツ。出てきた瞬間「若返ってる!」とびっくり。マリウス効果かしら…心なしか顎の辺りがすっきりしてたような。青年フランツ~老年期まで、自然に加齢していく辺り、素晴らしかったです。スカステでやった「フランツ対談」で「夜のボートでは「僕はこの人をこんなにも不幸にしてしまったのか…」という気持ちで歌ってます」と仰っていたのを聞いて、フランツの表情を双眼鏡で追っていたのですが、切ない表情をなさってたんですね…。そこから「悪夢」での激しさ、ルキーニに刺された瞬間に自分も胸を押さえる演技(これは大阪でもやってましたね)と、禅さんにやられっぱなしでした。でも今年禅フランツは12 日が見納め…しまったなぁ。
新ゾフィー様の寿ひづるさん。出てきた瞬間「あ、男だ」と(笑)元男役の方なせいか、ドレスの裾捌きが結構豪快だったように思います。でもお歌の方がド迫力!あれはフランツ逆らえまい…正に「宮廷でただ一人の男」です。やっぱり段取り追ってるな~的な所はありましたが(「♪我慢できない!」の「我慢」が飛んじゃったし)、このゾフィー様は大好きです。次回の12日にはもっと深まって、もっとかっちょいい皇太后様になってらっしゃると思います。
浦井ルド・藤本エルマー・塩野チビルドは、皆さんお歌が本当に上手くなってらして驚きました。特に藤本エルマーは前回見たときほとんど印象に残ってないのですが、今回は色んなところで声が耳に飛び込んできて良かったです。
浦井ルドは相変わらずジャンプの到達点が高く、きびきびしていてアンサンブルでも目立ってました(笑)表情がとてもしっかりして、印象的になっていたように思います。死のキスが初日からやたらに長くてお疲れ様でした…。うっとりと死んでいくルドルフなのは相変わらずというか、パワーアップ(笑)
塩野くんはまず、見た目が大きくなっていてびっくり。歌い出してその安定っぷりにまたびっくり。演技も細かくなってたなぁ。子どもの成長って早い。
終演後は初日の舞台挨拶。皇后様が「固まったカンパニーに入ってくると言うことで、稽古も短くて本当に苦労されたと思います」と、寿さんと新アンサンブルの家塚さんを紹介してました。そういえばカテコで寿さんへの拍手が一番大きかった気がします。客席もリピーターが多いからわかってるんですね~。しかし M!から20人くらい参加ってすごいな…。
続いて小池先生登場。そしてM!の千秋楽からずっと滞在中だったというリーヴァイ氏が、60歳のお誕生日にプレゼントされたというM!のロゴ入り赤ちゃんちゃんこと帽子で登場。「これには仕掛けがあります」と舞台上でちゃんちゃんこと帽子を裏返すと…なんと黒になったちゃんちゃんこにはエリザのロゴ。そして帽子までリバーシブルでした。芸が細かい!
リーヴァイ氏は本当に日本のカンパニーと、多分独特の客席のムードを愛してくれてるんだなというのが伝わってくるようなご機嫌さでした。キッチュ終わりのルキーニの「わ~~~~パンパンパン!」という拍手止めもやってみてたり。
次回観劇は12日。今度は山口トートとパクルドです。また違った雰囲気になるのがとても楽しみ。
東宝ミュージカル「エリザベート」(千秋楽) ― 2004年12月12日 13:57

↑のんびりの合間に部屋の窓から撮った9:53段階の某ホテル前
@梅田コマ劇場
CAST(Wキャストのみ)
トート :山口祐一郎
フランツ :鈴木綜馬
ルドルフ :浦井健治
エルマー :藤本隆宏
チビルド :苫篠和馬
レイトチェックアウトにして貰ってたので、開演ギリギリまでホテルにいることができました。9時半くらいに起きて、ご飯食べて、シャワー浴びて、のんびりモード。
ふと窓の外を見ると…(写真参照)
すごいですね~。携帯のズームギリギリで撮ったのでアレですが。ちなみに前日夜はこの何倍もいました。
会場前は大楽に入れなかった人々であふれてて凄いです。
実は今年のエリザで一番いい席が大楽でした。5列目ドセンター。斜め前にはクンツェ&リーヴァイ、後ろに小池先生、その後ろにチビルドくんという、まるで関係者席のど真ん中。びっくりです。
開演すると初っぱなの「我ら息絶えし者ども」から気合いが違う!席のせいもあるけど、それだけじゃないであろう気迫がステージから迫ってきて凄い凄い!
山口トートは最後のダンスで「♪お~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~れぇぇさぁ~~~~~」と15秒ぐらいロングトーンしてるし、千秋楽ムード満載です。(でもこれ、長すぎるのとトートの表情が再び地雷で大変でした)
それに感化されてか、高嶋ルキーニまで「♪トート閣下は ご機嫌なな~~~~~~~~~~~めだよっ」と、ロングトーンで対抗してみたり(笑)高嶋さんは「今までの役者人生で、初めて「千秋楽」ということを意識して演技しました」ってカテコで言ってたのですが、それがこういうことなんでしょう。
キッチュで投げたサイン入り絵はがき、一枚は隣の人の膝の上にぽとんと落ちてました。隣の人狂喜乱舞(笑)サイゴンの花みたいに醜い取り合いにならず良かった。おめでとう!
一曲やるごとに拍手がものすごい。何回ショーストップになっただろう。3年ぶりの再演で、一年通した公演の千秋楽だから客席も熱い!
そして目の前にいるクンツェ&リーヴァイが気になって、曲の終わりでちらりと見たりしてたのですが、どの曲でもとても嬉しそうに、特にリーヴァイは顔を真っ赤にして興奮気味に拍手してました。
最後「悪夢」のシーンでナイフを持つ山口トート。その動きが特徴的で(パラパラちっく?)またおかしい。歌とのギャップがたまりません。
そして最後「愛のテーマ」の部分。一路さんが感極まってしまったのか、その目に涙が…。綺麗だったな、本当に。最後のトートの抱擁も優しくて、それは役柄的にどうなんだろうと普段なら思うんですが、たった一人で過酷な公演を1年乗り切った一路シシィへのご褒美のように見えて感動。
とにかくあまり多くを語れないくらい素晴らしい公演でした。
終演後は治田氏の司会でカーテンコール。「前回の博多座千秋楽ではカーテンコールが45分!」……なんですと!?と思わず時計を見る私とW嬢。その段階で15:15。飛行機は17:30フライトなんだよー!
でもせっかく梅田まで来て途中で帰るのは悔しいので、バスは諦めて空港までタクシーで行く決意をする。
アンサンブルさんの紹介から始まってトートダンサーでは、
治田:「実はトート閣下は副業でホスト倶楽部を経営してるんです!」
始まったのはトートダンサーによる「トート閣下の館」。「♪梅田イチの美男揃いさ トート閣下のコレクショ~ン」だって。職業病では「グキッ」って効果音が入ってみんな腰を押さえてました(笑)いや、ものすごい物を見せて貰いましたよ。
初風ゾフィー様はにこやかにご挨拶された後に厳しい表情でグリュンネ治田氏を扇子で呼びつけ、「綺麗な女ならここにもいます!」とにらみつけて退場。治田氏、思わずヘナヘナとステージに正座。
綜馬さんは背中にビニテで「またね。」と書いて登場。後ろを向くたびにそれが見えておかしいのなんの。挨拶では禅さんも登場。退場するときに右足首に仕込んであった鉢巻きで二人の足首を結び、二人三脚で退場されました。わざとらしくコケて叱咤し合うという小芝居付きで(笑)
山口氏はステージを下手から上手へ横断してそのまま袖へ。慌てる治田氏に「挨拶しなさい!」と怒られて、「生まれて28年間(場内爆笑)で一番いい日でした」。表情が可愛らしくてですね、ああ癒される。
全員に迎えられた一路さんは声を詰まらせながらご挨拶。最後はクンツェ&リーヴァイと小池氏がステージに上がり、全員で挨拶。
「世界で一番のエリザベートだった。自分が原作なことを忘れ、東宝エリザベートのファンになった」との言葉に感慨深そうな皆様。ほんっとうにお二人が嬉しそうだったんですよ。素晴らしいキャストに、それぞれ独自の道を究めた素晴らしい二人のトート。そして多分、制作者としては熱狂的な観客の勢いも嬉しかった要因じゃないかな。
全部が終了して会場を飛び出した段階で16:15。出待ちの人混みをかき分けてダッシュして、梅コマ裏のホテルでタクシーをつかまえて伊丹空港へ。
16:50くらいには到着できたので、食べたかった蓬莱551の豚まんをお土産に買って機内へ乗り込んでほっと一息。
と、前の方から「お疲れ様でした~v」という黄色い声が。「なんだ~?」と思って顔を上げたら、真横を綜馬陛下が歩いて行きました。えええええ~;
観客だった私たちがあのタイミングだったのにこの便に乗ってるってことは、多分終演後衣裳脱いでヅラ外して、そのままニットキャップ被って(すっぽり被ってらっしゃいました)タクシーの中でメイク落とした口かしら…。大変だなぁ。綜馬さん・山口さん・村井さんは15日からのレミコン出るんだもんね。中二日。多分明日からもうお稽古なんでしょう。お疲れ様です。
そんなこんなな大阪二日間。いいステージを見せて頂いて幸せでした。とにかく感謝。高嶋さんがうっすらと匂わせた来年公演でまたお会いできるのが楽しみです。
@梅田コマ劇場
CAST(Wキャストのみ)
トート :山口祐一郎
フランツ :鈴木綜馬
ルドルフ :浦井健治
エルマー :藤本隆宏
チビルド :苫篠和馬
レイトチェックアウトにして貰ってたので、開演ギリギリまでホテルにいることができました。9時半くらいに起きて、ご飯食べて、シャワー浴びて、のんびりモード。
ふと窓の外を見ると…(写真参照)
すごいですね~。携帯のズームギリギリで撮ったのでアレですが。ちなみに前日夜はこの何倍もいました。
会場前は大楽に入れなかった人々であふれてて凄いです。
実は今年のエリザで一番いい席が大楽でした。5列目ドセンター。斜め前にはクンツェ&リーヴァイ、後ろに小池先生、その後ろにチビルドくんという、まるで関係者席のど真ん中。びっくりです。
開演すると初っぱなの「我ら息絶えし者ども」から気合いが違う!席のせいもあるけど、それだけじゃないであろう気迫がステージから迫ってきて凄い凄い!
山口トートは最後のダンスで「♪お~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~れぇぇさぁ~~~~~」と15秒ぐらいロングトーンしてるし、千秋楽ムード満載です。(でもこれ、長すぎるのとトートの表情が再び地雷で大変でした)
それに感化されてか、高嶋ルキーニまで「♪トート閣下は ご機嫌なな~~~~~~~~~~~めだよっ」と、ロングトーンで対抗してみたり(笑)高嶋さんは「今までの役者人生で、初めて「千秋楽」ということを意識して演技しました」ってカテコで言ってたのですが、それがこういうことなんでしょう。
キッチュで投げたサイン入り絵はがき、一枚は隣の人の膝の上にぽとんと落ちてました。隣の人狂喜乱舞(笑)サイゴンの花みたいに醜い取り合いにならず良かった。おめでとう!
一曲やるごとに拍手がものすごい。何回ショーストップになっただろう。3年ぶりの再演で、一年通した公演の千秋楽だから客席も熱い!
そして目の前にいるクンツェ&リーヴァイが気になって、曲の終わりでちらりと見たりしてたのですが、どの曲でもとても嬉しそうに、特にリーヴァイは顔を真っ赤にして興奮気味に拍手してました。
最後「悪夢」のシーンでナイフを持つ山口トート。その動きが特徴的で(パラパラちっく?)またおかしい。歌とのギャップがたまりません。
そして最後「愛のテーマ」の部分。一路さんが感極まってしまったのか、その目に涙が…。綺麗だったな、本当に。最後のトートの抱擁も優しくて、それは役柄的にどうなんだろうと普段なら思うんですが、たった一人で過酷な公演を1年乗り切った一路シシィへのご褒美のように見えて感動。
とにかくあまり多くを語れないくらい素晴らしい公演でした。
終演後は治田氏の司会でカーテンコール。「前回の博多座千秋楽ではカーテンコールが45分!」……なんですと!?と思わず時計を見る私とW嬢。その段階で15:15。飛行機は17:30フライトなんだよー!
でもせっかく梅田まで来て途中で帰るのは悔しいので、バスは諦めて空港までタクシーで行く決意をする。
アンサンブルさんの紹介から始まってトートダンサーでは、
治田:「実はトート閣下は副業でホスト倶楽部を経営してるんです!」
始まったのはトートダンサーによる「トート閣下の館」。「♪梅田イチの美男揃いさ トート閣下のコレクショ~ン」だって。職業病では「グキッ」って効果音が入ってみんな腰を押さえてました(笑)いや、ものすごい物を見せて貰いましたよ。
初風ゾフィー様はにこやかにご挨拶された後に厳しい表情でグリュンネ治田氏を扇子で呼びつけ、「綺麗な女ならここにもいます!」とにらみつけて退場。治田氏、思わずヘナヘナとステージに正座。
綜馬さんは背中にビニテで「またね。」と書いて登場。後ろを向くたびにそれが見えておかしいのなんの。挨拶では禅さんも登場。退場するときに右足首に仕込んであった鉢巻きで二人の足首を結び、二人三脚で退場されました。わざとらしくコケて叱咤し合うという小芝居付きで(笑)
山口氏はステージを下手から上手へ横断してそのまま袖へ。慌てる治田氏に「挨拶しなさい!」と怒られて、「生まれて28年間(場内爆笑)で一番いい日でした」。表情が可愛らしくてですね、ああ癒される。
全員に迎えられた一路さんは声を詰まらせながらご挨拶。最後はクンツェ&リーヴァイと小池氏がステージに上がり、全員で挨拶。
「世界で一番のエリザベートだった。自分が原作なことを忘れ、東宝エリザベートのファンになった」との言葉に感慨深そうな皆様。ほんっとうにお二人が嬉しそうだったんですよ。素晴らしいキャストに、それぞれ独自の道を究めた素晴らしい二人のトート。そして多分、制作者としては熱狂的な観客の勢いも嬉しかった要因じゃないかな。
全部が終了して会場を飛び出した段階で16:15。出待ちの人混みをかき分けてダッシュして、梅コマ裏のホテルでタクシーをつかまえて伊丹空港へ。
16:50くらいには到着できたので、食べたかった蓬莱551の豚まんをお土産に買って機内へ乗り込んでほっと一息。
と、前の方から「お疲れ様でした~v」という黄色い声が。「なんだ~?」と思って顔を上げたら、真横を綜馬陛下が歩いて行きました。えええええ~;
観客だった私たちがあのタイミングだったのにこの便に乗ってるってことは、多分終演後衣裳脱いでヅラ外して、そのままニットキャップ被って(すっぽり被ってらっしゃいました)タクシーの中でメイク落とした口かしら…。大変だなぁ。綜馬さん・山口さん・村井さんは15日からのレミコン出るんだもんね。中二日。多分明日からもうお稽古なんでしょう。お疲れ様です。
そんなこんなな大阪二日間。いいステージを見せて頂いて幸せでした。とにかく感謝。高嶋さんがうっすらと匂わせた来年公演でまたお会いできるのが楽しみです。
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