SHINKANSEN☆secret project live 内野聖陽 with METAL MACBETH GROUP2005年11月08日 19:00

@恵比寿LIQUIDROOM

ライブハウスは久々~ということで、気合いを入れて行ってきました。
整理番号が140番台だったので、なんとか後方に椅子とカウンター確保。これでビールも気にせず飲める!
物販で売ってたTシャツがすごく可愛くて欲しかったんだけど、4000円出す気にはならなかったなぁ。来年本番舞台で似たようなデザインでもう少し量産してくれて、単価が落ちたら買ってみよう。

で、本番。
メタルマクベスの曲が3~4曲、歌謡曲3~4曲、ミュージカルから5曲くらいかな?スタンダードなロックの曲を2曲くらいやるかなーと思ってたので拍子抜け。前半にメタル集中→後半ミュージカル曲だったので、そこら辺でテンションが下がってしまって後半はのんびり見てました。メタルマクベスの曲を前後に分けても良かったんじゃないかなぁと、終演後にH嬢・W嬢と語る。

印象的だった曲。
・「氷の世界」
その昔TOSHIと坂崎さんが歌ってたり、筋肉少女帯だったり。懐かしいなと。
・「ロックンロール・ウィドウ」
以前宇崎さんが歌ってるのを聞いたことがあるのですが、やっぱり格好いいなと。古さを感じないですよね。
・「ゲッセマネ」
あー、基本ラインはこの歌い方だよね、この曲と。前からB'zの稲葉っちに歌ってほしいと思ってたんですが、益々聞きたくなりました。でも稲葉ジーザス(松本ユダか!?)のJCSじゃ間違いなく会場横浜アリーナとかだろうなぁ…(笑)
・「キッチュ」
ドイツ語詞だったので、無理なく曲がロックになってていい感じ。これがいい感じだったので、後の「最後のダンス」と「闇が広がる」が果てしなく歌詞がリズムに乗ってなくてちょっとがっかりしてしまった。英語かドイツ語で歌えば良かったのにー(無茶言うな)。

内野氏は微笑ましかったです。「あー、まだ照れがあるのかな?」「そうだね、これからロックの動きになっていこうね」「最後決める時は音引っ張ってる間ずっと動いてなくてもいいんだよ」みたいな。ライブ慣れしてないのがありありと伝わってきて、苦笑すること多々。だって動きが面白すぎ。応援団か体操してるみたいなんだもの。何回か吹き出してしまった(笑)後はロックにはロックの歌唱法があるから、来年春まで頑張ってくださいと。

司さんはお元気そうで安心いたしました。メタルマクベスの新曲も良かったです。何よりご本人が楽しそうだったのが嬉しい。実はクドカンの詞がいまいち好きじゃない感じなので(クドカン脚本も得意じゃない…)ちょっと不安だったりしますが、やっぱり楽しみです。

ゲストの冠氏がシャウトしまくってました。好き系な声だけど、ファントム歌うということで期待しすぎたかも。人見元基さんとかで聞きたかったなー…とか思ってしまった(ゲッセマネも同じく)。というか、そもそも一緒に歌ってる「ファントム」のうっちーが声出てなかったり…。
正直なところロック好きな自分と、新感線好きな自分と、内野さん好きな自分と、ミュージカル好きな自分が上手く融合してくれず、それぞれのテリトリーでそれぞれの自分がちょっとづつ乗り切れない所があって不完全燃焼でした。楽しかったですけどね。

とりあえず久々に色々CD引っ張り出して聞こうかなーと。
来年のメタルマクベスに期待してます。

劇団☆新感線「吉原御免状」(初日)2005年09月08日 15:15

@青山劇場

なんとか間に合うように会場に着いて、座席へ。なんとXC列センターブロック!
座った瞬間に同行のY嬢と「やったわ!思ったほど舞台高くない!」。だって前に新感線で最前列座ったときは首痛くて悲惨だったんだもの…。ぼーっとチラシを眺めていると「メタルマクベス」の仮チラが。上條恒彦さん出るのか!(そこかよ)

というわけで、以下舞台原作入り乱れてのネタバレしまくりです。



とりあえずですね、終わって一番に思ったのが「これは歌舞伎座で歌舞伎で見たい」でした。セットの使い方が盆回し→止まったところで上下にかきわり背景設置という歌舞伎パターンだったせいかな。それからですね、これが一番の理由なんですが勝山=玉さん、高尾=福助さんで見たいんですよ。
初っぱなの花魁道中がすれ違うシーン見て、去年の海老蔵襲名の「助六」を思い出してしまったわけです。「では揚巻さん」「では白玉さん」て二人で捌けていくあのシーンですよ。
実現してくれないかなぁ。回り盆の奥から坂道を降りてくる福助@高尾に、「勝山太夫だー!」の声で鳥屋口が「シャリーン」と鳴って花道を進んでくる玉三郎@勝山。美しー!絶対うっとりですよ。で、二人して見栄切るわけです。見たい…見たいぞー。

まあ、それはともかく。原作の世界を良く具現化したなーと思いました。綺麗なセットにセンターの坂道が効いてます。盆回しで転換してく辺りちょっとレミゼちっくというか。照明も綺麗だったなぁ。ただ、セット転換してる人たちがあまりにも(センターブロックにいるのに)丸見えだったのがなんとも。起きあがる死体が丸見えだったし、そこら辺も歌舞伎テイスト?
今回曲がものすごく良かった。新感線で初めてサントラ買ってしまったです。しかしサントラは正面ロビーでは販売してないので、購入したい方はご注意あれ。

キャスト。
堤さん@誠一郎
ものすごく主観なんですが…と前置き。
堤さんが誠さんをやるならこうなるんだろうな…と予想した通りの誠一郎だった。でもなんというかなぁ。原作ファンだからってのは置いておいても、勝山みたいな人が命がけで惚れ込むタイプには見えないんだよなー。「陽」すぎるというか、曇りない青空すぎるというか。町娘には大人気になりそうだけど、遊郭で太夫が本気になる人には見えないというか。
よくある台詞で「なんて澄んだ目をしているのかしら…それなのになんだか寂しそう」みたいなのがありますが、誠一郎ってそういう人だと思うんですよ。でも堤さんの誠一郎からはそういうのが見えない。
誠一郎は親に棄てられたということを深い傷として持っている人で、それが「捨て子ではなかった」と知った瞬間にボロボロ泣いて嬉しがるシーンが原作ではあるんですよ。けど、舞台ではそこを結構さらっと流してしまった。このシーンは誠一郎の象徴的なシーンだと思うんですが、敢えて流したってことは誠一郎のキャラ作りを原作とは違う形で持ってきたのかなーなんて思ってみたり。
つっつん誠さんは最初からすごく人間くさくて、田舎から出てきたボウヤって感じで、人情家な雰囲気。だから最後の義仙の「やっと人間らしくなってきた」という台詞が響いてこない。その代わり自分の憎しみや怒りで人を斬った後の誠一郎の「俺の中にも鬼がいた」という台詞はズンときた。
今回凄く良かったのはそのシーンと、おばばさまの夢の中のヤング幻斎。このキャラクターは合ってた。生き生きしててとっても魅力的な幻斎だったと思う。でも誠一郎になるとどうも違和感があって。タイプ的に誠一郎の師である武蔵なんかのがイメージできたかも。「見守り」タイプなのかなぁ。
違和感の原因を考えてみたんだけど、「若作り」しすぎなんじゃないかなって。声とか表情とか。当時の25歳って若いかもしれないけど「ガキ」じゃない。童貞だったのはウブだからじゃなくて、山の生活の中で女の存在がなかったから。逆に大人びた部分があってもいいんじゃないかなーと思うわけです。
で、ふと思ったのがこういう「素朴・真っ直ぐ」な持ち味の人が義仙やったら古田義仙とは別な意味で怖いんじゃないかなと。全く疑いがなく、真っ直ぐに悪。一つの捻れもない、正義のような悪。それはそれで見てみたいねとY嬢と話しておりました。
しかし、殺陣が美しかったなー。刀振る腕の筋肉や、腰を落とした時の筋肉がもんのすごく綺麗!なんせあの距離だもんで、目の前に座って足開いてくれるわ、目の前で褌一丁姿が見えるわ、褌どころか胸板の間を流れる汗まで見えてドキドキですよ。堪能させていただきました。

松雪さん@勝山
もうね、出てきた瞬間「うわー!勝山だ!」と。艶やかさといい、背負っている哀しい雰囲気といい、ぴったりはまり役。勝山は惨殺されてしまう人なので、あの惨い最後をどこまでやるかと思ったらきっちりやってて「うわ~」と。(流石に胸は見せませんでしたが)「主さんに…惚れんした」ってシーンには思わず泣けてしまいました。もっと回数重ねて、気持ちが乗ってきたらどうなっちゃうんだろうとドキドキします。

京野さん@高尾
最初このキャスティングには微妙に「うーん」と思ったんですが、松雪さんの勝山に対しての高尾ならアリなのかなと。声に迫力がないのは残念でしたが、「大奥」やってたせいか、意外に着物も着こなしてていい感じ。ただ、あの微妙な日本舞踊もどきはなくても良かったんじゃないかなぁ。
誠さんとのシーンで思いっきり上半身脱いでいて、どきっとしてしまいました。高尾はいいシーンが結構カットされてて、彼女の気持ちが伝わりにくい部分はあったと思いますが、美しくも優しげな表情で勝山と上手く対比になってた感じです。楽日近くにはかなり変わるんじゃないかなぁ。

古田さん@義仙
悪役楽しそうで何よりでした(笑)勝山惨殺シーンで鉄棒突っ込んだ後の退場シーン。なんて嬉しそうな顔してるんだ!と。心の底から女をいたぶることを楽しんでる義仙でした。古田義仙はどっちかというと続編の「かくれさと苦界行」の義仙が見たいな。義仙という人物が掘り下げて描かれてるのは続編の方なので。原作読んだ時のイメージだと、神経質そうで細身の大男って印象だったんですが、古田さんの義仙見るともうそれしか浮かばなくなってしまいました。

じゅんさん@宗冬
この人は真面目に演技すると本当にかっこいいんですよ。惚れ惚れしてしまいました。誠一郎に柳生剣を伝授するシーンがなくなってて残念。宗冬ってすごく好きなキャラクターなので、じゅんさんが演じてくれて嬉しかったです。

聖子さん@おばば様
出てきてしばらくは「おばば様のイメージが…」と思ってちょっとショックだったのですが、出番終わるまで見たら「なんて素敵なおばば様だろう!」と。聖子さんも背中が色っぽいですね~。彫り物がまた綺麗で綺麗で。ちょっとお茶目で可愛らしく、どこか神秘的なおばば様でした。

おひょいさん@幻斎
プロンプの声が丸聞こえでした(ははは)。初日だし、まあ仕方ないですよね。70オーバーだし。歌舞伎見てても初日付近は大御所(たまに若手でも)の後ろでプロンプが台詞言いまくってたりするので慣れちゃったせいもあるんでしょうか。甘い?プロンプ、川ちゃん辺りがやってた気がするのですが、声が美声で通るからまた良く聞こえるんだわこれが…。
でも役のイメージとしてはぴったり。流石に殺陣はありませんでしたが、台詞しっかり入ったらかなりいい感じなんじゃないでしょうか。

印象に残ってるのはこの方々くらいかなぁ。後はですね、膳さんが初日から飛ばしまくってたとか、村木姉さんとサンボちゃんがいい役持って行ってたとか、メタルくんのヘタレさが良かったとか、そんな感じですかね。粟根さんは斬られっぷりが素晴らしかったです。久々に逆木さんを拝見できたのも嬉しかった。

とりあえず、色々言ってますが良かったですよ。後半でもう1回見たいかな、やっぱり。

劇団☆新感線「阿修羅城の瞳2003」デジタル上映2005年04月22日 15:13

ぴあで募集してたやつに当たったので、W嬢と一緒に行ってきました。
内容的にはまあ、皆様ご存じの通りDVDと同じなんで割愛しますが、映画見た直後だったのでぐっときましたね、やっぱり。

なにせでかいスクリーンにいい音響で聞いたもんだからOPで泣く泣く(笑)「♪夜空に浮かぶ~天かける橋 闇の彼方へ~」って来た瞬間につつーっと。私新感線の中でトップ争う勢いであのOP好きなんですよー!で、天海阿修羅がせり上がってきた瞬間にまた涙ですよ。いやほんと、良くできたOPです。

同じく阿修羅転生シーンなんかも大画面で見ると迫力あって凄かったんですが、意外にびっくりしたのが「殺戮の街(だっけ?)」と「男を断とう!」とラストシーンの映像効果。あれが大画面に映えるんだわ。TAKIの歌もしっかり機能して、いいシーンになってた。

後はデジタル上映のせいか、アップになるとヅラの羽二重がしっかりと見えていたりとか、今まで気づかなかったような細かい声拾ってることに気づいたり、重箱の隅的発見は多々(笑)
正直アカアオの髑髏城よりもゲキシネ向きだと思いました。映画公開中の今だからこそ、どっかでそっと上映すればいいのに。

というわけで、念願だった「大画面で阿修羅城2003を見る」が達成できてうれしゅうございました。どーでもいいけどじゅんさん登場シーンでスタッフ笑いすぎです。(後方のスタッフ席からどっと笑いが…)

お土産はB4サイズの「阿修羅城の瞳 プレスシート」と、アンケートのお礼に「E!Oshibai 予告編集2」をいただきました。わーいわーい!

劇団☆新感線「髑髏城の七人(アオドクロ)」(千秋楽)2004年10月28日 15:09

@日生劇場

プレビュー以来、約1ヶ月ぶりのアオドクロ。
ぐっと良くなってたし、台詞やシーンの順番の細かいところが入れ替わったりしてました。
一番はっきりと変わったのが捨之介が捕まった座敷牢の後のシーン。プレビューでは確か、捨之介が自力で脱出して終了だったと記憶してるのですが、無名との決戦がこっちに移動してきたので、100人斬り→天魔王戦の流れがすっきりテンポ良くなってました。(プレでは100人斬り→無名戦→天魔王戦)
蘭兵衛のスタイル・捨之介のスタイルもはっきりと出てきたようで「若さあふれるアオドクロ」というのが全面に出てきたなと。

象徴的だなーと思ったのが「もう目の前で無駄な人死にを見るのは御免被りたい気分なんだよ」という台詞を泣きそうになりながら言った染捨。若い!若いぞ~。でもその若さにぐっと来ましたよ。
今回(二度目の鑑賞)はぶっちゃけ染ちゃん鑑賞に行くつもりだったので、オペラグラスもしっかり持参してOP~最後まで、気になってた部分の表情は全部チェックして見てました(笑)
天魔の間で偽捨→天魔王に戻る時の表情、扇の殺陣シーンの表情、やっぱり個人的に今回は天魔王万歳です。かっこよかった~。鬘も天魔王の髪の毛を編み込んでるバージョンが好きなんですよね。あれはやっぱり無明と無音が毎日結ってるのだろうか。
しかし24日に幸四郎さん見てきたばっかりのせいかなぁ、染ちゃんの立ち姿や舞台顔がどんどんお父さんに似てきた気がする。

というわけでキャスト別。

捨之介/天魔王:
個人的には今日の出来なら文句ないです。二役のメリハリがしっかりしてたし、染ちゃんが演じる捨之介がしっかり確立してた。和服の動きはもちろん、甲冑姿の動きの美しさにも惚れ惚れ。OPの微妙に洋風テイストなダンスも板に付いた気がします。やっぱり華のある人だよなぁ、出てきただけでもパッと目を引く。
個人的に好きなシーンはセンターで誰かがしゃべってる隅っこで、沙霧に琵琶の仕込み銃を見せてたり、からかってたりするとこ。優しい雰囲気とお茶目な雰囲気があふれてて良かったです。
来月からは歌舞伎に専念されるということで、そちらの精進をとてもとても期待しております。

沙霧:
元気いっぱい、はじける若さの象徴な(笑)可愛らしい沙霧でした。捨に卍固めを決めるシーンが好きです。後、捨之介を刺した後の動きと表情が凄いなと。舞台上での反射神経がいいんだろうなぁというシーンが多々。アドリブにも動じないし、的確に応えてる。カーテンコールも一生懸命手を振って、お辞儀をしてくれて、可愛かったなぁ。
捨じゃないですが、三年後にもう一度ヒロインをやってほしい。

蘭兵衛:
最後まで迷ってる蘭兵衛…だったのかな。捨の「今度こそ殿の後を追いかけろよ」って台詞が胸に染みてしまった。
裏切った後は水野蘭の散り際の桜のような鮮烈な美しさとは対照的に、月光の下でひっそりと朽ちてゆく花のような、そんな退廃的な美しさの蘭兵衛でした。個人的には好きです。捨之介との兄弟のような関係が新鮮だったので、裏切りが寂しい蘭だったなぁ。(水野蘭は裏切りが悲しかった)今度こそ殿を追いかけてください。

極楽太夫:
うーん…。実は今回の極楽、個人的にはなにもかもが納得いかなくて物凄くへこんでたりします。聖子さんなのにー!プレでも書きましたが、忠馬のどこに惚れて「真夫が命かけるときに~」の台詞が出てくるのかわかんない。「りんどうや。本当の名前はりんどう」って台詞にも意味を感じない。極端な話、無界が壊滅してもあんまり辛そうに見えない。楽日でもそれはあまり変わらなかった。
聖子さんのせいじゃない部分の要因がでかいんだろうなぁ。衣装・鬘・演出。それだけに悔しいです。「捕まえてごらんなさ~い」のシーンは大好きだけど、そんなとこだけ気に入っても…。

カンテツ:
あれはずるいだろう(笑)贋鉄斎からのスイッチの仕方が上手かったなぁと思います。二人の掛け合いも良かったし、後半の忠馬との掛け合いも良かった。台詞まわしが何気に難しいんだろうなぁと感心してみたり。百人斬りは物凄くスピードアップしてて素晴らしかった。満点。

狸穴二郎衛門:
初日よりはふっきれた感じだったかなぁ。喉のせいか、所々裏返る声が逆にアクセントになってて良かった。しかしこの役はアカドクロの佐藤さんがインパクト強すぎたよ…ごめん。

こぶしの忠馬:
熱かった!初日見たときは「がんばれアックン!君の役目は舞台の温度を沸点まで上げることだ!」と思っていたので、あれだけ熱血してくれたら言うことありません。才蔵との関係もいい感じだった。惜しむらくは殺陣。アツヒロ氏は長物の方が得意なのかな?素手部分は良かったけど、鎌はイマイチだった。でも難しいよね、あれ。

鋼の鬼龍丸:
もったいないなーと。もうちょい使い方はなかったんだろうか。印象に残るシーンが嫁ネタだけってのはどうなんだろう。

水無月才蔵:
出番少なかったですが、美味しいところを持って行ったなという感じです。友人K嬢は「才蔵さん…v」になってました(笑)

小田切渡京:
才蔵さんが小説キャラなんだから、こっちも小説版キャラにすればよかったのになと。面白かったからいいけど。あの鬘はいただけない。生理的にキモくて嫌でした。

というわけで、ドクロイヤーも終了ですね。
あまり舞台の中の歌や派手さは気にしないせいか、好みとしてはアカドクロが好きでした。アオは一つのショーとして確立していて楽しかった。
赤→青→白と2004年の新感線は続くわけですが、最後の一色も楽しみにしてます。

劇団☆新感線「髑髏城の七人(アオドクロ)」(プレビュー公演)2004年10月06日 15:09

@日生劇場

いや~、なんかこう、芝居って楽しいなとつくづく思いました。演者と演出で変わるんですね、やっぱり。
とりあえず取り急ぎの箇条書き感想。

・OPを97年版に戻して髑髏党ダンスから始まったのはドキドキでした。
・でも本能寺映像化しちゃうのはどうなのかと。染ちゃん、月代似合わない…
・ラサールさんが佐藤さんと比べてダンディすぎて薄かった。自分の名前を噛んじゃいけません。それと、狸穴の時と家康の時でもっとメリハリつけてもいんじゃないかな。
・杏ちゃんが可愛い。泣いてる時とか刺した後に本当に指先がガクガク震えててすごいなぁと。
・無界の里のセットが出てきた瞬間「♪ウェルカムトゥ~ドリ~ムランド!」って感じでした。で、聖子さん出てきて「ここはマダムヴォルフの館ですか?」と(笑)
・忠馬と愉快な仲間たちがバカで派手で良かった。アツヒロがもう一段ふっ切れるとかなり化けるでしょう。車輪付スニーカーを使ってくるとは思わなかった!「♪夢はフリーダム フリーダム」
・白バンコランこと捨之介さん、私は結構好きだ。出門とどこが違うのかと言われると疑問だが。
・天魔王の極悪非道さが増していた。ふるちんとは違うベクトルでの非道。残虐系?でも敦盛舞わせるのは反則だよ…染ちゃんがやったら上手いに決まってるじゃないかー!見とれてしまった…
・ついでに天魔王の鎧なしシーンの衣裳がかなり好きだ。
・池内蘭、ミキたんよりも色っぽい気がする(笑)でも殺陣はがんばろうね…。過去3人の蘭の誰とも比べられない蘭だった。私は好きだがきっと意見は割れるだろう。
・高杉さん、もっと上手く使ってほしかった。
・三宅さん可愛すぎる…。
・髑髏党にアクションクラブが勢ぞろいだったので、染も含めて異常に強かった。
・まだ「セブンソウル」になってないなーって感じ。個々が個々の段取り追ってるだけ。でもこれが化けたらすごいことになると思う。
・粟根さんにそろばんで殺陣させるのは反則じゃないだろうか。
・逆木さんと川原さんは全面的においしすぎです。
・個人的に音楽はアカ圧勝(笑)慣れたら変わるかもだけど。
・村木(仁)さんはノーコメント(笑)

総合するとこれはこれでかなり好きです。まだ全面的に薄いんだけどね。あとアカの座組みがバランス良かったせいか、全体的なバランスがまだ取れてない気がする。キャストの手探り感がなんとなく伝わってくるというか。出し切ってないなぁと。特に染。
まあ、プレビューですし。きっと通し稽古もそんなにできてない状態だろうしこんなもんかなと。1週間経ったらかなり変わると思います。
蘭の花の演出はいいんですけど、使いすぎで食傷気味。やたらめったらみんなが蘭の花を持ってるわりに印象に残らない。整合性が通ってない気がする、あの花に。髑髏城へ蘭が行くシーンに到っては上から遺影降りてきそうだったよ。葬儀用祭壇状態。
あと追加された座敷牢のシーンがイマイチ解せない。あそこであれ入れるなら蘭丸のラストは変えるべきだと思うんだが。
100人斬りはすごかったよー!三宅さんもすごい!若くなきゃできんわ、あれは(笑)テンポアップした楽近くの100人斬りを是非見たい。

・・・・・・・・・・・

さて、一晩経って落ち着いたので、シーン別に思い出してみたいと思います。

ジューダスでステージが青く染まり、OP。
いきなりスクリーンに INOUE KABUKI SHOCHIKU MIXの文字。始まる本能寺の変の<b>実写映像</b>。池内くんは前髪あるし、染@天の殿様は月代剃ってるし、正直「なんだかなぁ」でした。いっそ歌舞伎メイクにして歌舞伎口調で画面にソフトフォーカスかけちまえば良かったのに。また染ちゃんが月代似合わないんだ(笑)

続いて髑髏党軍団の元に秀吉の刺客が。ここで村木姉さん&カナコさんの無明&無音コンビ復活!天魔王軍団が一斉に踊る97年版のOPに近い感じですね。天魔王の鎧は完全に西洋甲冑な雰囲気。南蛮ものという設定なのでこれが正しい姿なのかもしれません。ふわふわマントがカッコいいけど邪魔そうです(笑)
白髪には驚きました。捨之介も白髪なので、本能寺の後で何かあったのか?これはもしかして後でエピソードが?と期待してたのですが、なんもありませんでした;ビジュアル用みたいです。ちぇっ。そんでここでタイトルが出ます。

沙霧&捨のエピソードはお地蔵様大活躍(笑)この辺のラサールさんは良かったんだけどなぁ。助けた沙霧を運ぶ手段が木箪笥&カートで爆笑しました。

無界はほんっと「♪えんりょせ~ず 気取らず~に 遊んでいってよ~」って感じの衣裳でした。お遊び系な姉さんがいなくて、今回は全員綺麗系です。
セットは「♪火がついたサイゴン」て感じ?いや、雰囲気としてはバンコクのセットなんですが。左右からガーっと出てくるんですけど、あのセットでプレビューでふと「開始5分でセットが出ずに30分休憩」を思い出し、一人でドキドキでしてました(笑)アオドクロで30分休憩入ったら帰れない人出てくるぞ。
でも実際何度目かの出し入れの時に上部のプラスティックの飾りがぶつかり合ってしまって「パシッ!」っと派手な音がしてました。気をつけて~;

中馬と愉快な仲間たちは派手派手しく。アツヒロのはじけ方がまだ甘い。そしてジャニーズ的にダッチ○イフと絡むのはOKだったんでしょうか…

高杉さんはですね、ガンダムか特撮ロボットか。腕の仕込み刀と仕込み銃が武器なんですが、正直いまいち。ビジュアル的にはキン肉マン2世の「チェック・メイト」みたいな感じ?(わっかるかな~;)捨の琵琶の仕込刀&仕込み銃といい勝負だったな。

池内蘭はですね、なんかナチュラルな感じ。捨と当時は仲良しだったんだろうな~って空気。「お前はいつも子ども扱いする」って台詞があったり、「あの死に方見たら生きてるなんて思えないよ」って台詞も「男の子」が言ってる感じでした。でも表情や雰囲気は色っぽいので、蘭という人の危うさが良く出てるなと。ただね、好き好きは分かれると思います。ちなみに獲物は「黄泉の笛」でした。幽遊白書でそんな武器持ってる人いなかったっけ?

「知らぬ顔の蘭兵衛を決め込むんだぜ」で捨が退場した後の台詞が「ところがそうは行かないんだ」みたいなのに変わってて、ここで一幕が終了するのかと思いきや、蘭退場後に刀を打つ音が。

で、贋鉄斎のアトリエまで行っちゃいます。贋鉄斎=逆木さんとその弟子のカンテツくんがいます。カンテツくんはかなりの天然で素敵です。
贋鉄斎はお約束の死に方で死亡。彼の技を全て受け継いだカンテツくんが後を継ぐわけですが、贋鉄斎が「お前にこれをやろう」と何かを頭に被せ、立ち上がると顔の横に「゛」が…。そう、カンテツに「゛」が付いて「ガンテツ」!…アホだ。ガンテツくんは最強のタナカ(=刀)を打つと捨に約束してシーン転換。

いきなり「葬式用祭壇ですか?」ってくらい大量の蘭畑。そこに降りてくる蘭兵衛。「いい月夜ですな~」の台詞はカット(だったと思う)。そんでひとしきり戦った後に「安くはないぞ!天魔王!」の台詞が入って一幕終了…だったかな?

ニ幕は和服で寛ぎ鼓を打つ天魔王とその仲間から。そこにまたまた秀吉の刺客が。バッタバッタと倒した後に、扇子を開いて天魔王が「敦盛」を舞います。
これは反則だと思うよ~(苦笑)確かに染めちゃんにしかできない演出だけどさ。<b>カッコよすぎ</b>ですよ。正直捨よりも天魔王の方が魅力的なんだもの…。
そんでそこに「蘭兵衛がやってきました」で、天魔王の部屋へ移動。

天魔の媚薬のシーンは、正直やっぱり歌なしのが好きなんだよね…。脚本がほぼアカドクロと一緒で、天魔に魅入られてるのは男。やってる動きとポーズはほとんどミキたんと一緒なのに、あからさまに池内君の方が色っぽいです…。でも口移しするところ、迷うくらいならカットしちまえと思いました。吹っ切れよ。
そういや幕間に「水野蘭より色っぽく、水野蘭より弱い蘭でした…」と友人3人にメールを送ったら「だってミキちゃん漢だから(要約)」と言う内容の返事が速攻で来ました(笑)

やってきた沙霧をしばき倒す天魔王。ほんと、ものすごい勢いで殴るわ踏むわ。DVな感じですよ天魔王。ものすごく「悪」ですって感じ。ふるちんの天魔王が「完璧超人」系の悪だとすると、染ちゃんの天魔王は「悪魔将軍」ですね。血とか見るのが好きそう。

粟根さんの「最大の見せ場」は、ほぼサンボちゃんのと一緒。でもあの鬘本気でやめようよ…。私は「何かのきっかけで髪を切り、チラシの状態になる渡京」をかなり終演近くまで期待してたよ…。

無界で惨殺しまくる蘭丸さん。髪型、黒のオールバックにブルーメッシュ。……バンコラン?この辺で川原アニキは首を刎ねられてしまい出番終了。勿体無いけど最後はおいしいところを持っていった。

で、あにさ登場なわけですが…ああそうですか。やっぱりあなたが7人目ですか。嫌いなわけじゃないけどものすごく拒否反応が出たのはなんでだろう。鍬の使い方は凄かったんだけどね。でもアツヒロと兄弟って、どんなDNAなんだよー!(笑)

髑髏城攻めの前に、捨@座敷牢のシーンが挿入されました。でも正直何のための追加かわからん。会いに来て格子の間から蘭の花を投げ入れる蘭丸。一瞬蘭丸が助けに来たのかしら?と思ってもみたけどどうなんだろう。
どっちにしろ「七人」側に気持ちを残してるのは確かだと思ったので、だったらラスト変えればいいのになと思った。
それともあのシーンで重要だったのは「捨が自力で牢を脱出した」ってことの方なのかしら。

七人@髑髏城。まあ、過去の髑髏城とパターンは一緒です。忠馬の「限界まで研がれた刀」は新体操のリボン状態に。アツヒロが華麗に踊ってました。その後武器を鎌に持ち変えるのはアカと一緒。あにさの鍬と忠馬の鎌。あんまバランスはよくありません。殺陣大変そうでした(笑) あと、川ちゃんの禿ネタ健在。

天魔の部屋での蘭丸への一言は「今度こそ殿と一緒に行くんだぜ」だったかな?男の子同士の台詞になってましたね。
で、100人斬り。これは圧巻だった。初日であれはすげー!大交換なんて何回やってたんだろう。染ちゃんだけじゃなくて三宅さんも身体能力のある人なので、側転しながら研いだり色々な技を使ってました。大拍手。楽日近くはもっと速くなって、音と合ってくるだろうから楽しみだ。

天魔王との戦いの手順も大体アカと一緒。ただ「工夫の二枚刃」が「真ん中から刀が折れて、そこから薄刃が飛び出す」という仕掛けに変わってました。
「何故天魔王として死ななきゃいけないか」の辺りもアカと同じ。やっぱりあの刀を逆に持ち変える辺りはぐっときますね。
でもこのシーンのラサールさんに重みが全然ない。狸穴から家康に戻った変化が全くなくてかなり不満。ここはアカの映画の編集のが感動したぞ~。ここで家康が軽いと場面の緊張感が全然感じられなくなっちゃうんだよー!もっと気合入れてくれ~と思った。

ラストのすり替え芸も同じ。退場も大体同じ。最後にかかるBGMが「七芒星」っぽくてちょっと「…」だった。音楽は全体的にアカのが好みだな。聞きなれるとまた変わってくるんだろうか。

夕べから色々考えたんだけど、大枠の演出に凝りすぎて、人物像がものすごくあやふやになってる気がする。役者さんが段取り追うので一杯だったせいもあるかもしれないけど、やっぱり演出かなぁ。
忠馬は本当に極楽を好きなのかわからんし、極楽が忠馬をどう思ってるのかも伝わってこない。捨と沙霧はあんなもんだろうと思うけど、蘭の位置づけもはっきりしない。
厚生年金であれだけ感動した「蘭の花」の演出も、極楽や沙霧や捨と、色んな人に持たせすぎてなんだかわからなくなってる。
捨を中心とした七人、その七人を中心とした人間模様がこの戯曲の核だと思うので、もっと伝わるようにしてほしいなぁと思いました。

とはいえ、見てる間はほんっと楽しかった。もう一回くらい増やしてもいいかな~と思う程度には。
なので楽に向けてどんどん進化してくことを期待しております。