国会ランチ(劇団カントカークト)2005年06月03日 15:14

@明石スタジオ

出演:
辻本修作
核田裕史
小鈴まさ記
宮根耕平
慎子
宇都照洋
壱岐武志

部長が終業2時間も前にとんずらこいたおかげで社内が「やってられっか」ムードに。締め明けの解放感も手伝ってかみんな「今日はさっさと帰っちゃおう」な空気だったのをいいことに、定時15分前に誰にも咎められることなく脱出成功。
予定では18:30には高円寺に着く予定だったんですが、東西線で信号故障とかで電車が途中で暫く停止。結局到着したのは18:50近くでした。

前にこの会場には何かで来たことがある…と既視感に包まれつつ着席。入り口すぐ近くのパイプ椅子席をF嬢がキープしてくれました。ありがちょう。席案内の方(雰囲気で多分役者なんだろうな。舞台に上がるんだろうなって感じの人)が「本来ここで前説なんですけど…時間ないですね。もう始めなきゃいけないんで携帯は切って下さいね」みたいなトークを満面の笑顔で。

結論的には面白かったです。主演の辻本さんが非常に好きです。10年前くらいの筧さんに似てるからではなく(笑)間違いなくこの出演者の中では一番目を引く人だと思う。演説シーンとラストにトラメガ持ってストップモーションするところの目には惹き付けられました。

それから代議士役の宇部さん。いかにも「居そう」な感じが出てていいなぁと。この役に存在感がないとお芝居台無しだったんじゃないかと思いますが、そこはもう素晴らしく。F嬢のいち押しは彼でした。

それから中野さん役の核田さん。指先の動きのきれいさについつい目が…(笑)いや、好きです。こういう物腰柔らかくていつも笑ってる人のが怖いんだよ感がビシビシ伝わってきました。

あと、しんいち役の宮根さんは可愛らしかったですね。他の役者さんは「出てるだけ」感が強くてあまり語る部分もなく…。あ、席案内して下さった方はやはり最後に板に乗ってきて「やっぱなー」と思ったのですが、演出脚本されてる方だとは知らず、後でちょっと驚きました。

あ、小鈴さん。んー、飛び道具だったんですね。いや、レミゼの本番こなしながら細かい稽古は無理だろうから、抜き稽古でイケる役=飛び道具だろうということはW嬢と事前に話した覚えがあるのですが(失礼でごめんなさい…)、まさかああいう形の飛び道具だとは思わずびっくりしました。アンジョルラスの衣裳ではスリムに見えたんですが、胸筋と上腕二頭筋が意外に逞しくて眼福だったという話しを終演後、雨宿り先の「天下一品」でビールラーメン餃子食べつつF嬢と語る。血液パックの中身はなんだったんだろう。ゼリーか駄菓子屋で売ってる合成着色料ガツガツ入ってるジュースだったら美味しそうだ。

で、初日を見てたW嬢・F嬢との共通見解としては「吸血鬼ネタは必要だったのか?」ということ。見たかぎりあまり必然性が感じられなかったり。シュール系で行くなら普通にあの役割を「官僚」が受け持っても良かったんじゃないかなーなんて話しをしてました。吸血鬼が出てる割に主人公と「吸血鬼」として交差する部分が少ないから今一つ存在があやふやな感じで。いや、そのあやふやな感じが狙いだったんだろうか。むむ。素人評なので勝手ばっかり言ってて申し訳ないんですが。

でも久々の小劇場は楽しかったです。90分できっちりまとまってて素直に面白かったし。小劇場系にありがちな「自分たちが楽しくて観客おいてけぼり」感がなくて、お客を楽しませようとしてくれてる気持ちが伝わってきて見てて嬉しかった。
とにかく、辻本さんが良かったので彼が出る舞台はまた見たいな~と思いました。
あと、蟹味噌は軍艦巻きで食べると美味いよね。蟹食べに行きましょう>友人諸氏 強烈に蟹食べたくなった。

追記。
小劇場系の人って脱ぐの好きだよね…。古田さんの「裸侍」とか思い出してしまった。褌に天狗面…。

WE WILL ROCK YOU2005年06月04日 14:40

@新宿コマ劇場

知人が頂いたというご招待券に便乗させてもらって見てきました。行ってみたら非常にいいお席。オペラグラスいりませんでした(^_^;
場内アルコールOKということだったので、生ビールでも片手に見ようかと思ったら生ビール(東京ドームなんかで売ってるサイズ)が1000円!ひっくりかえりそうになりました…。ドームですら確か800円だぞ~。

ミュージカルということで当然生バンド!客層の幅も広くてどうなるんだ…と思ってるうちに開演。
いや~、私もQUEENはそこそこ好きなので曲はほとんどわかって面白かったです。知らない曲も「どっかで聞いたな…」と思ったら新感線でパロった曲だったり(笑) ただ、同じ1アーティストリスペクト系なミュージカルの中でも「マンマ・ミーア」なんかと違ってストーリーその物にQUEENが絡んできたりするもので、全く下地がないままに行くとどうなんだろうなぁと。主人公が「ガリレオ」だしねぇ。
台詞の中にも往年のロックミュージシャンの曲名や名前が盛り込まれてたり。好きならたまらんだろうけど、知らなかったら逆の意味でたまらんだろうな、これ…と思いました。

ストーリーは、
「近未来。画一化・無個性が良とされた世界では音楽すらも配信される物が全てで、イマジネーションは悪とされていた。そこに個性と音楽=ROCKを求める若者たちが現れる。ボヘミアンと呼ばれる彼らには一つの伝説があった。それはどこか大きな岩の中に隠された伝説の楽器を探しだすこと。彼らは音楽=ROCKを取り戻すことができるのか…?」
という単純なもので、正直ないに等しいです。ミュージカルというよりは、壮大なQUEENトリビュートライブというか(笑) 
ミュージカル的ストーリー性を求めて行くと「金返せ」になるかもしれないです。劇中に出てきたあのフレディCGだけはどうにもいただけなかったし(^_^; 金のかかったコンサート見てると思えば良しかな。出演者みなさん歌は凄いし!でもこの手の物で主役よりも脇のが歌上手いってのはデフォなんでしょうかね。個人的には「ブリトニー」役の人が男前で惚れました。あと「Killer QUEEN」役の姐さんがティナ・ターナーっぽい外見でカッコ良かった。ダイナマイツベイベー!

有名どころの曲はちゃんと印象が残るシーンに使われてます。「BICYCLE RACE」で本当にバイクが出てきたり、「SEVEN SEAS OF RHYE」がまんまの歌詞でストーリー進められてたりするのはアレでしたが。「ボヘミアン・ラプソディー」はメインテーマみたいなもんなので、随所にちりばめられてたりするのですが、最後にカテコであのコーラスが大合唱になったときは結構感動しました。あと、本編ラストにステージ客席みんなで足を踏みならしてハンドクラップして始まる「WE WILL ROCK YOU」は結構鳥肌物だったかもしれない。うん、「いかにも」だったけどあのシーンはぐっときた。
カテコラストが「I WAS BORN TO LOVE YOU」なのは日本だけというのはマジなのだろうか?「プライド」効果?

そういえば「若くして亡くなった才能たち」を回想するシーンでジミヘンやジョン・レノンなんかが出てきたんだけど、HIDEが出たところでは場内がしんみりとし、尾崎豊の写真で笑いが起こったのは何故なのだろう。いや、実は私も尾崎の写真が出たときは何故か顔が緩んでしまったんだけど。

まあ、色々言いましたが楽しかったです。前にスーツのおじさんがどっかり座ってて「招待客かな~」なんて思ってたら途中でステージと一緒に大合唱だし、いかにもロックな兄ちゃんや、昔ロックな兄ちゃんだったであろうちょっと不良なおじ様が最後に総立ちで拳を振り上げてる姿は壮観でした。

やっぱりロックはいいなぁ。

箱根強羅ホテル(マチネ)2005年06月05日 15:15

@新国立劇場(マチネ)

出演:
内野聖陽
段田安則
大鷹明良
酒向 芳
藤木 孝
辻 萬長
麻実れい
梅沢昌代
中村美貴
吉田 舞
平澤由美

いやー、面白かった。大人向けのコメディというか。
まさか生オケ(バンド)いるとは思わなかったから非常に驚きました。昭和20年4~5月が舞台ということでオケの皆様も衣裳付。胸に名前書いてあったりしました。

男性陣全員がスパイというのはなんとなく読めた筋だったし、麻美さん演じる智恵子が内野さん演じる国枝の癖を気にした辺りで二人に何か関係があることもわかるし、内容的にはとてもわかりやすいストーリー。でも現代に生きる私たちはその5月以降の日本で何が起こったかわかっているわけで。
無茶苦茶な作戦を立てる軍部やそれを信じきってる陸海の軍人を笑いながら、でもこれが現実だったんだと思うと素直に笑えない何かもあったり。現代ならコメディになってしまう作戦を、当時はいい大人が真剣に論議してたんだと考えると、戦争というものは本当に一種の集団トランス状態なんだと改めて思いました。
一番シュールだったのは梅沢さん演じるおばちゃん@財界のスパイの「今は工場が焼かれ、職人を兵役に取られて儲からない。でも戦争が終われば戦後復興で大儲けできる。だから終わらせたいらしいよ」って言葉でしょうか。いつの時代も軍事産業が儲かるから戦争はなくならないんだよなぁ。

役者陣。
内野さんと段田さんの運動量が素晴らしかった。どちらも身体のキレが良くて、見ていて楽しい。特に内野さんはロープ降下まで披露して下さってお疲れさまでした。あれ、大変なんだよね…。江戸っ子もどきも似合ってました。写真で見て「げ」と思った髪形も良かったと思います。登場シーンの運動量がまた凄かったなぁ。

藤木さんは次の「プロデューサーズ」のイメージがなんとなく浮かんできました(笑) 後半のシリアスモードも「デモクラシー」の時と全然違っていて凄いなと。この方も動きのキレがいい方だなぁと思いました。

段田さんは近眼演技が最高でした。何を演じても本当にお上手な方だなと思います。どうでもいいですが陸軍中野学校と言われる度に「陸軍中野予備校」を思い出してニマニマしてしまいました。

酒向さん・大鷹さんは凸凹な感じでまずは掴みオッケー。陸軍と海軍のコンビもまたよし。典型的な軍人が変わってく感じも不自然なくてやっぱり凄いなぁと。大鷹さんの「暗号歌」への拘りが好きでした。

三人娘。平澤さんはやっぱり日本人ぽくなかったような…。でもあのダイナマイトなジジさんが見事に「少女」になってて、役者って凄(以下略)。基本的に三人一組だったんですが、それが妙にB級アイドル感を醸し出しているというか…ぶっちゃけ好きです(笑)

辻さんはこの雑多な人々を上手く緩和する存在でいい味を出してらっしゃいました。すごく普通な人。その普通の人感が良かったです。

麻実さん。舞台を拝見するのは初めてでしたが、歌が多いせいか非常に「ヅカ」な雰囲気でした。特に歌い方としぐさ。背がお高いのでトレンチコートが似合っていていいっすね!

舞台セットの雰囲気がとても好きだったのと、歌のシーンがいかにも「ミュージカル」ではなく、普通の人が普通に楽しく歌ってる感が出てていいなぁと思いました。パンフレットが800円なのも有り難かったです。そうそう、パンフに入ってる「作者の言葉」が折り込みな辺りに現場の切迫感が滲み出ていて切ない気持ちになりました。井上先生……

BOY FROM OZ2005年06月13日 14:41

@青山劇場

CAST:
坂本昌行
紫吹淳
IZAM
団時朗
今陽子
鳳蘭

1階前方センターという非常に見やすいお席でした。隣のグループがどうもアンサンブルさんか誰かの関係者だったようで後に大変なことに。

感想としては、結論的には良かったです。チケット代の割には照明セットがチープだなとか、アンサンブルに歌えてないのに声出し過ぎでウザいのがいるとか色々突っ込み処はあるんですけど、とにかく主役の坂本さんが出ずっぱり、歌いっぱなし、踊りっぱなしであれだけやってるというそれだけでチケット代分くらいの見る価値があったと思います。1日2公演とかやってるの考えたらほんっと凄い。
そして脇を固める皆さんもそれぞれに良さがあって、見終わった後にとてもいい気持ちになれるステージだと思いました。

印象的だったのはピーターの恋人グレッグが亡くなるシーン。泣かせどころで切ないってのもあるんですが、グレッグの衣裳やステージ上の動きの演出がどうもこう「RENT」の「Without you」と重なってしまいまして…。
3組のカップルがそれぞれの思いをステージの各所で表すシーンなんですが、その中にゲイのカップルであるエンジェルとコリンズという二人がいまして。HIVが発病し、徐々に身体の自由が効かなくなるエンジェルに献身的に尽くすコリンズ。そんなコリンズの気持ちが辛くて拒否しようとするエンジェル、エンジェルの不安ごと抱き留めようとするコリンズ…。その後の「CONTACT」でのエンジェルの魂の叫びのような歌声と、エンジェルを失ったコリンズが悲しみの中で歌う「I'll Cover you」。その辺りがピーターの悲しみにオーバーラップしてしまって、相乗効果で結構泣けてしまいました。
坂本ピーターの悲しみ方がなんというか、演技を感じさせない雰囲気で、素で泣いているように見えて自然に目が潤んでしまった感じです。

で、2幕にお客さんをステージに上げる演出があるのですが、前述のアンサンブルさんの知り合いらしき集団が男子(というには年でしたが)4人組だったんですよ、しかも通路側で。「誰か踊りたい人いる~?」とピーターに声をかけられ、その4人が思いっきり「はーい!」と…。あまりの自己主張の激しさに半ば呆れて他のお客さんに声かけたりしていたピーターも、そのシーンでは既にゲイであることを隠していないので(笑)ピチピチ男子4人を無視するわけもなく、彼らの所へやってきました。つまり私の4席隣にピーターが…!
男子たちもゲイの彼を挑発しようと「すごくいい匂い」「かっこいい!」等アピールしまくり、最後は苦笑いのピーターが「わかった、全員でおいで!何人で来てるの…?」と、声をかけたのですが、その視線の先には何故か私が…。何で?どうして?とポーカーフェイスで動揺してたらですね、どうも服装が問題だったらしく。
私の服装は昼間会社で「コンセプトは真夏のチンピラです」と言って笑いを取った、モダン着物柄風、アジアンテイストな皺加工の入ったシースルーシャツ(黒+赤メイン)にHRCのタンクトップという、隣の男子たちととっても馴染む服装だったんです…。その隣のF嬢が紺のジップアップシャツという堅実な服装だったので、ピーターの中では私までで一集団として区切られてしまったらしいのですね。そこで男子が「5人です!」とか言うからますます動揺(でも顔に動揺が出ないタチなのでポーカーフェイス)していたら、5人目は別な席に座っているということが発覚し、男子4人がステージへ連れて行かれ、私は事なきを得たのでした。いやー、びっくりした~。しかしあの集団の中に組み込まれていたのかと思うとちょっとショック…。後でF嬢に「あなたと私の間に境界線が見えたんだよ」とか言われるし。くそう。

さて、キャスト別。
坂本ピーター。主人公としてのインパクトはあまり強くない感じなのですが、強烈な個性の脇の中心で自然に、普通に板の上にすっと存在していて、それはそれですごいなと。とにかく最初から最後まで歌いっぱなし、踊りっぱなし。いやー、すごい。坂本さんの歌を生で聴くのは多分2000年のV6コン以来じゃないかと思うんですが、声が太くなっていてびっくり。低音が随分響くようになってました。結構声がひっかかってるような所もあったんですが、こんだけ毎日2公演も歌ってたら仕方ないのかなぁと。あ、あと動きがすご~くしなやかで感動しました。だからこそ2幕のゲイ役がはまってたのかな…?楽日まで何事もなく終わって欲しいです。

紫吹ライザ。劇中でライザのショーがあるのですが、総スパンの超ミニ背中丸出しワンピ来てるのに、見てるうちに脳内で黒燕尾に変換されてました…ごめんなさい。だってあまりに男前で。歌も興が乗ってくると段々男役風味になってくるし…。曲後半の盛り上がり方は正に宝塚なショーっぽくて、ああ、黒燕尾からフィナーレの衣裳に着替えたのね~みたいな。
実際のライザ・ミネリがどんなキャラクターだったか私は存じないのですが、とってもサバサバした男前のお姉さんでした。ただ、ピーターと上手く行かなかったことに関して(この劇中の場合は)「そうね…性転換したばかりの女とゲイじゃ親友以上にはなれないわよね」と納得してしまったのが果たしていいのか悪いのか。
でもとにかくリカさんは格好良くて輝いてて素敵でした。

鳳ジュディ。やっぱり「スター」なんだなと。圧倒的な存在感です。劇中で亡くなった後にピーターが歌う歌を彼女が途中から引き継ぐのですが、その歌声が圧巻でした。笑いを取るタイミングも絶妙だし、うん、「スター」です。

IZAMグレッグ。うーん、不思議な存在感だった。歌は正直ちょっと…だったし、特別演技がいいわけでもないし、でも印象に残ったなぁ。決して多くない出番の中で印象に残らなかったらアウトな役だと思うし、良かったんじゃないでしょうか。でもデュエットはもうちょい美しいハーモニー聞きたかったです…。

今ママ。彼女の最後の歌が一番泣けました。素晴らしかった。

あと、リトルピーター&ヤングピーターのタップが凄すぎでした。リトルピーターは歌も上手いしびっくりです。よく見つけたなぁ。

最後のサンバなステージ見て「ああ、ミュージカル一本物・フィナーレショー付」だったのねと。ダルマのロケット出てくるし、羽根背負った姉さん出てくるし、しまいには大階段もどき(笑)いや、楽しかったです。
ピーターの生涯は幸せだったのかな…とか色々考えつつ、会場を後にしました。扱ってるテーマに「RENT」に共通する物が多かったせいか、私は入り込みやすかったです。もうちょっとチケ代安かったらもう一回見たかったなぁ。

終演後、ロビーで「プロデューサーズ」の特別予約受付をやってました。1階前方確約ということでうっかり申込み。でもこれで岡さん見られるの確定だからいいや(笑)長野くんは歌上手くなったのかな…

六月大歌舞伎(昼の部)2005年06月19日 15:36

久々の歌舞伎。ここから何故か3週連続歌舞伎です。
今月は襲名祭も終わって場内も落ち着いた雰囲気。
いつもの歌舞伎座だなーって感じでした。

・信州川中島合戦
梅玉さん以外の出演者の台詞が何を言ってるかわからず、ちょっと退屈だったりしました…。
秀太郎さん扮する越路の卓袱台返し(違。膳返し)にびっくりしつつ、最後の見せ場で「おお」と思ったりしつつ。

・素襖落
吉右衛門さんと富十郎さんのかけあいが可笑しかった。とりあえず「酔っ払いもの」は好きらしいです、私。吉右衛門さんの酒の呑み方がなにせ旨そうで気持ちよさそうでいいですね。魁春さんもきれいだったんですが、扇の使い方がなんだか危なっかしかった気が…。あまり踊れる方ではない、のかな…?

・恋飛脚大和往来 封印切
こういう話しだったんだなーと納得。「封印切」ってああいう意味だったんですね。仁左衛門さんの八右衛門が憎らしいながらもどこか憎みきれない部分があって、いい感じでした。やっぱり台詞回しがお上手だなぁ、と。緩急自在で小気味よかった。染五郎さんの忠兵衛はやっぱり上方言葉がわざとらしい部分がありつつも、テンポ良くて楽しかったです。最後に封印を切るシーンの涙声は演技だったのかマジ泣きだったのか…。気持ち入っててぐっと来たのですが、台詞聞き取れなくなってしまったのが残念でした。

・恋飛脚大和往来  新口村
打って変わって雪景色のセット。ちらちらと雪が舞う中を歩く二人の絵が美しくて眼福。仁左衛門さんがいきなり「お爺さん」になっていてびっくり。いや、役者さんて凄いです。ラストシーンで雪の坂道を消えてゆく二人と、それを涙ながらに見送る老いた父…という図がなんだかとても切なかったです。